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第14話~え?ついてくるの?~

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偶然川の近くで見つけたアライグマのような魔物を見つけたらいきなり絡まれた。
しかも関西弁で…

「おう!誰がラ○カルやって聞いてんねん!はよ答えんか!」

ってか口悪いなこいつ!見た目と言葉のギャップがありすぎだろ

「ってか魔物って言葉を喋れたのか?!」
「はぁ?なに言うてんねん!俺は人間や!」
「はぁ?」

いきなりの発言に俺は耳を疑った。
人間?いやどう見ても魔物だし、アライグマだし意味がわからない。
そう思っていると向こうも俺の考えに気づいたのか、

「俺は元々人間だったんや!それなのに気がついたらこんな姿になってしもうてて、自分でも何がなんだかわからんのや、何でこの姿になってしもうたのかも…あのアホ女神め…」

ん?アホ女神?アホ女神ってもしかして…

「な、なあそのアホ女神ってもしかしてユノリスって名前じゃないか?」
「ん?何やお前知っとんのか?もしかして知り合いか?」

やっぱりそうだったぁ~
またあの猫背女神かよぉ
待てよ?ということはこいつも…

「もしかしてお前もこの世界に連れてこられた人間か?」
「ん?お前もって、まさか自分も別の世界から来た人間なんか?そういえばラ○カルも知ってたしもしかして自分、日本人か?」
「あぁ、俺も日本から来た人間だ」
「おぉ!!やっとや!やっと同じ人間に会うことが出来たわ!めっちゃ嬉しいわ!!」

と、言いながら俺に抱きついてきた見た目は可愛らしいが、中身はおっさんだと思うとあまり嬉しくない。
俺は抱きついてきたラ○カルもとい元日本人を引き剥がし話を聞いた。

「はぁはぁ、で?あんた一体何者でなんでその姿になってるんだ?」
「よぅ聞いてくれたな!俺の名前は武元翼(たけもとつばさ)言うねんよろしくな!んでな、何でこんな姿になったかというとな…」

ラ○カルもとい翼が言うには日本ではやはりというか、バリバリの大阪人で色々仕事をしていたみたいだ。
ある日いつも通り家で寝ていて、目が覚めたらそこは家の中ではなく真っ白な空間にいたという、そして目の前にはお馴染みあの女神がいたらしい。

「やっぱりいたのか、」
「ということはお前も同じやったんか?ホンマびっくりしたで、お前誰や!?何勝手に人の家におるんねん!とどついたわ!」

いや、気持ちはわかるけどいくらなんでもいきなりどつくなよ…

そのどついた猫背女神いわく翼が住んでいたアパートが火事になったみたいで皆避難していた中翼だけ寝てて火事に気づかなかったらしい。
女神はたまたま気づいて助けたが肉体はもうなくなっていて魂だけ持ってきたらしい。

「それで新しい肉体がその身体か?」
「んなわけあるか!新しい肉体をくれるゆうからどうせなら今度は可愛らしい女子の身体がいいって言ったのに、あのアホ女神こんな身体にしよったんやでマジで冗談やないわ!」

新しい肉体を若い女子にってこいつ中々にやばいやつじゃないか?あの猫背女神もそれを考えて止めたんじゃ…

「ま、まぁその災難だったな、」
「せやろ?ホンマ信じられへんわこれならまだ禿げたおっさんの方がマシやで!何やねんアライグマって!」

確かにこの姿に変わったのは同情するが禿げたおっさんの方がマシっておっさんが可哀想だろ、

「後あのアホ女神ここにいれば誰か助けてくれる言うてたのと、このスキル上げるから後は頑張れ言われたけどスキルって何のこっちゃって話やし、どうやって見るかも分からんしホンマなんやねん!」

ここにいれば誰か助けてくれるって俺の事か?あのアホ残念猫背女神、完全に人任せかよ、しかもスキル与えたってどんなスキルをつけたんだ?とりあえず確認しなきゃいけないし翼にステータスの見方や出し方を教えて一緒に確認した。

名前 武元翼
年齢 24歳
職業 なし
ヤバい異世界人 クーン・ベア
レベル1
力  180
体力 250
素早さ270
賢さ 200
攻撃力190
防御力180
魔力 300
スキル:言語理解、水魔法、獣人化

クーン・ベアというのがこの魔物の正式名称っぽいな、後ヤバい異世界人ってやっぱり悪意があるだろ…ステータスも魔力や素早さが高いんだな、やっぱり魔物だからかな。
そしてスキルだが恐らくこの「獣人化」がそうなんだろ詳細を見てみるとどうやら、その名の通り人型になり戦うことが出来る。レベルが上がる度に戦える時間が増えるとの事だ。
これはかなり強いスキルなんじゃないか?
とりあえず確認出来たしこれからこいつどうするのかな?

「なぁお前これからどうするんだ?」
「ん?何言うてんねんお前と一緒に行くに決まってるやん」
「はぁ?何言ってんだよ?」
「お前こそ何言うとんねん?これから先1人で生きていけるわけないやろ?お前のステータス見た時職業整体師って書いてあったしお前についていけば飯にありつけそうやしな!何が何でもついていくで?」
「そんなこと言ったってお前を連れて街に入れるかどうか分かんないんだぞ?」
「そんなんどうにかなるやろ?」

どうにかなるか分からないから言ってんだろ

「まぁとにかく旅は道連れ世は情けって言うやろ?これからよろしくな兄ちゃん?」

何だかなぁ不安しかないよ

こうして成り行きでというか強引に、見た目はアライグマ中身は年下のおっさんの武元翼がついて来ることになった。
街はどこにあるか分からんし、どこ行ったら分からないし、おまけに変なのが着いてくることになったしこれから先大丈夫かな?

そしてこの不安はこの後早速起きることになる…
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