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「祐也!祐也!祐也祐也!!」

帰った早々、雪は何度も俺の唇をペロペロと舐めてきた。

だけど次の瞬間俺の手にがぶっと噛み付いてきた。

そして、クロを威嚇するように、睨みつけていた。

「お前、だれ?人間じゃない!」

あああ、最悪のパターンだ…

「あのな…」

「「祐也・ご主人様
は黙ってて!! 」」

すると、雪は突然様子を変えた。

「祐也は、お前の、ご主人様…なの?」

「ああ、世界に1人のご主人様だ。」

すると雪は少し、興奮を抑えて

「俺、祐也が昔飼ってた犬の話何回も聞いたことある。きっとお前がそうなんだ。
臭いでわかるもん。」

そっか、全部聞いてたのか、雪は。

そういや、クロのこと 沢山雪に相談したな…。

俺が泣いた時は、雪が涙をぺろりと舐めてくれたのも覚えてる。

「お前のことを認めたわけじゃないもん!!
でも、祐也にとって大切な奴だと思うから…!でも、これから、祐也のこと泣かせたら許さない!!!」

すると、クロは雪を挑戦的な目でみつめて

「約束する。でも、逆にお前がいまからご主人様のこと泣かせることになるんじゃないか?」


へっ…!?!?どういうこと…って!!!

俺は部屋のドアを開けた。

部屋はまるでゴミ屋敷だった。
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