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ユウトの宣言にその場は一瞬、静まり返る。そして真っ先に反応を示したのは四姉妹だった。
「やるやる!」「もちろん!」
「やった!」「力になる」
四姉妹は火のついた花火のように興奮しながら立ち上がると一斉にユウトへ駆け寄る。あまりに予想外な出来事にユウトはどう反応すればいいのか迷っているうちに四姉妹はユウトの腰、胸に抱きついた。
ユウトの身体は踏ん張りがきかずにふらつく。そこへヴァルが背後から支えに入り、どうにか倒れこむのを免れた。
四姉妹は特別嬉しそうに何をしたらいいか、何ができるか、と楽しそうに訴え役にったて見せると主張する。あまりに積極的な四姉妹の行動にユウトは混乱するばかりだった。
そんな様子を唖然と眺めていたレナ、リナ、メルは微笑んで笑い出す。さらにうずうずとしていたセブルも四姉妹につられるようにユウトへ突進した。セブルの歯止めを失ったクロネコテン達もユウトへなだれ込む。ユウトはいよいよ事態の収集が付けられなくなっていた。
「レナ、リナ、メルも。早速だけど助けてくれないか?もうオレじゃどうしようもできそうにない・・・うおっと。み、みんなとりあえず落ち着いてっ!」
ユウトの助けを求めるうろたえた声と、四姉妹のはしゃぎ声、クロネコテン達の鳴き声が混ざり合い、日の落ちた草原にどこまでも響き渡っていった。
ユウトはそれから数日をかけて体調を整えていく。筋力を取り戻し、魔力を回復させていった。
そうしてある朝、ユウトは自然と目を覚ます。日が昇る直前、あたりは静寂と地平線から漏れる光で青く染まっていた。
ユウトは身体を起こして首と肩を軽く回して寝台から立ち上がる。セブルは素早くネコテンの姿に戻り、寝たままのラトムは寝台の上に取り残された。簡単に身支度と整えたユウトはテントの隅に置いてある木剣を手に持ち、出入り口を出た。
ユウトがテントを出るのに合わせたかのように朝日がさす。ユウトは迷わず歩みを進めながら草原を進んで行った。その後ろをセブルを乗せたヴァルがついていく。ユウトが向かう先に一人の人影があった。
「今日の調子はどう?」
レナがユウトへ振り返りながら声を掛ける。
「悪くないな。身体も軽い」
ユウトは答えながら屈伸や手首、足首をほぐした。
「そう。じゃあそろそろ手加減はいらなさそうね」
手に持った短槍を回転させながら軽く演武を行うレナ。
「望むところだ」
そう言ってユウトは木剣を構えた。
ユウトに呼応するようにレナも短槍を構える。穂先は鞘に収められていた。
ユウトもレナもそよぐ早朝の風に当てられながら流れるような気軽さで構え合っている。その光景をセブルとヴァルが離れた所から観察していた。
構え合う二人の間は広い。先に動いたのはレナだった。
大きく飛び込むように踏み込みながらの一突きを放つ。その突きはユウトの視線をたどるように繰り出された。
ユウトから見ればまるで点のような刺突が眼球めがけて迫る。しかしレナの短槍がユウトを捉える事はなかった。
ユウトは動じることなく倒れ込むように身体を半身にずらし、木剣で短槍の側面を押し込んで軌道を変えて躱しきる。そしてユウトはそのまま低く跳んだ。
レナとの間合いを一気に詰める。木剣は短槍の柄にそって進み、レナの腕を捉えようとしていた。
だがレナもすでに次の動作に移っている。突き出していた短槍は手を支点に回転し、木剣を弾いた。
さらに握りの位置を変え、回転した短槍の柄尻がユウトを襲う。ユウトは左腕で短槍の柄を魔膜を張って受け止めた。そして同時にレナは飛び退く。ユウトは追わず、また間が空いた。
