銃と少女と紅い百合

久藤レン

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血に染まる百合と私の出会い

1-9 鉈とナイフと届く声

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 使うのはさっきと同じ"クロノスタシス"一番汎用性が高く初見の敵に対応しやすい。

 凛々奈の髪が再び白に染まり瞳も赤く輝きだす。 そして流れるように今度はフリルの下から弾丸を取り出し装飾銃"パレットバレット"へ装填する、特殊な弾丸を撃ち出すこの銃は銃弾の反動と特性に耐え得る用に特殊な合金で出来ているが銃弾が特殊過ぎる為一発しか装填できない。

「先手必勝」

 凛々奈は白い弾丸を装填するとモヤシ男、蛇腹の脳天に向けて発射する。

「白の衝撃《ヴァイスインパクト》」

 ズガァン
速度と威力重視、他の銃弾と違い特殊な効果は無いがシンプル故に強い(オマケに製造費も安い)凛々奈のお気に入りだ。

「うぎゃ!」

 男の悲鳴と共に背後の壁に直撃して薄い倉庫の壁が弾け飛ぶ、そして蛇腹の首から上には何も無くなっていた。

「あんた・・・いったいどうなってんのよ」

 感覚が研ぎ澄まされている今の凛々奈には見えていた。通常の弾丸を超えるスピードの特殊弾が男の額に当たる刹那、男の首だけがグワンと背中側に倒れた。

「お前らを使った実験の副産物でなぁ、たまたま俺が適合してたから使わせて貰ったのよ、自分の身は自分で守れるに越したことはないっしょ」

 グワンと首だけが動き元の位置に戻しながら喋りだす。

「気っ色悪ッ!」

(キモイキモイキモイ!さっさと殺さないと!避けられるならあの弾丸で・・・)

 焦った凛々奈はフリルから銃弾を取り出そうとするが焦りからか

「こんな物騒な物は没収でーす」

カチャ
 凛々奈の手にある銃パレットバレット、それに視線を戻すとその銃身が右手に握られていた。男のいる位置は変わっていないがその場から動かず、右手だけがこちらに伸びていた。

「ハァ!?」

そのまま凄まじい力で手を振りほどかれパレットバレットを奪われてしまった。

「別になんとかの実を食べたゴム人間って訳じゃないけどなぁー ビビッた?」

 そのまま奪い取った銃を白衣の内側にしまいこむ。

(しくった!ちゃんと見てれば避けれたし盗られなかった!いきなり掴まれて驚いた隙で手が緩んだ!)

「フンッ キモすぎて引いてたのよ!このキモキモ人間!」

 強がって言うがこのままではナイフだけで戦闘しなければならない、相手の武器と能力が全て分かってないこの状態では少し不安が残る。

「お前はホントに口が悪いなぁ そんな子にはお仕置きだぞ」
 
 男は白衣に隠れていた背中から大きな鉈をとりだしそれを右手で振りかぶった。

「そーらよっ」

 気の抜ける声を上げながら右手を水平に振り回した。振り回す瞬間から男の腕が一気に伸びる。

(大丈夫、今の私なら視える!カウンターで伸びて来た手を切り落としてやる!)

 しかし襲い来る鉈は余りにも早く鉈の先端部分を当てようとしている、ナイフのリーチでは無理に踏み込むのはリスクが高い、更にもしも私が対応できなきいタイミングで腕を縮ませられるとしたら一太刀マトモに喰らう事になる。

「チィッ」

 カウンターの考えを捨てバックステップで回避する。先端で当てようとしている軌道ならば背後に良ければ問題ない、が。

(もしも鉈がこっちに当たる瞬間伸ばす事が出来るなら、面倒くさいわね・・・)

「紐の先になんか重いもん付けて振り回すとすっげぇ早いし強いよなぁー!」
ブンッ
 男は振り回した腕を切り返し今度は逆向き、振り払うように鉈を振り回す。

(さっきと同じ軌道ッ!)

「しかも伸縮自在だとこんな事もできちゃうよん


 再びバックステップで避けるが今度は刃が彼女に届く少し前に腕が、リーチが伸びる


「やっぱりね!!」

ガギィン!

金属がぶつかり合う音が響いた。



数分前

・・・・何か聞こえる 花火?
そんなわけ、ない・・・か、

ぼーっとした頭が勝手に思考する。

何も考えたくないのに

「あー!もう!うるっせえな!静かにできねえのかあのゴリラ!」

 あの白い服の人が叫んでる

「女一人ちゃちゃっと始末できねえで何が鎧殻だっつうの、そもそも公園でしっかり死なせとけや!」

「楽してえからわざわざ雇ったのによぉ何やってんだか」

スタスタ、ガチャ

 出ていったみたい

女? 公園で?

「もしかして!」

お姉さん!来てくれたのかな?

・・・そんな訳ないよね、あんな風にグチャグチャに・・・

「いゃあ」

思い出してしまったあの時の事を

「もう、いない」

 心がまた沈んでいく

(ご・・んね みーち・・ん も・・とまって・ね)

 ガバッ!
体を起こす。
 今のは、今の声は。

「りりなさん!!」

小さかったけど確かに聞こえた、真っ暗な心に光がさしたような様な気がした。

「よかった・・・だいじょうぶだったんだ・・」

 嬉しさとあんな状態になっても私を助けに来てくれている事に気付いてとても心配になった。そして
さっき迄は全てを諦めて抵抗する気も無くなっていたから分からなかったけど私を縛ってる手足のロープと顔を覆う布はとても適当に縛られていた。

「これ!がんばれば!」

 (なんでだろう、元気が出てきた)

「もういっかい!会うんだ!!」



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