狂い咲き

necropsy

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狂い咲き 101

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 彼を観察しだすと、普段の彼はまさに私にとって飽きない玩具。



 彼に特定の彼女が本当にいないのだろうか。



 もしかして既婚者だったら。



 有頂天になっていた頃と違う視点で彼を見だすとこれほど面白いひとはいない。



 別れの原因は彼の豹変にあるのだろうか。確かに受け止めきれないところはある。



 でも彼を突き放すことができない自分がいる。そう考えると、私もアブノーマルが好きなのかと大きな疑問がでてしまう。



 しかしいつになったら彼は話しかけてくるのやら。



 黙っていると、彼は黙ったまま。



 このまま通話が切れてしまうのかと思ったら探りを入れるように「どうした」に私は笑いを押し殺す。



「玲子?」



 彼の困惑とした表情が脳裏にありありと浮かんでくる。



 今にも大笑いしそうになる。



 クスクス笑いだした私に再び彼が「玲子?」と語りかけてくる。



 もしかして、この二言だけ?!



 彼に饒舌は期待してないが、子供の頃からこうだったのかしら。



 思春期から男の子は話さなくなると聞いたことがあるが、彼女にはそれなりに話すものだ。



 笑い転げる私に彼がさらに困惑しているだろう表情が思い浮かんでくる。



 まさにこれこそが玩具。



 私の爆笑にさらに拍車をかける「どうした?」



 普通のひとなら、からかわれていると怒り出すかも知れない。でも彼は考えが先にいく。感情が後からついてくるようなひとだ。



 このまま笑い転げていたら私の頭が可笑しくなったと思って彼が自宅まで飛んできそうだ。



 私は笑い転げながら「疲れた!」と叫ぶように言った。



 なにか労いでもかけてくるかと思ったら彼は黙り込む。いったい彼の思考はどんな迷走を辿っているのだろうか。







 私が涙目になっていると彼は「わかった」と言うと通話が切れた。



 こんどはなにを考えついたのやら。とんでもないことをしでかさなければいいが。



 なんだか彼を見ていると鞭を持ってパチン! とやってしまいたい。







 いつか彼が豹変する。



 私は覚悟をしている。











 彼を知ってしまうと、なにもかもが中途半端な感じがする。彼の放つ独自のオーラに魅入られ虐げられていくのは、逃げ出したいほどに苦しいのに過ぎてしまえば狂おしいほどに愛しい。
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