西の辺境の村のクエスト管理人である凡庸な俺にSSS級狩人の愛が捧げられた10年間と、これから…。

椿木ガラシャ

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 ――パパパパーンパー
 この世界の一日は雄大な音楽で始まる。
 たとえ、雪山であろうが火山であろうが、海の上であろうが、砂漠であろうが、全世界のどこででも聞くことができる。誰がこの音楽を誰が奏で、そしてなぜ全世界に同じように響いているのかは、誰も知らない。
 この世界の不思議であり、不文律である。
 何はともあれ、共に人々はその日の活動を始め、そして一日が営まれていくのであった。

 ――西の辺境の村・ブラウン村のクエスト管理人・ガランの朝は、雄大な音楽が奏でられる1時間前に始まる。
 目覚めたガランは、体を起こそうとして、腰に伸し掛かる重みに思わずため息を吐く。ガランの他にこのベッドで眠っているのは、伝説の狩人と呼ばれている男だ。鈍色に近い銀髪と、紫紺の瞳を持つ美丈夫だった。しかも、ガランより頭一個分は高い身長と、立派な体格を持っている。
 ガランの夫であり、名をジェラルドという。齢42歳にして、未だSSS級狩人の資格を有する、生ける伝説『銀のジェラルド』だった。
 現在、夫夫は子どもたちと寝室を共にしていない。兄弟で眠るのが楽しいようで、両親をほったらかしにして眠ってしまう。
 そんな子どもたちは長男を筆頭に食べ盛りだ。いち早く起きて、朝食を用意してやらねば、起きてきて騒いでしまうのに…。
「ガラン…」
「ん、おはよう、ございます…あ!」
 足の付け根に熱い物があたる。股の間に擦り付けられる布越しのものに、ガランは慄く。
「あの、ジェラルド、今日は…結婚式…」
 しかも結婚10年目にしての、結婚式だ。
 だから、時間がない。いつも以上に時間がない。
「わかっている。だが、どうもたまっているようだ」
「え?抜き合いましたよね?」
 何人子が生まれようと、夫夫の営みは忘れない。それがジェラルドの信念のようで、3日もあけず営みは続いている。お互いの肌を弄るのはほぼ毎日だ。
 それでも子どもたちもまだ小さいこともあり、ジェラルドとしては我慢しているようで、ふとした時にぎらついた雄の目をしている。
 (もう、10年も経つのに…?)
 出会った頃は若かったガランももう30歳で、世間でいえばおっさんの部類に入る。ジェラルドは12歳年上なので、ジェラルドもおっさんなのだが。ジェラレルドにとっては年若い伴侶を得たということにはなるんだろうが。
「ガランはずっとかわいい。あんなに子を産んだのに、更にかわいくなっている」
「う、うん…、ありがとう」
 褒められているようなので素直に返す。
 そんなやり取りをしている間にも、ジェラルドの手はガランのパジャマ下に忍び寄り、ガランの陰茎を撫でる。
「一緒に気持ちよくなろう」
「ひゃっ」
 ずぼっと股の間に熱い怒張が差し込まれる。既に先走りが溢れ、ぬちっと音を立てて足の付け根に擦り付けられる。
「こ、子どもたちが起きないうちに、お願いします…」
「もちろんだ」
 ジェラルドはガランの耳朶を甘噛みする。
 それが合図のように、ずるずると引いた肉棒がぬちゃりと行き来する。その熱さ、太さにガランは夜を思い出し、思わず両手で枕に縋り付く。
 孔には触れないのに、会陰から陰嚢、裏筋をなぞられて、ガランの快感も高まっていく。
「ガラン、さあ、さすってくれ」
 その手を取られ、ふたりの重なり合った陰茎を掴まされる。大きなものを掴んだ途端、びぐっと大きく跳ね、その勢いに驚いて思わず手を離してしまいそうになる。
 だが、ガランの手を覆うようにジェラルドの手が重なる。
「ん、おっき…」
 野太い亀頭がガランの陰茎ごと掌に擦り付けられる。すりつけられるごとに大きくなっているようで、孔がひくひくと蠢く。それを煽るように、ジェラルドの指先が孔の周りをなぞる。
「どうした、ここも震えているが」
「あ、あなたが触るからでしょっ…!」
 肩越しにガランがジェラルドを睨むと、ふっとジェラルドは笑う。
 不埒な指はぬぷっと沈み込む。
「あ…!」
 奥まで沈んだ中指にぐるりとかき混ぜられる。ガランがベッド上に弓なりにのけ反ると、ジェラルドとの体が離れた。
 なぜだろうと思っていると、ガランはベッド上に仰向けになっていた。側臥位で横たわっていたのに、視線は天井に向いている。突然視界が変わり、大きな影が伸し掛かってきた。
「ガラン…」
 ガランの両方の膝裏に手がかかり、体が二つ折りになる。そこにジェラルドが伸し掛かった。逞しい筋肉が覆い被さってくる。
「ん、あああ…!」
 そのまま差し抜かれ、ガランは仰け反る。つま先がそり返り、髪を振り乱した。
 蕩けて乱れるガランのどんな姿も見逃すまいと、紫紺の瞳で射抜かれる。
 12歳も年上の夫は、ずっとこうしてガランを逃がしてくれなかった。
「ガラン、俺のガラン…」
 屈んできたジェラルドに耳元で囁かれ、身も心もまた、ジェラルドに染められていくようだった。
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