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クロネコテン
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思わずユウトは声を掛けてしまった。自身の言葉を遮られるように尋ねられたネコもどきはまたビクッと体を震わせユウトの問いに答える。
「ハハハイッ!そうです!その節はお助けいただきありがとうございました」
ユウトに助けた覚えはない。あの魔獣を倒すこと以外にできることはなかった。
「どういうことなんだ?助けるために何かしたとは思えないぞ」
「いえいえいえいえ。二度も助けてもらいました」
戦った時と全く似つかない姿をしたネコもどきの魔獣は矢継ぎ早にハイテンションで語り出す。
「一度目は枷を付けられ決められた思考と行動しか許されないまま死ぬしかなかったボクから枷を外してくれました。二度目は魔力を消耗しきって生命力もなくなりかけていたところに魔力を分けてくださいました。こうして自由に喋れるのも動けるのもユウト様のおかげなんです!」
力強く言い切るネコもどきはその感情に合わせて毛も揺れたりとんがったりと忙しい。
ユウトはネコもどきの言う二度目の助けられた話を聞いてあの撫でる時に自身にあった魔力を渡したのだろうかと考える。自身の首に着けられた枷や魔剣、ヨーレンが扱う魔術からそういったユウトの知らない技術が存在するとことは納得するしかなかったが、このゴブリンの身体にも魔力を持ち合わせていることは初耳でありその性質を理解できていないことは問題だと思った。
またこうして音ではない声を聞き取ることができていることを含めてこのゴブリンの身体はわからないことが多すぎる。この先のことを考えてもまずは自身の身体をよく知らなければとこれからの行動方針について一人決断していた。
「それでユウト様!」
つい考え込んでしまいユウトは目の前のネコもどきへの薄れていた意識を戻される。あまりの敵意のなさに油断してしまっていた。
「あっ、ああ。ごめんごめん。それでどうしたの?」
「ボクをユウト様の家来にさせてください!」
突然のねこもどきの申し出にユウトは話が見えず困惑する。
「せっかく自由になれたんだからわざわざオレみたいなよくわからないヤツの家来になるのはやめた方がいいと思うんだけ・・・」
「お願いします!お願いします!必ずお役に立って見せます!」
ユウトが言い終わるのを待たずかなり食い気味にネコもどきは懇願する。体制もかなり前のめりに伸びて必死が伝わって来た。
そして必死過ぎてしまったのか前のめりになり過ぎた体はそのまま地面に倒れ込む。べちゃっと音がしそうなほど見事に広がった。
ちょうどそのタイミングで救護テントに一人、ヨーレンが入ってきた。
「おや。ユウト起きたんだね。体調はどうかな。っと、それは・・・」
ヨーレンはユウトの様子を気にして声を掛けたあと地面に倒れ込み黒い水たまりみたいになっているネコもどきに目をやる。ネコもどきはビクッと一震えして元の形状に戻るとバタバタとベットに腰かけたユウトの足元に潜り込みヨーレンを影から観察し始めた。
「おお!クロネコテンとは珍しい!しかもかなりなつかれてるなんて運がいいね」
これほどヨーレンのテンションが上がっているところをユウトは初めて見た。
「そんなにこのま・・・動物は珍しいのか?」
「ユウトは知らないのか。ネコテンって言って非常に良質な体毛を生成する魔物でね。魔物といっても家畜化できるほど危険性はないんだけど確認数が少なくて希少なんだ。黒色をしたネコテンはさらに少なくて王室界隈でしか流通してないなんて噂があるくらいだよ」
「へぇー。そんなに希少なんだ。ちなみに喋ったりするのか?」
「魔物とは基本的に意思疎通はできないから無理だとは思うけど生産者だったら気持ちを理解することはできるかもね」
ユウトは今しがたクロネコテンとしていた会話はできるか、という意味を含ませた問いだったがヨーレンの答えた内容から別の意味に問いを解釈している。はっきりと意味のある会話をしていた先ほどの状態は異常だということだった。
「なぅなーぅ(ヨーレンの言ってることは理解できますがボクの言ってることを理解できるのはユウト様だけみたいです)」
「おおお!ネコテンってそんな風に鳴くんですね!興味深い」
ヨーレンの様子から今のクロネコテンの言葉が伝わっていないことが確認できた。とりあえずこのクロネコテンが死闘を繰り広げた魔物であることは気づかれないようなのでユウトは黙っておくことにする。
「そうみたいだな。それでヨーレン。オレのこのゴブリンの身体のことについてなんだけど・・・」
「うん、そうだね。僕の方でもいろいろ調べてわかったことがあるんだけど今はちょっと待って欲しい。君が寝ている間にこの野営地の遠征予定が終わりに近づいてね。撤収作業で僕も忙しいんだ。今後の相談も含めて少しまっていてくれ。君はまだしばらく安静が必要だしね」
そうヨーレンは言いながら机に置いてあった機材や物をテキパキとまとめ上げ、運び出そうとしていた。ユウトの返事も聞かないままテントを出ていこうとしているヨーレンにユウトは問いかけた。
