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弐章 最初のイベント
叛逆《リバース》
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「来たね」
第二の町の決闘場。
その場に転移した僕らはそのまま関係者側の通路を行き【クラフト】控室に入る。
「ええ発案者ですから」
「それにうるさいですから」
まあその反射神経で弾丸一つ潰せない程度の連中のプレイヤースキルなんて死んでるも当然だが。
「にしてもよくも使える伝手全て使ったわね」
「まあ。それに今回は異能も使えますし」
「《復讐》に《付呪》ね。それとエージのβ編成と蒼炎剣聖」
この時点でほぼ封殺できるんだがな。
「であれ本当?」
「ええ。10ダメでもLPを減らしたらその人に10万Gと装備品フルオーダーで」
僕らがこの企画に参加者を増やすために足した参加賞。それが10万Gと装備品フルオーダーだ。ちなみにそこまで痛いわけでもない。
「参加費1万Gも取るのはそういう理由かと思ったけどそうでもないのね」
「多少は痛い目を見ろ。流石にリアルに注いできたモノを侮辱されて黙ってられるほど聖人でもないからな」
「でも大丈夫か?お二人さん」
今までの僕・エージにセリアの話をソファーに座って腕を組み瞑想していたガンテツさんが尋ねてきた。
「問題なしですよ。それに【呪い】がそこまで痛い異常状態ではないので」
寧ろバフになる。僕の現実でも発現した異能はそういうモノだ。ありとあらゆるモノに対処できるようにとの願いが【無限の昇華】になったのだろうし。
「俺の異能や【マルクト】はソッチは意味ないから」
「なら良いがの。ところでお主ら天埜流の使い手じゃろ?」
そんな気はしていたがやっぱりか。リアルは自衛隊って聞いたし。
「ええ。僕の方が長男で近衛の1人がエージで」
「ほう。上の零式が感謝していたぞ。鎧兜の件」
認知されてたか。流石は僕に密接に関わっているだけあるなあの部隊。
「なら幸いです。あまり使いたくないですがアイツ由来の異能も何故か手に入りましたし」
「保持者の異能は発現したで充分じゃろ。と水系統か。ひょっとして…」
気付かれた?この人はかなり鋭いところもあるからな。
「…。さてソロソロ始めよう」
「だな。後でサシもあるし」
装備品を全て用意されていたものへと変更すると体全身がかなり重く感じる。体感的には7倍ほど。それでもまだ銃や剣が使える以上支障はないだろう。エージも大丈夫みたいだし。
「頼んだわよ蒼炎剣聖に師匠」
僕とエージは互いに顔を見合わせて拳を軽くぶつける。
「任せとけ」
「β最強の名において」
そして控室からゆっくりと闘技場へと向かう。
『さーて急遽開催が決まったこのバトルロイヤル!チート疑惑がどうとかこうとか言う連中を纏めて叩くと本人が仰ったのでここで白黒つけよう!となったわけであります』
テンションたけー。
『ルール説明!挑戦者側は参加費1万Gを払ったプレイヤー全員で防衛はβ最強にして蒼炎剣聖の二つ名を持つ世界最強のプロゲーマー・エージとその卓越した戦闘能力を鍛え上げ、【辰之刻】及び【子之刻】継承者候補のカオル。彼らに10ダメージでも与えれたらその挑戦者は10万Gと【クラフト】のフルオーダー。そしてもしどちらかが倒せたら参加者全員に10万G。両名とも倒せたらフルオーダーもとなっています』
今考えてもとんでも条件だな。まあ多分片方倒れたらその時点で一気に蹴りがつくと思うけど。
『それに両名はレベル30固定でスキルも一次進化前まで一時的に戻っています。あとなんかそれでもクレームが出たので【呪い】【衰弱】【酩酊】とマイナスステータスの装備品でーす』
これにより僕らではレベル25相当まで落ちたと見込んでいる。あくまで現段階でだが。
『さてとコレで良いかな。というかここまでハンデ貰って誰一人としてクリア出来なかったら受けるんですけど』
…最後に素を出しやがって。まあ良いけどさ。
『それじゃあ行くよ5 4 3 2 1 バトルスタート!』
その言葉と同時に数多の魔法に矢弾が僕らに降り注ぎ大量の壁プレイヤーが押し寄せる。
「瞬間付呪叛逆 復讐」
僕がエージの前に出てそれを呟き幅広の剣で全てを薙ぎ払う。
それだけでまず前列の部隊が壊滅し
「蒼炎」
