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髙﨑 レイ

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接章Ⅰ 綿津見

それは始まり

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 瘴煙が発生してきて視界が塞がれる。まだ調教すらできていないのにな。そう思う前から【白咎】を抜き魔力を込めて祓っていく。
瞬間付呪インスタンス聖光」
 処女雪のような白い刀身に蒼銀の光が宿り一合の元で終わらせていく。それでいて瞬間付呪により手に持つ杖も浄化されていく。間合いの取り方にも気をつけないと【スバル】を抜刀にも苦労しそうだし。それに普通の足袋に手袋には瞬間付呪は効かんし。
「ああゲームって偉大だ—エネルギーアロー」
 普段よりも威力を抑えてその分を数に回して射出していく。その矢にも蒼銀の光は宿り浄化していく。その間にも【スバル】を取り出して聖光を杖のみに回して浄化を早める。
「星よ目醒めよ」
 その言葉を拝命したかのように刀身が黄金色の光を放つ。軽く振るうだけでも怨念は砕け瘴気は夜の帳に吸い込まれていく。霊刀とは違いコレが限度だろうが逆に言えばこの能力だけは最大限に高めることが可能な剣。ただ面倒なことに周りの瘴気や怨念が賦活してきている。
星剣の七条セヴンス・ブレード
 星剣を中心として旋回するように7条の剣が生まれる。それは切れる範囲が広がるだけではない。
「舞い踊れ」
 ズパパッとそれぞれが動き祓っていく。久しぶりの感覚だが手足のようにそれらを扱い徐々に杖にも纏わせて振るう。攻撃と同時に浄化もして手に馴染ませる。怨念の動きも瘴気の気配も感じる必要はない。あの頃の感覚を取り戻すように切っていけばいい。ただ相手には実体がないので近接格闘術を組み合わせても意味がない。本来なら。
「—エネルギーエッジ」
 僕の場合は異能としての魔法で全属性に対してコンスタントにダメージを与えれる。それだけでも充分なほどだ。攻撃として認識すればそこに7条の剣を当て内部崩壊を促していけば十分だ。その上でエネルギーアローを撃ち攻撃を重ねに重ねる。

 もうどの位経ったか分からないうちに杖が輝き始める。持ち手と仕込み刃の鞘を区切るように彫金された水晶が夢幻の光を放ち一瞬だが血のように紅い文字で【辰】と書かれて熱い日に揺らめく陽炎のような薄さで【子】の文字が現れる。この水晶は何なんだろうか?しかも封印されている刃は今の僕では確実に扱えないであろうと告げている。何処まで成長すればいいのかは分からないのでしばらくは使えないだろうが。
「面白い。行くぞ」
 水晶が応答するように光る。ふむ、銘があると。なんか意思ある道具インテリジェンス・アームズみたいだな。【スバル】の方はよく分からないがこっちもその程度はあるだろう。杖を剣のように構えて【スバル】を風に乗せるように凪ぐ。そして一気に前段階まで踏み込み狂者と化す。思考を放棄して杖では突き祓い剣で切りかき消す。聖なる光を自らの足元から照らし行く。始まりは小さな種火。ただしし成長しゆくは篝火、聖火に太陽となっていく。縦横無尽に得物を振り回して闇夜を裂いていく。火を成長させるように全てを取り込んでいく。

 天埜流戦闘術 烈火永別

 闘いを求める心を火としてみてその心を持って全てを焼き尽くすように殺していく。【戦鬼】の前の前提段階とされる火の心得。その上で術理を重ねる。

 天埜流戦闘術 流水転果

 天埜流戦闘術 土焚封灰

 天埜流戦闘術 風天印牢

 その四属を重ね束ねバフとして体に馴染ませる。全てが違うが故に全てを同時に熟すことで相互にシナジーを成していく。それが先祖代々伝承してきた属性型術理。何故こう名付けたかは知らないが先祖は最初からそういう人種なのだろう。
「その在り方を理解できてしまうのも大概かもしれんが。取り敢えずお前らはこの人の世には必要ないから《滅べ》」
 
 天埜流戦闘術幻虚 原初宝来

 その一撃でその蔵の在りようごと浄化した。
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