甘い言葉を囁いて

聖 りんご

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よん

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タルトを堪能したしいよいよ本題。

「レン兄さま、私語らいの丘に行ってみたいです。」

「語らいの丘?何故そんなところに?」

「恋人達の聖地なのでしょ?メイド達が話してるのを聞いたのです。私も行ってみたいのです。」

「ん~あまり賛成は出来ないな。」

やっぱりダメかな。
そうなると別の方法を考えないといけないけれど…。

「いいじゃないか。俺達がいれば危険もないだろ。それに、姫の願いは叶えるものだ。」

「姫…。」

ヘンリー様は少しキザね。でも少し照れてるのが伝わってくるから頑張ってアシストしてくれたのだわ。
何かもう一押しすればレン兄さまも折れてくれるはず。

「レン兄さま!お願いします。少し雰囲気を味わったら直ぐに降ります。……目の見えない私が行けるタイミングなんてきっと今日だけです。」

「ミシュ…そこまで言うなら仕方ないな。行こうか。」

「ありがとうございます!」

よし、これで私の世界は語らいの丘も追加されるから一人でも行けるわ。
絶対にサラさんのシッポを掴んでやるんだから。






語らいの丘に着くとまさかの事態が待っていた。
丘の頂上まで後少しというところで頂上でイチャつくカップルの声。
もちろんレン兄さまとヘンリー様はバッタリ見えている事でしょう。サラさんがイチャついている姿が……。

「サ…ラ……とエルメ公爵子息…。」

「レ、レン?!どうしてここに!!」

「マジか……。」

「おやおや、バレてしまったね。」

私…初っ端からこんな事になるなんて思わなかったわ。
皆の声からは焦りと失望が読み取れる。
こうなったら私は何も話さない方が良いかな。

「サラ…まさか噂が本当だとは思わなかったよ…。」

「レン…ごめんなさい。私、私…いけないと分かっていたのだけれどフラット様を好きになってしまったの…。」

サラさんから泣いているような嗚咽が聞こえるけど嘘ね。泣いてないしフラット様って人も好きじゃないわ。
やっぱり地位が目的なのかしら…。

このままじゃ優しいレン兄さまが騙されちゃうわ。
やっぱり黙っていられない。

「サラさん……嘘泣きと嘘の言葉でレン兄さまを騙すのはやめて下さい。」

「なっ?!ミシュ、貴女は目が見えてもいないくせに何を言うの!」

「確かに目は見えていませんが、その分私は嘘とかには敏感なんです。貴女からは嘘の匂いしかしません。」

「出鱈目言わないでっ!」

怒ってるわね。
まぁ私の方が怒ってるのだけれど…ちゃんと化けの皮を剥がしてやるんだからっ。

「ぷくくくっ。あはははははは。君、面白いね。」

何故か大笑いしてるのはサラさ…いやサラの浮気相手かな。何がツボに入ってこんなに笑ってるのかしら。
何にも笑える事なんて無いのに。

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