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しおりを挟むーーーどうして。
思ったのは、ただそれだけ。
俺を好きじゃないなら、すっぱりと切って捨てて欲しかった。
なのに、優しいあいつはそれをせず、……出来ずに。傷つけないで俺との間に線引きをした。
けれどそれは逆効果だ。
あいつがはっきり言ってくれなかったから、俺はどうしてもお前を諦められない。
どうしてくれるんだ。
与えても報われない愛と、伝えても返ってこない俺の気持ちは。
翌朝起きたときの気分は最悪。
今まで胸にあったモヤモヤとした何かが、ツキツキとした痛みに変わって病のように俺を静かに侵しているようで。
「……っ、」
昨日で、全て終わるはずだったのに。
それなのにあいつの所為で、昨日がこの苦しみの始まりになってしまった。
永く、果てしない、地獄の入口。
そこに立っていたのは自覚していた。けれども、あと少しのところで踏みとどまっていた俺の背中を押したのは、紛れもない、あいつで。
「………くそッ、なんで、」
はっきりと気持ちを伝えて、はっきりと拒絶されることで俺はこの気持ちに踏ん切りをつけようとした。
なのに、曖昧に笑いながら俺の前にあいつが引いた線は、拒絶でもなく諦めることすら与えてくれない。
けれどだからといって無理矢理に線を越えられるほど、俺も勇者ではない。
ああ、拒絶も許容もされないのであれば、俺はどうやってこの気持ちを。
「昇華すればいい…」
胸が痛い。
心臓の辺りが、あいつを想って脈動する。
壊れそうなほどに、あいつを好きだと。
けれど、これは叶わない恋。
決して報われることのない恋。
それでも諦められないんだ。
だから、
こんな辛い気持ちを俺に押し付けたお前は、俺を殺す義務があると思うんだ。
なぁ、そうだろ?
「……おにーちゃん」
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