まさか推しと戦うことになるなんて……ミッドナイトミッションSPACE‐F-

有馬佐々(ありまささ)

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この世界を知るために

運命の再集結

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 SPACE‐F‐の世界が再び動き出した。

 マドカの願望が叶い、マドカとミコトはSPACE‐F‐の世界へと放り出された。

 景色は森の奥にある廃棄場だった。

 ポツンと佇んでいたレノは、故障しているのか「ピーポポポポ」と声を発すこともない。

「レノ……‼」

 ミコトが叫んだ。

「その声は……ミコトね」

 ガラクタの山の頂上にマドカはいた。

 降りてくる途中、マドカは何かを見つけたようだ。

「ねえ、あそこにいる人達って……ひょっとして……」

 ミコトはマドカの目線の先を見た。

 その先には、ミドリ、タソ、フェンダーが立っていた。

「どうやら、またこの世界に入ってしまったようだな」

 フェンダーがやれやれと口にした。

「また、皆に会えてうれしいよー!」

 タソが元気な口調で言う。

「またこの世界に……なんて良いのでしょうか。まあ、来てしまったからには仕方がありませんが」

 そう言いながらも、ミドリは終始嬉しそうな表情を隠せていなかった。

「皆がいるなんて思ってもいなかったわ……」

 マドカは不思議に思った。

 ――あの時の仲間達なんて呼び寄せていないはずなのに……。

 それは運命に等しかった。

 同じ日、同じ時間に眠りにつき、同じ夢を見て、同じ世界線へと辿り着いた。

 誰もがこの世界を救いたいと思っていたからこそ、五人の集結は叶ったのだ。 

 運命を確かめあっている最中……。

 ガタッ。

 廃棄場の奥から音が聞こえた。

 セイトが廃棄場に埋もれていた。

「ここは、一体……?……廃棄場……そうか、ここは基地のなれ果てか……」

 セイトの声を聞いた五人。

「……パパ?」

 セイトの声色を聞いてミドリは呟くように聞いた。

 何年も息子の声を聞いていないセイトは、それに気が付かず声の行方を追った。

 セイトの目に五人の若者達が映った。

「あそこにいるのは基地に潜入していた女だ……何故ここに……」

 セイトは動揺していた。

「ここはSPACE‐F‐、夢の世界」

 マドカはセイトに向けて大声で言った。

「SPACE‐F‐……ようやく辿り着いた……!まて、それなら、ミドリはいったい何処にいるんだ?」

 マドカはミドリの背中を軽く押した。

「パパ、僕はここにいるよ」

 ミドリの声は慰めに近かった。

「……本当にミドリなのか?」

「こんな体格しているけど……ミドリだよ。パパ。遊園地に行く約束、忘れてなんかいないよ」

 ミドリはセイトに向けて言った。

「……そうか、君がミドリか、眠ってばかりで辛かっただろう……病気が治らないことは知っているのか?」

 セイトは心配してミドリに向かって言った。

「もう……わかっているよ。だけど、僕は病気があったからこそ、大切な仲間達と出会うことが出来たのさ。だから、今はもう病気を憎むことはなく、友と出会えたことに感謝している。これが空想だとしても僕は後悔などしない」

 ミドリは安らぐ表情で言った。

「……そうか……」

 セイトは静かに頷いた。 

 その後、マドカは自分の能力について説明をした。

「そういうことだったのか……。この世界も君の願望で?」

 セイトは徐々に様子を飲み込めてきたようだ。

「ええ、そうなるわ」

 ミドリがこの世界で作り上げた仲間達を大切に思っていることを含め、セイトは五人の眼差しを見て日本を支配する気力を失った。

「争いは起こしたくない。聞いておくがミドリよ……」

 セイトは言葉にするのを躊躇った。

「なに?」

「病気についてはもう諦めているんだろう」

 ミドリは、深く頷いて言った。

「うん。僕の胸はもういっぱいだ」

 それを聞いたセイトは告げたくなかったが、決意して告げる事にした。

「……ずっと言えなかったが……病気は完治することはないんだ……それに加え、ミドリの余命は後三ヶ月も持たないんだ。ずっと言えなかった。それまでに研究を進めてなにか進歩があると思っていたんだが間に合わなかった。本当にすまない」

「そうだったんだ。最後にパパと仲間達で一緒に遊園地へ行けたら良かったのに……」

 ミドリは少し寂しそうに言った。

「最後の力だけど、私願ってみるわ」

 マドカはそう言って、ギュッと両手を握りしめた。

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