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道中
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魔術灯の照らす荷台の空間にリナはてきぱきと荷ほどきをする。敷物を広げ、その上に薄手の布に包まれたものをその場の人数分取り出した。さらに頑丈そうな木製の容器に水筒から水を配分する。四姉妹たちは取り囲んだ敷物の周りでそわそわとしていた。
「はい。それじゃあ食べましょう」
リナの一声から四姉妹それぞれは包みをほどく。そこには四角く切られたパンに挟まれた肉と野菜たちの姿があった。
荷台の中で広がる匂いに姉妹たちは鼻を鳴らす。
「あれ?不思議な匂いがする」「甘いような辛いような」
「ふくざつ・・・初めて」「いつもよりなんだかおいしそうだよ!」
姉妹たちの反応を見てリナが解説を始めた。
「それはジヴァが特別にってくれた香辛料の香りよ。私も知らないものだったわ。ジヴァの言ってた広い世界の内の一つってことなのかもね」
リナの説明に姉妹たちは手に持った初めての匂いに瞳を煌めかせるとそれにかぶりつく。口いっぱいにほおばったり少しづつ口に運んだり、それぞれに個性が見えるが全員が一言もしゃべることなく黙々と夢中で食事を進めていった。
「すごいね。こんな味がするものなんてあるだ」
食事を終えて水を飲みながら四姉妹はそれぞれ初めての味への感想を述べあい、一息ついている。
「ねぇ、お姉ちゃん。今度はどこに行ってるの?」
感想もひと段落ついた四姉妹の一人が唐突にリナへ質問を投げかけた。
水に口を付けていたリナは容器を床の上に戻し、逡巡するようにうつむく。そしてリナは口を開いた。
「今、私たちが向かっているのは星の大釜と言われている大きなくぼ地の平原。
もうすぐそこで大きな戦いが起こるの。それは私たちのために起こる。
だから私たちはその中心にいなければいけない。とても危なくて・・・命を落としてしまうかも知れない。
でも私たちはそこを乗り越えなくちゃいけないの」
リナは絞り出すように慎重に言葉を紡ぐ。
「広い世界を知るために?」
「そう」
「お姉ちゃんも戦うの?」
「ええ、戦うわ」
「わたしたちは?」
「みんなは私のそばにいて見守っていて欲しい。みんなは私が守るから信じて欲しい」
リナのその答えを最後に姉妹たちはみなしゅんとして押し黙ってしまう。リナは少し焦りを見せながら言葉を続けた。
「私だけじゃ頼りないかもしれないけど、もっとたくさんの人が私達のためにたたかってくれるのよ!きっと大丈夫!」
「だれ?」
「えっと、ロードはもちろん、ヴァルだったそう。ユウトさんやヨーレンさん。それに大工房や騎士団、ギルドのたくさんの人たちが手助けしくれる」
「あの雨の日にお姉ちゃんのことをお姉ちゃんって呼んでた人は?」
「あっ・・・」
言葉が詰まってしまうリナを姉妹たちは黙ったまま注目している。
「レナは・・・レナもきっと戦ってくれる。ちょっと自信は、ないけれど」
リナは自信なさげに視線を落としながらそう答えた。
「レナはお姉ちゃんにちょっと似てたよね?」「お姉ちゃんをみて驚いてた」
「怒ってた気がする・・・」「レナはお姉ちゃんが嫌いなの?」
それまで大人しくしていた分を取り返すように四姉妹はリナに前のめりで言葉を投げかける。
「えーっと、そうね。説明するわ。だから落ち着いて、ね」
姉妹たちは渋々と黙った。
「レナは・・・レナも私の妹なの。ずっと二人で生きてきたけど、いろいろなことが重なって、私の我がままで、私とレナは突然離れ離れになってしまった。レナは私が死んだと思って、苦しんだと思う。
だから私が生きていたと知ってすごく驚いたと思う。そしてまた苦しめてしまったと思う。もしかしたら嫌いになってしまったかもしれない・・・」
できる限りの笑顔を作りながらもリナの瞳は赤味をおびる。その様子に姉妹たちは姉妹たちは戸惑った。
「じゃあレナも・・・わたしたちのお姉ちゃん、なの?」
動揺する中、姉妹の一人がぽつりとつぶやく。
「そう・・・ね。確かにレナは私の妹でみんなの姉になるかもしれない」
リナにとって思いがけない問いに驚きながら答えた。
その答えに姉妹たちは顔を見合わせると何か納得するように「おおー」と声を合わせる。そして一斉にリナに四姉妹は駆け寄り抱き着いた。
「わたしたちとおんなじ、お姉ちゃんの妹なんだから仲直りできるよ」
「お姉ちゃんのこと嫌いになったりしない。わたしたちといっしょ」
「だからだいじょうぶ」
「わたしたちもレナお姉ちゃんに一緒に謝ったげるよ!」
四姉妹それぞれが抱き着きながらリナに声を掛ける。リナは四姉妹の圧にあらがえず仰向けに座った姿勢で倒された。
リナはぽかんと荷台の天井を仰ぎふっと吹き出し覆いかぶさる姉妹たちをぐっと抱き寄せる。
「うん、そうだね。ちゃんと謝ってお話ししないと。まずはそこから」
抱き寄せられた姉妹たちは笑ってはしゃいだ。