「ちっ、やられた」
レナは舌打ちして構えを解く。ユウトは片足で立ったまま蹴りを繰り出す姿勢で静止していた。
ユウトはふうっと息を吐く。
「よし。まずは一本だな」
そう言って微笑み脚をおろした。
ユウトとレナはまた構えをとる。日は昇り始め、二人の長い影が映し出された。その影はすぐに入り乱れ、また離れてを繰り返す。そんなやり取りを何度も繰り返した。
そして、でこぼこになったユウトの木剣の刃がレナの首元で静止する。二人はその場から間をとって構え直し、一気に脱力した。
ユウトは膝に手をついて肩で息をする。背中かから湯気が立ち上っていた。レナもユウトと変わらず呼吸が荒い。ただ呼吸を長くして無理やり息を整えていた。
「まったく!もう一本っ」
レナは胸を張って堂々と立ちながらユウトに言い放って構えをとろうとする。ユウトも息を切らしたまま、にやりと口元を上げて答え、構えをとろうとした。
今にも飛び出しそうな二人の間を割って入るモノがある。
「今日ハココマデダ。ヤリ過ギモ身体ニ毒ダゾ」
ヴァルの一声でレナとユウトはまた脱力した。
「結果は?」
レナは不機嫌を隠さず尋ねる。
「ユウトノ方ガ一本多イ」
「よっしゃ!」
ユウトが空を仰ぎながら片手を掲げた。
「あーぁ、もうっ」
顔を伏せたレナがため息交じりにつぶやく。そして苦々しい笑顔で顔を上げた。
「今日はあたしの負けね」
「付き合ってもらってありがとう、レナ」
ユウトは切れた息のまま清々しい笑顔でレナを見上げる。
「出発まで、あたしの全勝で行くつもりだったのになぁ。またやりましょ」
レナはそう言って短槍を担ぎ、その場を後にした。
「ああ、また頼む」
ユウトはレナの後ろ姿に声に返事を返す。ユウトは立ち尽くしながらその場でゆっくり息を整えた。
そして遠く伸びる街道を見つめる。石畳が続く先で朝日の光を照り返して輝いて見えた。
「やるやる!」「もちろん!」
「やった!」「力になる」
四姉妹は火のついた花火のように興奮しながら立ち上がると一斉にユウトへ駆け寄る。あまりに予想外な出来事にユウトはどう反応すればいいのか迷っているうちに四姉妹はユウトの腰、胸に抱きついた。
ユウトの身体は踏ん張りがきかずにふらつく。そこへヴァルが背後から支えに入り、どうにか倒れこむのを免れた。
四姉妹は特別嬉しそうに何をしたらいいか、何ができるか、と楽しそうに訴え役にったて見せると主張する。あまりに積極的な四姉妹の行動にユウトは混乱するばかりだった。
そんな様子を唖然と眺めていたレナ、リナ、メルは微笑んで笑い出す。さらにうずうずとしていたセブルも四姉妹につられるようにユウトへ突進した。セブルの歯止めを失ったクロネコテン達もユウトへなだれ込む。ユウトはいよいよ事態の収集が付けられなくなっていた。
「レナ、リナ、メルも。早速だけど助けてくれないか?もうオレじゃどうしようもできそうにない・・・うおっと。み、みんなとりあえず落ち着いてっ!」
ユウトの助けを求めるうろたえた声と、四姉妹のはしゃぎ声、クロネコテン達の鳴き声が混ざり合い、日の落ちた草原にどこまでも響き渡っていった。
ユウトはそれから数日をかけて体調を整えていく。筋力を取り戻し、魔力を回復させていった。
そうしてある朝、ユウトは自然と目を覚ます。日が昇る直前、あたりは静寂と地平線から漏れる光で青く染まっていた。
ユウトは身体を起こして首と肩を軽く回して寝台から立ち上がる。セブルは素早くネコテンの姿に戻り、寝たままのラトムは寝台の上に取り残された。簡単に身支度と整えたユウトはテントの隅に置いてある木剣を手に持ち、出入り口を出た。
