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3章、貴族も楽じゃない
第20話
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「一体何があったんだ」
カイル・ビスナードが行ってしまうとガイが聞いてきた。
私たちは場所を中庭に移して話をすることにした。
放課後だが日はまだ高い。
魔法学園の授業は午前9時から始まり午後3時には終わってしまう。途中昼食に2時間も取っているから実質4時間しか授業がない。
先生の都合で突然休講になることも多い。
今日は午後の講義が休講になっていた。
中庭には芝生が植えられている。
私とガイは芝生の上に座り込んだ。
私はカイルが青髪をバカにされていたこと、それに腹が立ってつい間に割り込んでしまったことを話した。
「伯爵家の子息に喧嘩を売ったのか?」
「喧嘩を売ったことになるのかな?」
「なるだろうな。魔力量について当て擦ったことになる」
「向こうが先にカイルにしていたのに?」
「カイルにしていたんだ。ジュリアがやられた訳じゃないだろう」
「だって3対1だよ。卑怯じゃない」
私の言葉にガイがため息をついた。
「ジュリアは自分が男爵令嬢だってわかっているか?」
「わかっているけど、分からないかも。自分より高位の人に気をつけなくてはと思うけど、どう対処したらいいのか全然分からない」
「ホーン男爵家でそう言う教育はされなかったのか?」
「分からない。私ね、記憶がないの。学園に入る直前に頭を打って、常識的な事がばっさり抜け落ちている」
「そんな状況でよく魔法学園に入学しようなんて思ったな?家族は止めなかったのか?」
「家族のこともよく思い出せなくて適当に合わせていたから、ちょっと記憶が飛んだくらいに思っていたんじゃないかな」
「今は少しは思い出したのか?」
「サッパリ。私が一番親しく感じるのがガイだって言ったら引く?」
「家族のことは?」
「殆ど記憶がないから他人みたい。でも家族仲は良さそうだったよ。弟とも仲良くしていたし」
ガイが頭を抱えた。
「俺の他にジュリアの記憶がないことを知っているのは?」
「家族と侍女のニーナかな。でも殆ど何も覚えていないって言ったのは初めて」
「どうして今まで言わなかった?」
「どんな人か分からなかったから。でもガイなら言っても大丈夫そうだと思って」
「俺はどうしたらいい?」
ガイが遠い目をして言った。
「今まで通り友達として付き合ってください。あと私がおかしな行動をしていたら教えてくれると助かるんだけど」
「俺に出来るところはフォローするが自分でも気をつけてくれ」
「うん、やっぱりガイに話して良かったぁ」
私が抱きつこうとしたのをガイが止めた。
「貴族の令嬢は無闇に男性に抱きつかないものだ」
「ええっ、今更じゃない。年中ガイに抱っこされて移動してるのに」
「それとこれは違うだろう」
「絶対、一緒だって」
「それからカイル・ビスナードにはあまり近づかないでくれ」
「ガイも青髪が嫌いなの?」
私は意外に思った。ガイには偏見や差別があまりない様に感じていたから。
「そういうのじゃない。たぶん俺はあいつに憎まれている。俺とカイルの問題にジュリアを巻き込みたくない」
「カイルに憎まれるって、ガイが何かしたの」
「俺じゃなくて俺とあいつの親の問題だ。俺とカイルは異父兄弟なんだ」
カイル・ビスナードが行ってしまうとガイが聞いてきた。
私たちは場所を中庭に移して話をすることにした。
放課後だが日はまだ高い。
魔法学園の授業は午前9時から始まり午後3時には終わってしまう。途中昼食に2時間も取っているから実質4時間しか授業がない。
先生の都合で突然休講になることも多い。
今日は午後の講義が休講になっていた。
中庭には芝生が植えられている。
私とガイは芝生の上に座り込んだ。
私はカイルが青髪をバカにされていたこと、それに腹が立ってつい間に割り込んでしまったことを話した。
「伯爵家の子息に喧嘩を売ったのか?」
「喧嘩を売ったことになるのかな?」
「なるだろうな。魔力量について当て擦ったことになる」
「向こうが先にカイルにしていたのに?」
「カイルにしていたんだ。ジュリアがやられた訳じゃないだろう」
「だって3対1だよ。卑怯じゃない」
私の言葉にガイがため息をついた。
「ジュリアは自分が男爵令嬢だってわかっているか?」
「わかっているけど、分からないかも。自分より高位の人に気をつけなくてはと思うけど、どう対処したらいいのか全然分からない」
「ホーン男爵家でそう言う教育はされなかったのか?」
「分からない。私ね、記憶がないの。学園に入る直前に頭を打って、常識的な事がばっさり抜け落ちている」
「そんな状況でよく魔法学園に入学しようなんて思ったな?家族は止めなかったのか?」
「家族のこともよく思い出せなくて適当に合わせていたから、ちょっと記憶が飛んだくらいに思っていたんじゃないかな」
「今は少しは思い出したのか?」
「サッパリ。私が一番親しく感じるのがガイだって言ったら引く?」
「家族のことは?」
「殆ど記憶がないから他人みたい。でも家族仲は良さそうだったよ。弟とも仲良くしていたし」
ガイが頭を抱えた。
「俺の他にジュリアの記憶がないことを知っているのは?」
「家族と侍女のニーナかな。でも殆ど何も覚えていないって言ったのは初めて」
「どうして今まで言わなかった?」
「どんな人か分からなかったから。でもガイなら言っても大丈夫そうだと思って」
「俺はどうしたらいい?」
ガイが遠い目をして言った。
「今まで通り友達として付き合ってください。あと私がおかしな行動をしていたら教えてくれると助かるんだけど」
「俺に出来るところはフォローするが自分でも気をつけてくれ」
「うん、やっぱりガイに話して良かったぁ」
私が抱きつこうとしたのをガイが止めた。
「貴族の令嬢は無闇に男性に抱きつかないものだ」
「ええっ、今更じゃない。年中ガイに抱っこされて移動してるのに」
「それとこれは違うだろう」
「絶対、一緒だって」
「それからカイル・ビスナードにはあまり近づかないでくれ」
「ガイも青髪が嫌いなの?」
私は意外に思った。ガイには偏見や差別があまりない様に感じていたから。
「そういうのじゃない。たぶん俺はあいつに憎まれている。俺とカイルの問題にジュリアを巻き込みたくない」
「カイルに憎まれるって、ガイが何かしたの」
「俺じゃなくて俺とあいつの親の問題だ。俺とカイルは異父兄弟なんだ」
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