私の歌は誰かの心に届いているんだろか

聖 りんご

文字の大きさ
3 / 60

日高 拓海は粘着質

しおりを挟む
次の日、皐月は普通に登校し自身の机に座ると拓海が皐月に早足近づいてきた。

「お前!なんで来ないんだよ!」

「え?行く訳ないでしょ。」

「いや、普通はこう「ど~しよ~こわぁい」とか言いながらも来るだろ!」

「キモっ。行かないわよ。」

「はぁ?!お前、今日は絶対来いよ!絶対だぞ!!」

拓海はドスドス自分の席に戻っていったが、皐月は聞こえないように「いや、行かないし」と呟く。

そしてそのやりとりは三日続き、四日目の放課後に逃亡に失敗した皐月は拓海に軽音部の部室に引っ張られていった。
その間中、皐月はムスッとした顔で抵抗し続けた。

やっと皐月を部室に連れてこれた拓海は達成感に満ち溢れ、勢いよくドアをあけた。
しかし、中には誰も居なかった。

「ちょっと!こんなとこ連れてきてなんなの?あの動画の事なら好きにすればいいわ。私もう帰るからね。」

「わ~待て!!!雨宮!話だけでも聞いてくれないか!」

「嫌に決まってるでしょ。なんであんな事した奴の話なんか聞かなきゃいけないのよ。」

「それについては謝る!ごめん。ただ脅すつもりは無かったんだ。」

「はぁ?何言ってんの?」

皐月は拓海を睨みつけた。
頭を九十度に下げる拓海は微動だにせず、その様子に皐月は少し冷静になった。
拓海を無視したこの数日の間、結局拓海は皐月の事を言いふらさなかった。
その事は皐月の中の拓海の評価をそこまで落とさなかった大きな要因になっている。

「話…くらいなら聞いてあげる。ずっと無視してたし…」

「マジで?!」

「少しだけだから!」

「マジで雨宮いいやつ!ありがとう!!」

拓海はガッツポーズをしながら喜んでいたが、皐月はそんな拓海を呆れた様子で眺めていた。
とりあえず立ち話も何なので、ふたりは適当に置かれたパイプ椅子に座った。

「手短に話してよね!」

皐月は足を組みふんぞり返って拓海の方をむいた。

「お前…パンツみえそ」

「バカッ!」

皐月は顔を真っ赤にして足を崩した。

「今のはお前が悪いんだろ?!俺何にもしてねぇし。むしろ教えてやったんだから紳士的じゃねーか!
もういいから話を聞いてくれ。
俺は!お前に俺の曲を歌って欲しいんだ。」

「あんたの曲?あんた作曲なんてしてるの?」

「おう。聴いたら絶対歌いたくなるぜ!」

「ふ~ん。まぁ、私そういうの興味ないからいいや。ごめんけど他当たってくれる?」

「はぁ?!待てよ!お前今のは聴いてみてくれる場面だろ?!」

「いや、だから興味無いし。ちゃんと話は聞いたんだからいいでしょ。」

皐月は問答無用で軽音部の部室から出ていった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...