忘却の檻 〜あなたは誰〜

ぐう

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 思い出す事はないだろうと思っていたのに学園時代のことを思い出してしまった。
 こんなに辛い思いをなぜ思い出してしまったのだろうか自分でもわからない。
 辛い思いをしたのだからレオンハルトを許すなと言う記憶を失くす前のユリアからの警告だろうか?


 朝食を済ませて、ノンナを自室に呼ぶ。

「今朝の続きを教えてくれる?」

「お嬢様は公爵家の領地で治水の専門家に治水を任せて、公爵家の特産物を作るべく、お嬢様の趣味の一つだったハーブ栽培を始められました。幸い公爵家の領地は水に恵まれてましたのでハーブ栽培に向いていました」

「レオンハルトはその間ろくに来てないのよね」

「はい。大奥様の具合が悪いからと手紙が来るだけで。私達お嬢様付きの者はレオンハルト様は白い結婚をしてお嬢様の持参金で立て直させて放り出すつもりなのだと思っていました」

「ユリアもそう思っていたのよね」

「そうだと思います」

「なぜそこまで犠牲になろうとしたのか今の私にはわからないわ」

「ハーブ栽培に成功されたお嬢様はその後ハーブティをブレンドする試みをし、領内の水害で亡くなった家の未亡人などを雇って、ブレンドしたハーブティに効能をきれいに印刷したカードをいれてラッピングしましたのを王都で売り出しました。びっくりするぐらい売れて、資本ができたので今度はハーブ香油にチャレンジし同じ様に売りだしました。治水も上手くいって領地は整いました。レオンハルト様などいなくても公爵家は上手く回りはじめたのです」

「王都で売っているのはレオンハルトがやっている商会ね」

「そうです。飛ぶように売れるので仕事は忙しい様でいつもお嬢様宛に手紙が来ていました。何が書かれていたのでしょうね。お嬢様は見せてくださらなかったのです」

「覚えていないわ」

「そのあとお嬢様がハーブティをガラスのティポットとカップのセットに入れて飲むと色がきれいだと言う事で商会がバーデン伯爵のやっているガラス食器を扱う商会と提携する前の視察で領地にバーデン伯爵と令嬢と商会の会頭が領地に来たのです。そこであの女がお嬢様二人になった時に自分はレオンハルト様と恋仲だから地味で領地に閉じこもってる女は離婚しろと言ってきたのです」

 なるほどその女がレオンハルトの今の愛人か。でもたかが伯爵家のものが公爵家の妻によくそんなこと言うわ。まあレオンハルトが許してるからだろうけれど。

 そんな女がいてなぜ私から誘惑したとは言えなぜ応じたのかしらね?
 最後だからお情けかしら。でも避妊してなかった。伯爵家の娘を迎える時にそんなリスクを犯すのかしら?

 そんなことをぐるぐる考えていたら午後になっていた。執事がレオンハルトの帰宅を知らせて来た。
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