人気も道もない夜の暗闇が覆った草原に魔術灯の弱弱しい光が漏れる鉄の荷車が静かに歩みを進めていく。向かう先の遠くには野営基地のぼんやりとした明かりの帯が浮かび上がっていた。
「はい。それじゃあ食べましょう」
リナの一声から四姉妹それぞれは包みをほどく。そこには四角く切られたパンに挟まれた肉と野菜たちの姿があった。
荷台の中で広がる匂いに姉妹たちは鼻を鳴らす。
「あれ?不思議な匂いがする」「甘いような辛いような」
「ふくざつ・・・初めて」「いつもよりなんだかおいしそうだよ!」
姉妹たちの反応を見てリナが解説を始めた。
「それはジヴァが特別にってくれた香辛料の香りよ。私も知らないものだったわ。ジヴァの言ってた広い世界の内の一つってことなのかもね」
リナの説明に姉妹たちは手に持った初めての匂いに瞳を煌めかせるとそれにかぶりつく。口いっぱいにほおばったり少しづつ口に運んだり、それぞれに個性が見えるが全員が一言もしゃべることなく黙々と夢中で食事を進めていった。
「すごいね。こんな味がするものなんてあるだ」
食事を終えて水を飲みながら四姉妹はそれぞれ初めての味への感想を述べあい、一息ついている。
「ねぇ、お姉ちゃん。今度はどこに行ってるの?」
感想もひと段落ついた四姉妹の一人が唐突にリナへ質問を投げかけた。
水に口を付けていたリナは容器を床の上に戻し、逡巡するようにうつむく。そしてリナは口を開いた。
「今、私たちが向かっているのは星の大釜と言われている大きなくぼ地の平原。
もうすぐそこで大きな戦いが起こるの。それは私たちのために起こる。
だから私たちはその中心にいなければいけない。とても危なくて・・・命を落としてしまうかも知れない。
でも私たちはそこを乗り越えなくちゃいけないの」
リナは絞り出すように慎重に言葉を紡ぐ。
「広い世界を知るために?」
「そう」
「お姉ちゃんも戦うの?」
「ええ、戦うわ」
「わたしたちは?」
「みんなは私のそばにいて見守っていて欲しい。みんなは私が守るから信じて欲しい」
リナのその答えを最後に姉妹たちはみなしゅんとして押し黙ってしまう。リナは少し焦りを見せながら言葉を続けた。
「私だけじゃ頼りないかもしれないけど、もっとたくさんの人が私達のためにたたかってくれるのよ!きっと大丈夫!」
「だれ?」
「えっと、ロードはもちろん、ヴァルだったそう。ユウトさんやヨーレンさん。それに大工房や騎士団、ギルドのたくさんの人たちが手助けしくれる」
「あの雨の日にお姉ちゃんのことをお姉ちゃんって呼んでた人は?」
「あっ・・・」
言葉が詰まってしまうリナを姉妹たちは黙ったまま注目している。
「レナは・・・レナもきっと戦ってくれる。ちょっと自信は、ないけれど」
リナは自信なさげに視線を落としながらそう答えた。
「レナはお姉ちゃんにちょっと似てたよね?」「お姉ちゃんをみて驚いてた」
「怒ってた気がする・・・」「レナはお姉ちゃんが嫌いなの?」
それまで大人しくしていた分を取り返すように四姉妹はリナに前のめりで言葉を投げかける。
「えーっと、そうね。説明するわ。だから落ち着いて、ね」
姉妹たちは渋々と黙った。
「レナは・・・レナも私の妹なの。ずっと二人で生きてきたけど、いろいろなことが重なって、私の我がままで、私とレナは突然離れ離れになってしまった。レナは私が死んだと思って、苦しんだと思う。
だから私が生きていたと知ってすごく驚いたと思う。そしてまた苦しめてしまったと思う。もしかしたら嫌いになってしまったかもしれない・・・」
できる限りの笑顔を作りながらもリナの瞳は赤味をおびる。その様子に姉妹たちは姉妹たちは戸惑った。
「じゃあレナも・・・わたしたちのお姉ちゃん、なの?」
動揺する中、姉妹の一人がぽつりとつぶやく。
「そう・・・ね。確かにレナは私の妹でみんなの姉になるかもしれない」
リナにとって思いがけない問いに驚きながら答えた。
その答えに姉妹たちは顔を見合わせると何か納得するように「おおー」と声を合わせる。そして一斉にリナに四姉妹は駆け寄り抱き着いた。
「わたしたちとおんなじ、お姉ちゃんの妹なんだから仲直りできるよ」
「お姉ちゃんのこと嫌いになったりしない。わたしたちといっしょ」
「だからだいじょうぶ」
「わたしたちもレナお姉ちゃんに一緒に謝ったげるよ!」
四姉妹それぞれが抱き着きながらリナに声を掛ける。リナは四姉妹の圧にあらがえず仰向けに座った姿勢で倒された。
リナはぽかんと荷台の天井を仰ぎふっと吹き出し覆いかぶさる姉妹たちをぐっと抱き寄せる。
「うん、そうだね。ちゃんと謝ってお話ししないと。まずはそこから」
抱き寄せられた姉妹たちは笑ってはしゃいだ。
人気も道もない夜の暗闇が覆った草原に魔術灯の弱弱しい光が漏れる鉄の荷車が静かに歩みを進めていく。向かう先の遠くには野営基地のぼんやりとした明かりの帯が浮かび上がっていた。
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