伴奏曲

necropsy

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伴奏曲18

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 このまま泣き崩れてしまうことができたらどれだけ幸せだろうか。
 あの日の悲しみが襲ってくる。
 
 
 ジョンに突き飛ばされたあずさはこの島に幸せを運ぶにはどうしたらいいのか。考えあぐねていた。
 躍起になるが自分のちからだけでは到底及ばなかった。
 日本人に声をかけるが、誰もがあずさを同じ目でみる。
 高度成長期の世代は、浮かれ気分でこの島を闊歩する。
 ふざけた連中。
 あずさは、「いっー!」と舌をだした。
「なによ」
 怒り心頭のあずさであったが一人、協力的な日本人に出会うことができた。
 偶然にもジョンの掘っ立て小屋の崖の真上に位置していた。
 老夫婦と、いけすかない息子が一人。
 黙っていれば格好いいのに話すと、なぜか残念な気持ちにさせられる。
 
 
「それでね」
 久しぶりにあずさがジョンを追いかける。
「私の本気をみせてあげる」
 また、うるさいのがやってきた。
 あずさを無視してジョンは農作業に忙しい。
 ふと、ジョンが屈めていた腰を立たせると慌てた。
「降りろ!」
「嫌よ! 私が死んだらせーせするでしょう」
「バカか! 降りろ!!」
 ジョンは慌ててあずさの足首を掴んだ。175センチの身長が大きく背伸びをする。
「触らないで! 変態!!」
 あずさは一瞬の隙をついてジョンを振り払おうとした。
 しかし片脚を浮かした状態はあずさに難しすぎた。
 両手で重心を支えられず、ずり落ちたあずさはまた崖を登ろうとする。
「怪我じゃすまない」
 今日のためにあずさは普段、ワンピースを着ていることが多いが今日はパンツ姿だ。
 あずさは言葉にできないこの強い思いに突き動かされる。
 日本で報道されるその国が貧困であっても日本は多大に食品ロスをしている。
 お腹が空けばコンビニやスーパーでお弁当を買う。
 作り過ぎて捨ててしまう家庭ごみ。
 お腹が空いても食べるものがない。飢えた子供らは差し出されたクッキーを不思議そうに頬張る。
「どうしたらいいの?」
 食べることに慣れていない子供らは、あずさの説明に少し困惑をしながらクッキーを食べる。
「美味しい? ここにたくさんの畑を作る。まずは稲作じゃなくて、サツマイモなんてどうかしら」
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