伴奏曲

necropsy

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伴奏曲24

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 彷徨いでた帆船が月明かりだけを頼りに進む。
「水夫《かこ》」
 安藤はここに来てから日記をつけていた。いつか日本へ帰ることがあったら、この島の出来事を綴った一冊に水夫と名づけるつもりだ。
 しかしこの日記が表へでることはないだろう。
 お宝を探し当てた思いで、この島にやって来たがこの島の生活に安藤は満足していた。


     *



 ジョンはあずさをまだ信用しているわけではない。
 すぐに飽きるだろと思っていた農作業にあずさは勤しんでいた。
 時間があるときは島の子供たちに計算を教えていた。
 石を並べ「2×2は4!」
 この島の言葉をまだ、なかなか話せないあずさであったが計算を教えだしていた。
 あずさのことをどこか胡散臭い目でみていた島民らであったがじょじょにあずさに好意的なものが増えだしていた。
 必死に言葉を覚えようとするあずさの実直さが島民のこころを動かしだしている。
 ジョンもまた、あずさのことを穿ってみていたが素人の畑にあずさが帰るのを見計らうと隠れて手伝うようになっていた。
 朝日が昇ると島民らとあずさは水くみに出かける。
 天然のダム湖、熱帯雨林に蓄積された水が枯れることはない。
 スコールが降る。
 あずさは大急ぎでジョンの掘っ立て小屋の中に飛び込んだ。
「すごい雨」
 ジョンは濡れたあずさのシャツに目をやるとすっと目を反らした。
 透けてみえる女性らしい曲線にドキリとさせられる。
 女性との接点がなかなかないジョンにとっては刺激的すぎる光景だ。
「コンクリートが手に入れば水路を作れるけど工事を考えたら井戸がいいんじゃないかって今、話し合っているところなの」
 濡れた髪を持参したタオルで無造作にあずさは拭く。
「聞いてる?」
 食べていくだけで精一杯の島に娯楽は少ない。
 貧しいものは男女関係なく売春をする。
 しかしジョンは女性を買うことはない。どうしても海原がちらつく。
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