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後編
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「……全然眠れなかった。」
鏡には酷い顔の自分が映っている。
一日乗り切れる気がしないが行かない訳にもいかない。
ボーッとしながらも教室にたどり着くと座った瞬間に俺の席には列ができた。
「せ、先輩っ。ずっと好きでした!付き合って下さい!!」
「…すまない。」
「うっ…ぃぇ……分かってました。それでも伝えられて良かったです。」
走り去る後ろ姿に申し訳なさを感じるけど、俺はほのか以外はいらない。そして……このやり取りを何十回すればいいんだろう…。
たまに、ほのかみたいなボブの子やほのかにそっくりなフォルムの子が居て更に振り辛い。疲弊していくけど今年で最後という思いで乗り切っていく。
合間にほのかを見ると鈴木がきっちり護っている。目が合えば顎をクイッとして集中しろと伝えてくる。授業が癒しになる時が来るとは思いもしなかった…。
そして、ほのか全くチョコ持って動かない…。
授業が全て終わりやっと色々と解放された。
ほのかは…チョコを渡しに来てくれなかった……。いや、もしかしたら家で…なんて無いか。
きちんと現実を見よう。それに、俺が告白して振られた訳じゃない。チョコは渡さなかった、ならチャンスある!
とりあえず図書室で鈴木と話したらほのかの家に行こう。そう思っていた。
鈴木が来たかと思って振り向くと、そこにはチョコを持ったほのかが居た。頭の中で鈴木の言葉が再生される。
(義理は一つも無い。本命しか渡しに来ない。)
「と、亨…?」
「ほのか…。」
「あ、あのね…。あ……今日…誰からもチョコ、もらって無かった…ね。」
「貰える訳ないだろ。義理ならまだ受け取るけど…本命は好きなやつじゃなきゃ要らない。」
「そ…そうだよ……ね…。」
心臓が痛いくらい早い。
身体が熱くなる。
「あ、あのね……コレ…。」
「今年の、バレンタイン…。あの、それで…あの、私……」
ダメだ…可愛い、嬉しい、気持ちが抑えきれない。
今すぐ抱きしめたい!
「俺さ……毎年思ってたんだ。コレが本命だったらなって…。」
「う、うぇ?!」
「好きだよ…ほのか。ずっと、好きだった。」
「え?!は?!と、亨…本当に…?」
「本当だ…。だから、ごめん。先に謝る。」
「え?」
好きだから…俺の前でそんな真っ赤な顔、潤んだ瞳をしたらダメだよ。
「ん…んん!」
「んっぷはっ!と、亨ちょ待って私まだ…。」
「待てない。邪魔しないで。」
「んん!!ん…ふぁ…ん…。」
「ふぉおぅ…ん……。」
「…ん。ごめん。ちょっとがっつき過ぎた。」
少し乱れてる息が色っぽい。
いきなりこんな事良くないのは分かるのに…足りない。ダメだ我慢、我慢しろ。
ほのかがもう力が入ってないじゃないか。
「ほのか、支えるから離れないで。」
「ふぁ!と、亨!待って待って待って!」
「む。なに?」
「わ、私まだ亨に好きって言ってないよね?!何でこんな……。」
「ん…それ、チョコ。今日、チョコ持ってきてくれた女子は全員本命だって鈴木に言われてて…ほのかも持ってきてくれたから。もしかして違うの?」
「え、ち、違くないけど…鈴木って…友里~!!」
ああ、ほのか、本当に可愛い…ごめん。やっぱり我慢出来ない。送るから許して。
「違うくないなら問題ないな。ほのか、今はもう少し堪能させて。」
がっついたせいか余裕が出来てきた。
ほのかはヘロヘロになってる。やり過ぎてごめん。反省はしてるけど後悔はない。
「亨。」
「なに?…!」
「好きだよ。」
ほのかが…俺にキスを……これは、ほのかが悪い。
FIN
鏡には酷い顔の自分が映っている。
一日乗り切れる気がしないが行かない訳にもいかない。
ボーッとしながらも教室にたどり着くと座った瞬間に俺の席には列ができた。
「せ、先輩っ。ずっと好きでした!付き合って下さい!!」
「…すまない。」
「うっ…ぃぇ……分かってました。それでも伝えられて良かったです。」
走り去る後ろ姿に申し訳なさを感じるけど、俺はほのか以外はいらない。そして……このやり取りを何十回すればいいんだろう…。
たまに、ほのかみたいなボブの子やほのかにそっくりなフォルムの子が居て更に振り辛い。疲弊していくけど今年で最後という思いで乗り切っていく。
合間にほのかを見ると鈴木がきっちり護っている。目が合えば顎をクイッとして集中しろと伝えてくる。授業が癒しになる時が来るとは思いもしなかった…。
そして、ほのか全くチョコ持って動かない…。
授業が全て終わりやっと色々と解放された。
ほのかは…チョコを渡しに来てくれなかった……。いや、もしかしたら家で…なんて無いか。
きちんと現実を見よう。それに、俺が告白して振られた訳じゃない。チョコは渡さなかった、ならチャンスある!
とりあえず図書室で鈴木と話したらほのかの家に行こう。そう思っていた。
鈴木が来たかと思って振り向くと、そこにはチョコを持ったほのかが居た。頭の中で鈴木の言葉が再生される。
(義理は一つも無い。本命しか渡しに来ない。)
「と、亨…?」
「ほのか…。」
「あ、あのね…。あ……今日…誰からもチョコ、もらって無かった…ね。」
「貰える訳ないだろ。義理ならまだ受け取るけど…本命は好きなやつじゃなきゃ要らない。」
「そ…そうだよ……ね…。」
心臓が痛いくらい早い。
身体が熱くなる。
「あ、あのね……コレ…。」
「今年の、バレンタイン…。あの、それで…あの、私……」
ダメだ…可愛い、嬉しい、気持ちが抑えきれない。
今すぐ抱きしめたい!
「俺さ……毎年思ってたんだ。コレが本命だったらなって…。」
「う、うぇ?!」
「好きだよ…ほのか。ずっと、好きだった。」
「え?!は?!と、亨…本当に…?」
「本当だ…。だから、ごめん。先に謝る。」
「え?」
好きだから…俺の前でそんな真っ赤な顔、潤んだ瞳をしたらダメだよ。
「ん…んん!」
「んっぷはっ!と、亨ちょ待って私まだ…。」
「待てない。邪魔しないで。」
「んん!!ん…ふぁ…ん…。」
「ふぉおぅ…ん……。」
「…ん。ごめん。ちょっとがっつき過ぎた。」
少し乱れてる息が色っぽい。
いきなりこんな事良くないのは分かるのに…足りない。ダメだ我慢、我慢しろ。
ほのかがもう力が入ってないじゃないか。
「ほのか、支えるから離れないで。」
「ふぁ!と、亨!待って待って待って!」
「む。なに?」
「わ、私まだ亨に好きって言ってないよね?!何でこんな……。」
「ん…それ、チョコ。今日、チョコ持ってきてくれた女子は全員本命だって鈴木に言われてて…ほのかも持ってきてくれたから。もしかして違うの?」
「え、ち、違くないけど…鈴木って…友里~!!」
ああ、ほのか、本当に可愛い…ごめん。やっぱり我慢出来ない。送るから許して。
「違うくないなら問題ないな。ほのか、今はもう少し堪能させて。」
がっついたせいか余裕が出来てきた。
ほのかはヘロヘロになってる。やり過ぎてごめん。反省はしてるけど後悔はない。
「亨。」
「なに?…!」
「好きだよ。」
ほのかが…俺にキスを……これは、ほのかが悪い。
FIN
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