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狂い咲き15
しおりを挟む「悪趣味な彼を選べと言いたいの」
「お前は本当にバカな女だな。素直でもなければ、人の話しを聞く耳もない」
「さんざん人を殴っておきながら、よく言うわね」
「まだ、お前はわかっていない」
「彼を選ぶように頼まれただけでしょう!」
「本当、お前ってバカだな。まだわからないのか。あの男は確かに、お前を連れて来いとは言った。でもそれ以上先のことは、お前が決めることだ。俺はただ、バカなお前に現実を教えてやっただけだ。セックスなんて必要がないんだろう。自分で慰めていれば楽しいんだろう」
言葉は汚らしが、男の言ってることは間違いではない気がする。
でも、
「私じゃなくても他にもいるでしょう。彼をいくら正当化しようとも私は許さない」
「セックスを否定し、すべてを否定し続ける。愛されたこともない女らしい台詞だ」
「もういいでしょう!」
「確か、お前の彼氏の誕生日だったな。お前が彼氏を悦ばせようとした。そしたらお前を軽蔑した目で見たじゃないか。まるで風俗店で働いていたのかと言うほどに。お前の彼氏は怒ったよな。貞淑もいいが、セックスはときに汚らしくも生々しいものだ。男が満足するまで、楽しませようとする女は少ない。なのに、お前を罵倒する言い方はないよな。さすがの俺でも、お前が可哀相に思えたよ」
「わかったから、もう離して!」
「駄目だ。まだお前は、なにもわかっていない」
「ただのストーカーじゃない。なにもかもを覗いているなんて」
男の指先が私の身体を着衣の上からなぞる。暴力的な男だとは思えないほどに私の身体を疼かせる指先は彼と似ている。とても優しい。
だからこそ許せない。
テクニックで嘘を隠す。
そうであって欲しいと私のこころが叫ぶ。
「そうだな。でも、お前と再会したくて、ずっと、あの男は待っていた。それも異常なほどにな。それは認めるよ。でも出会った頃を思い出してみろ。好きになればなるほどに、お前を縛りつけたくて仕方がない哀れな男の末路を。だからと言って素直にすべてを話せば、お前が逃げていくのはわかる。お前を騙し連れ出すしかなかった。いくら再会したくても、お前が逃げ出すのは嫌でもわかっている。お前が、あの恐怖から解放され、ようやく再会することができるようになった。そう語ったあの男の表情は、本当に嬉しそうだったよ。俺は、あの男の怖さしか知らないからな。内心、驚かされたよ」
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