剣を杖のように扱い異能の蒼き炎が第一陣を押し止め
「創始海」
どこまでも深き海が降り注ぎ爆ぜた。
第二の町の決闘場。
その場に転移した僕らはそのまま関係者側の通路を行き【クラフト】控室に入る。
「ええ発案者ですから」
「それにうるさいですから」
まあその反射神経で弾丸一つ潰せない程度の連中のプレイヤースキルなんて死んでるも当然だが。
「にしてもよくも使える伝手全て使ったわね」
「まあ。それに今回は異能も使えますし」
「《復讐》に《付呪》ね。それとエージのβ編成と蒼炎剣聖」
この時点でほぼ封殺できるんだがな。
「であれ本当?」
「ええ。10ダメでもLPを減らしたらその人に10万Gと装備品フルオーダーで」
僕らがこの企画に参加者を増やすために足した参加賞。それが10万Gと装備品フルオーダーだ。ちなみにそこまで痛いわけでもない。
「参加費1万Gも取るのはそういう理由かと思ったけどそうでもないのね」
「多少は痛い目を見ろ。流石にリアルに注いできたモノを侮辱されて黙ってられるほど聖人でもないからな」
「でも大丈夫か?お二人さん」
今までの僕・エージにセリアの話をソファーに座って腕を組み瞑想していたガンテツさんが尋ねてきた。
「問題なしですよ。それに【呪い】がそこまで痛い異常状態ではないので」
寧ろバフになる。僕の現実でも発現した異能はそういうモノだ。ありとあらゆるモノに対処できるようにとの願いが【無限の昇華】になったのだろうし。
「俺の異能や【マルクト】はソッチは意味ないから」
「なら良いがの。ところでお主ら天埜流の使い手じゃろ?」
そんな気はしていたがやっぱりか。リアルは自衛隊って聞いたし。
「ええ。僕の方が長男で近衛の1人がエージで」
「ほう。上の零式が感謝していたぞ。鎧兜の件」
認知されてたか。流石は僕に密接に関わっているだけあるなあの部隊。
「なら幸いです。あまり使いたくないですがアイツ由来の異能も何故か手に入りましたし」
「保持者の異能は発現したで充分じゃろ。と水系統か。ひょっとして…」
気付かれた?この人はかなり鋭いところもあるからな。
「…。さてソロソロ始めよう」
「だな。後でサシもあるし」
装備品を全て用意されていたものへと変更すると体全身がかなり重く感じる。体感的には7倍ほど。それでもまだ銃や剣が使える以上支障はないだろう。エージも大丈夫みたいだし。
「頼んだわよ蒼炎剣聖に師匠」
僕とエージは互いに顔を見合わせて拳を軽くぶつける。
「任せとけ」
「β最強の名において」
そして控室からゆっくりと闘技場へと向かう。
『さーて急遽開催が決まったこのバトルロイヤル!チート疑惑がどうとかこうとか言う連中を纏めて叩くと本人が仰ったのでここで白黒つけよう!となったわけであります』
テンションたけー。
『ルール説明!挑戦者側は参加費1万Gを払ったプレイヤー全員で防衛はβ最強にして蒼炎剣聖の二つ名を持つ世界最強のプロゲーマー・エージとその卓越した戦闘能力を鍛え上げ、【辰之刻】及び【子之刻】継承者候補のカオル。彼らに10ダメージでも与えれたらその挑戦者は10万Gと【クラフト】のフルオーダー。そしてもしどちらかが倒せたら参加者全員に10万G。両名とも倒せたらフルオーダーもとなっています』
今考えてもとんでも条件だな。まあ多分片方倒れたらその時点で一気に蹴りがつくと思うけど。
『それに両名はレベル30固定でスキルも一次進化前まで一時的に戻っています。あとなんかそれでもクレームが出たので【呪い】【衰弱】【酩酊】とマイナスステータスの装備品でーす』
これにより僕らではレベル25相当まで落ちたと見込んでいる。あくまで現段階でだが。
『さてとコレで良いかな。というかここまでハンデ貰って誰一人としてクリア出来なかったら受けるんですけど』
…最後に素を出しやがって。まあ良いけどさ。
『それじゃあ行くよ5 4 3 2 1 バトルスタート!』
その言葉と同時に数多の魔法に矢弾が僕らに降り注ぎ大量の壁プレイヤーが押し寄せる。
「瞬間付呪叛逆 復讐」
僕がエージの前に出てそれを呟き幅広の剣で全てを薙ぎ払う。
それだけでまず前列の部隊が壊滅し
「蒼炎」
剣を杖のように扱い異能の蒼き炎が第一陣を押し止め
「創始海」
どこまでも深き海が降り注ぎ爆ぜた。
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