4 / 8
出逢い
しおりを挟む
あたしが初めて琥太郎に出会ったのは、そして霊感体質になったのは、今から3年ほど前。
幼い頃に事故で両親を亡くし、母方のおばあちゃんに引き取られ、田舎でひっそりと過ごしていたんだけど。
そのおばあちゃんが高校を卒業した春、卒業を待っていたかのように静かに息を引き取り、まだ未成年だったあたしは、父方の親戚を頼るように言われ、おばあちゃんの遺品などを整理した後、保険金や遺産を元手に東京へと出てきた。
だけど、父は母との結婚を反対され、駆け落ちして一緒になったので、父方の親戚を頼れるわけもなく。
とりあえず、住む場所を探そうと不動産屋に行って…驚いた。
正直、東京をなめていた。
こんなに家賃が高いなんて…!
高卒で仕事も見つかってない状態で、そんな高いところには住めない。今はよくても、そのうち貯金や遺産なんてすぐに底がつく。
そういえば、昔テレビか何かで事故物件というのがあるのを見た記憶がある。
自殺者や孤独死が出た部屋にはなかなか借り手がつかないため、家賃が安くなるとかならないとか。
あたしはその記憶を頼りに、不動産屋に食い下がった。
事故物件でも女子のひとり暮らしに向かない部屋でも何でもいいです、とにかく安い部屋を!!と食い下がった結果。
一年以上住むことを条件に、敷金礼金ゼロで管理費共益費込みで家賃三万円という格安物件を紹介してもらった。格安だけど、1LDKで風呂トイレ別。駅からちょっと離れてるけど、歩けない距離ではない。
ただし、途中解約違約金は100万円というボッタクリ価格を言われたけども。
こんな好条件逃す手はないと、契約して部屋へ行くと。
部屋の隅に、男の子がちょこん、と座っていた。
…誰?
「あの…ここで何してるの? 」
男の子は物凄く驚いた顔でこちらを見た。
「お姉ちゃん、俺が見えるのか?」
これが、琥太郎との出会い。
その後妙に懐かれ居座られるも、特別何かされるわけでもなく、むしろひとりぼっちになってしまい、友達もいない環境で幽霊とはいえ話し相手ができて嬉しかった。
最初は。
なぜか、その後やたら幽霊に懐かれ、居座られ、とある事件がきっかけで探偵事務所を開くことになり。
両親を亡くした時も、おばあちゃんが亡くなった時も。
助けてくれる人や護ってくれる人がいて。
両親もおばあちゃんも、周りの大人はみんな子どもは大人が護るもんだから、っていつも言ってくれていて。
だから。
7つかそこらの子どもが、町を護る為とか、大人が自分たちの生活を守るために子どもを犠牲にするような事が、ただただ許せなくて。
もうとっくの昔に終わった事で、少女もなんとも思ってないんだし、余計なお世話なのかもしれないけど。
なんとかしてあげたい。
あたしは、頭をリセットするようにぶんぶん振って、自分の顔をピシャっと叩いた。
考えよう。
みんなが幸せになる方法を。
気合を入れ直したところに、ジリリリリン、と事務所の電話が鳴った。
幼い頃に事故で両親を亡くし、母方のおばあちゃんに引き取られ、田舎でひっそりと過ごしていたんだけど。
そのおばあちゃんが高校を卒業した春、卒業を待っていたかのように静かに息を引き取り、まだ未成年だったあたしは、父方の親戚を頼るように言われ、おばあちゃんの遺品などを整理した後、保険金や遺産を元手に東京へと出てきた。
だけど、父は母との結婚を反対され、駆け落ちして一緒になったので、父方の親戚を頼れるわけもなく。
とりあえず、住む場所を探そうと不動産屋に行って…驚いた。
正直、東京をなめていた。
こんなに家賃が高いなんて…!
高卒で仕事も見つかってない状態で、そんな高いところには住めない。今はよくても、そのうち貯金や遺産なんてすぐに底がつく。
そういえば、昔テレビか何かで事故物件というのがあるのを見た記憶がある。
自殺者や孤独死が出た部屋にはなかなか借り手がつかないため、家賃が安くなるとかならないとか。
あたしはその記憶を頼りに、不動産屋に食い下がった。
事故物件でも女子のひとり暮らしに向かない部屋でも何でもいいです、とにかく安い部屋を!!と食い下がった結果。
一年以上住むことを条件に、敷金礼金ゼロで管理費共益費込みで家賃三万円という格安物件を紹介してもらった。格安だけど、1LDKで風呂トイレ別。駅からちょっと離れてるけど、歩けない距離ではない。
ただし、途中解約違約金は100万円というボッタクリ価格を言われたけども。
こんな好条件逃す手はないと、契約して部屋へ行くと。
部屋の隅に、男の子がちょこん、と座っていた。
…誰?
「あの…ここで何してるの? 」
男の子は物凄く驚いた顔でこちらを見た。
「お姉ちゃん、俺が見えるのか?」
これが、琥太郎との出会い。
その後妙に懐かれ居座られるも、特別何かされるわけでもなく、むしろひとりぼっちになってしまい、友達もいない環境で幽霊とはいえ話し相手ができて嬉しかった。
最初は。
なぜか、その後やたら幽霊に懐かれ、居座られ、とある事件がきっかけで探偵事務所を開くことになり。
両親を亡くした時も、おばあちゃんが亡くなった時も。
助けてくれる人や護ってくれる人がいて。
両親もおばあちゃんも、周りの大人はみんな子どもは大人が護るもんだから、っていつも言ってくれていて。
だから。
7つかそこらの子どもが、町を護る為とか、大人が自分たちの生活を守るために子どもを犠牲にするような事が、ただただ許せなくて。
もうとっくの昔に終わった事で、少女もなんとも思ってないんだし、余計なお世話なのかもしれないけど。
なんとかしてあげたい。
あたしは、頭をリセットするようにぶんぶん振って、自分の顔をピシャっと叩いた。
考えよう。
みんなが幸せになる方法を。
気合を入れ直したところに、ジリリリリン、と事務所の電話が鳴った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
おめでとう。社会貢献指数が上がりました。
水井伸輔(Mizui Shinsuke)
SF
「正しく」生きれば、どこまでも優しいこの国。
17歳のシュウは、社会貢献指数を高め、平穏な未来を手に入れようとしていた。しかし、システムに疑問を抱く父のランクは最低の「D」。
国家機能維持条項が発令された夜、シュウの端末に現れたのは、父の全権利を支配するための「同意」ボタンだった。
支配か、追放か。指先ひとつで決まる、親子の、そして人間の尊厳の行方。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
清掃員と僕の密やかな情状
MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。
青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。
肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。
44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
ミステリー
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
2026年1月ジャンルを大衆文学→ミステリーに変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる