狂い咲き

necropsy

文字の大きさ
2 / 118

狂い咲き2

しおりを挟む

 しかし、嫌と言うほど辱められ、無理やり与えられる彼からのオーガズムは屈辱的としかいえない。

 いくら泣き叫んでも終わらない執拗なまでの彼の舌使い。

 時々、新しい彼と比べてしまう。

 新しい彼は私を満足させようと、惜しみない愛撫をしてくれる。

 その舌使いに心は満たされるのに、なぜか身体だけが満たされないでいた。

 あれから一年が過ぎようとしている。

 なんども忘れようと、心に誓うのに。


 初めて出会った彼は優しかった。

 結婚まで考えた彼に、あっさりと捨てられ、私は一人、ショットバーで夜を過ごしていた。


 誰かに慰めて欲しくて仕方がなかった。

 寂しくて寂しくて、誰かに優しくして欲しかった。

 でも、ときめくような男性と出会うことはない。

 声をかけられても無視をするばかりだ。

 そのとき、声をかけてくれたのが彼だ。

 彼が店に入ってきた来たとき、吸い寄せられるような長身に、すらっとした佇まい。思わず見とれてしまった。

 無意識に感じ取れる知的さと、なんとも言えないクールさが、なんだか格好いい。

 どきどきしながら、私はカウンターに腰掛けながら、彼が近くに来てくれることを祈った。

 彼が歩いてくる。

 ゆっくりとした歩調で、カウンターまで来ると、なんとも言えない色香と甘い独自の香りが彼を包んでいた。

 彼は一つ席を空けて隣に座ってくれた。

 なんだか嬉しい。

 どきどきしながら、彼の横顔を覗く。私の視線に気づいた彼が微笑んでくれる。

 でも彼は微笑むだけで、なにも話しかけてくれない。

 言いよる男は、鬱陶しいほどに誘いをかけてくるけど、彼は違った。

 誰かを待っているのだろうか。

 彼なら素敵な彼女がいても可笑しくないよね。

 俯き加減に、私は寂しく笑うしかない。

 静かにグラスを傾けていると、また彼と視線があった。

 思わず目を伏せてしまう。

「お一人ですか?」

 そう問いかけられたときは、もう、どきどきして頷くのが精一杯だった。

 だけど彼はそれ以上、なにも語りかけてくれない。

 諦めかけた頃、ようやく彼がまた、話しかけてくれた。

「いつもこの時間に?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

処理中です...