「オレはそんなに眠ってたのか?」
ユウトの問いに首だけ振り向きヨーレンは言った。
「えーっと確か三日くらいかな」
「ハハハイッ!そうです!その節はお助けいただきありがとうございました」
ユウトに助けた覚えはない。あの魔獣を倒すこと以外にできることはなかった。
「どういうことなんだ?助けるために何かしたとは思えないぞ」
「いえいえいえいえ。二度も助けてもらいました」
戦った時と全く似つかない姿をしたネコもどきの魔獣は矢継ぎ早にハイテンションで語り出す。
「一度目は枷を付けられ決められた思考と行動しか許されないまま死ぬしかなかったボクから枷を外してくれました。二度目は魔力を消耗しきって生命力もなくなりかけていたところに魔力を分けてくださいました。こうして自由に喋れるのも動けるのもユウト様のおかげなんです!」
力強く言い切るネコもどきはその感情に合わせて毛も揺れたりとんがったりと忙しい。
ユウトはネコもどきの言う二度目の助けられた話を聞いてあの撫でる時に自身にあった魔力を渡したのだろうかと考える。自身の首に着けられた枷や魔剣、ヨーレンが扱う魔術からそういったユウトの知らない技術が存在するとことは納得するしかなかったが、このゴブリンの身体にも魔力を持ち合わせていることは初耳でありその性質を理解できていないことは問題だと思った。
またこうして音ではない声を聞き取ることができていることを含めてこのゴブリンの身体はわからないことが多すぎる。この先のことを考えてもまずは自身の身体をよく知らなければとこれからの行動方針について一人決断していた。
「それでユウト様!」
つい考え込んでしまいユウトは目の前のネコもどきへの薄れていた意識を戻される。あまりの敵意のなさに油断してしまっていた。
「あっ、ああ。ごめんごめん。それでどうしたの?」
「ボクをユウト様の家来にさせてください!」
突然のねこもどきの申し出にユウトは話が見えず困惑する。
「せっかく自由になれたんだからわざわざオレみたいなよくわからないヤツの家来になるのはやめた方がいいと思うんだけ・・・」
「お願いします!お願いします!必ずお役に立って見せます!」
ユウトが言い終わるのを待たずかなり食い気味にネコもどきは懇願する。体制もかなり前のめりに伸びて必死が伝わって来た。
そして必死過ぎてしまったのか前のめりになり過ぎた体はそのまま地面に倒れ込む。べちゃっと音がしそうなほど見事に広がった。
ちょうどそのタイミングで救護テントに一人、ヨーレンが入ってきた。
「おや。ユウト起きたんだね。体調はどうかな。っと、それは・・・」
ヨーレンはユウトの様子を気にして声を掛けたあと地面に倒れ込み黒い水たまりみたいになっているネコもどきに目をやる。ネコもどきはビクッと一震えして元の形状に戻るとバタバタとベットに腰かけたユウトの足元に潜り込みヨーレンを影から観察し始めた。
「おお!クロネコテンとは珍しい!しかもかなりなつかれてるなんて運がいいね」
これほどヨーレンのテンションが上がっているところをユウトは初めて見た。
「そんなにこのま・・・動物は珍しいのか?」
「ユウトは知らないのか。ネコテンって言って非常に良質な体毛を生成する魔物でね。魔物といっても家畜化できるほど危険性はないんだけど確認数が少なくて希少なんだ。黒色をしたネコテンはさらに少なくて王室界隈でしか流通してないなんて噂があるくらいだよ」
「へぇー。そんなに希少なんだ。ちなみに喋ったりするのか?」
「魔物とは基本的に意思疎通はできないから無理だとは思うけど生産者だったら気持ちを理解することはできるかもね」
ユウトは今しがたクロネコテンとしていた会話はできるか、という意味を含ませた問いだったがヨーレンの答えた内容から別の意味に問いを解釈している。はっきりと意味のある会話をしていた先ほどの状態は異常だということだった。
「なぅなーぅ(ヨーレンの言ってることは理解できますがボクの言ってることを理解できるのはユウト様だけみたいです)」
「おおお!ネコテンってそんな風に鳴くんですね!興味深い」
ヨーレンの様子から今のクロネコテンの言葉が伝わっていないことが確認できた。とりあえずこのクロネコテンが死闘を繰り広げた魔物であることは気づかれないようなのでユウトは黙っておくことにする。
「そうみたいだな。それでヨーレン。オレのこのゴブリンの身体のことについてなんだけど・・・」
「うん、そうだね。僕の方でもいろいろ調べてわかったことがあるんだけど今はちょっと待って欲しい。君が寝ている間にこの野営地の遠征予定が終わりに近づいてね。撤収作業で僕も忙しいんだ。今後の相談も含めて少しまっていてくれ。君はまだしばらく安静が必要だしね」
そうヨーレンは言いながら机に置いてあった機材や物をテキパキとまとめ上げ、運び出そうとしていた。ユウトの返事も聞かないままテントを出ていこうとしているヨーレンにユウトは問いかけた。
「オレはそんなに眠ってたのか?」
ユウトの問いに首だけ振り向きヨーレンは言った。
「えーっと確か三日くらいかな」
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