ユウトがテントを出るのに合わせたかのように朝日がさす。ユウトは迷わず歩みを進めながら草原を進んで行った。その後ろをセブルを乗せたヴァルがついていく。ユウトが向かう先に一人の人影があった。
「今日の調子はどう?」
レナがユウトへ振り返りながら声を掛ける。
「悪くないな。身体も軽い」
ユウトは答えながら屈伸や手首、足首をほぐした。
「そう。じゃあそろそろ手加減はいらなさそうね」
手に持った短槍を回転させながら軽く演武を行うレナ。
「望むところだ」
そう言ってユウトは木剣を構えた。
ユウトに呼応するようにレナも短槍を構える。穂先は鞘に収められていた。
ユウトもレナもそよぐ早朝の風に当てられながら流れるような気軽さで構え合っている。その光景をセブルとヴァルが離れた所から観察していた。
構え合う二人の間は広い。先に動いたのはレナだった。
大きく飛び込むように踏み込みながらの一突きを放つ。その突きはユウトの視線をたどるように繰り出された。
ユウトから見ればまるで点のような刺突が眼球めがけて迫る。しかしレナの短槍がユウトを捉える事はなかった。
ユウトは動じることなく倒れ込むように身体を半身にずらし、木剣で短槍の側面を押し込んで軌道を変えて躱しきる。そしてユウトはそのまま低く跳んだ。
レナとの間合いを一気に詰める。木剣は短槍の柄にそって進み、レナの腕を捉えようとしていた。
だがレナもすでに次の動作に移っている。突き出していた短槍は手を支点に回転し、木剣を弾いた。
さらに握りの位置を変え、回転した短槍の柄尻がユウトを襲う。ユウトは左腕で短槍の柄を魔膜を張って受け止めた。そして同時にレナは飛び退く。ユウトは追わず、また間が空いた。
「ちっ、やられた」
レナは舌打ちして構えを解く。ユウトは片足で立ったまま蹴りを繰り出す姿勢で静止していた。
ユウトはふうっと息を吐く。
「よし。まずは一本だな」
そう言って微笑み脚をおろした。
ユウトとレナはまた構えをとる。日は昇り始め、二人の長い影が映し出された。その影はすぐに入り乱れ、また離れてを繰り返す。そんなやり取りを何度も繰り返した。
そして、でこぼこになったユウトの木剣の刃がレナの首元で静止する。二人はその場から間をとって構え直し、一気に脱力した。
ユウトは膝に手をついて肩で息をする。背中かから湯気が立ち上っていた。レナもユウトと変わらず呼吸が荒い。ただ呼吸を長くして無理やり息を整えていた。
「まったく!もう一本っ」
レナは胸を張って堂々と立ちながらユウトに言い放って構えをとろうとする。ユウトも息を切らしたまま、にやりと口元を上げて答え、構えをとろうとした。
今にも飛び出しそうな二人の間を割って入るモノがある。
「今日ハココマデダ。ヤリ過ギモ身体ニ毒ダゾ」
ヴァルの一声でレナとユウトはまた脱力した。
「結果は?」
レナは不機嫌を隠さず尋ねる。
「ユウトノ方ガ一本多イ」
「よっしゃ!」
ユウトが空を仰ぎながら片手を掲げた。
「あーぁ、もうっ」
顔を伏せたレナがため息交じりにつぶやく。そして苦々しい笑顔で顔を上げた。
「今日はあたしの負けね」
「付き合ってもらってありがとう、レナ」
ユウトは切れた息のまま清々しい笑顔でレナを見上げる。
「出発まで、あたしの全勝で行くつもりだったのになぁ。またやりましょ」
レナはそう言って短槍を担ぎ、その場を後にした。
「ああ、また頼む」
ユウトはレナの後ろ姿に声に返事を返す。ユウトは立ち尽くしながらその場でゆっくり息を整えた。
そして遠く伸びる街道を見つめる。石畳が続く先で朝日の光を照り返して輝いて見えた。
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