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「おなかいっぱい~」

にこにこと満足げに、すりすりと俺の頬に寄り添ってくる。

俺は何回か、もし 雪が人間になったら…なんて考えたことがある。

予想通り、美人だけど、思ったより…なんて言うか男の俺がドキッとするほどイケメンだ。

触り心地は違うし 俺より大きくなってしまったけど、前と同じ様に 耳の横あたりを撫で撫でしてやる。

「わぁい~、」

今度は俺の膝にちょこんと座ると

「すーすー」

と寝始める。マイペースさも変わらないんだな。

寝ている姿はまさに天使のようだった。

「よしよし、いい子だな~」

すると、寝言を言い始めた。

もともと寝言をよく言うやつだったから、人間になってもいうんだなと思いながら頬を緩める。

雪は

「ご飯、ご飯」

やっぱりご飯の事ばっかり言っている。

すると

「祐也…好きだーー…むにゃむにゃ」

と、嬉しそうにしながら, 述べたのだった。

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