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第19話~え?そんな理由で?~

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やっとふかふかのベッドで寝れると思って寝ていたら目の前にあの残念猫背女神(ユノリス)がいて何か叫んでたが眠気が勝り俺は無視してそのまま寝た。

だがこの女神はそんな俺の都合など許してくれなかった。

「いい加減起きなさいよーっ!!」

と言いながら俺の腹に思いっきり殴ってきた

「ぐほぉっ!」
思わず変な声が出る俺、たまらず起き上がった

「はぁはぁいてぇ!何すんだいきなり!」
「うるさいわね!私がせっかく来てやってるのにいつまでも寝てるのが悪いんでしょ!」
「だからって殴ることはないでしょ!しかも頼んでないのに勝手に来て起きないからいきなり殴る!あんた、相変わらず無茶苦茶だよ!」
「何よその言い方!せっかくいいスキルをあげてピンチに役立ったって言うのに感謝されても怒鳴られる筋合いはないわよ!」
「いいスキルって…そもそもあんたが間違わなければ俺はこの世界にいないんだよ!自分のミスを正当化しようとするな!」
「んな!そ、そりゃ確かに悪いと思ってるわよ…て、あんた女神である私に向かってよくもまぁそんな態度出来るわね!普通なら私は崇め奉られる存在なのよ!もっと敬服しなさいよ!」
「うっさいわ!敬服されたかったらちゃんと自分の過ちを認めてもっと尊厳を保て俺から見たらあんたは女神は女神でもアホ残念猫背女神だ!」
「あ、アホ…あんた、とうとう言ってはならない事を!女神の私に向かってアホなんて万死に値するわよ!」

あ、や、ヤバい言い過ぎた!
何か目が光ってるし後ろに阿修羅みたいなのが見えるし、女神から破壊神になってる…!
そんな俺と女神が言い合って絶賛ピンチになってる中ずっと眠ってた翼が起き出してきた。

「何やねん、さっきからやかましいのぅ。誰と話してるんや?」
「つ、翼ごめん今は説明できないかも今目の前に破壊神がいるから…」
「ん?破壊神?自分何言うてんねん寝ぼけ…てんとちゃ…うん?」

と、翼も目の前の女神こと破壊神と目があった

「…あぁ!お前はあのときのアホ女神!!」
「んな!何よあんたまで私のことアホって言うの?」
「じゃかましいわい!人をこんな姿にさせておいてよくもまぁそんなこと言えるな!はよ人間の姿に戻さんかいこら!」
「何よ!人間の姿よりもそっちの方が可愛らしいじゃない!たまたま地上を見たときにアライグマの赤ちゃんが可愛いと思ってたら、火事に巻き込まれたあんたを助けて、新しい肉体をあげる時にどうせならと思ってその姿にしたんじゃない!」

え?そんな理由で翼はアライグマになったの?
それは流石にひどくない?

「な!お前そんなくだらない理由で俺をアライグマに?!」
「そうよ!それの何が悪いって言うのよ!」

また開き直りやがった!

「…悪いに決まってるやろ!何その時の気分で人の身体をアライグマにしてんねん!ホンマにアホちゃうんか?」
「な!またアホって言ったわね!ホントに許さないわよ!」
「上等や!こちとらこんな身体にされてむしゃくしゃしとんねん!」

と言いながら翼はいきなり獣人化して戦おうとしてた!俺は慌てて翼を抱き抱え阻止しようとする!

「何すんねん離さんかいこら!」
「落ち着けって!こんな所で暴れたらこの宿が壊れちゃうだろ?下手したら宿屋だけでなくこの街からも追い出されるだろ?せっかくゆっくり過ごせてたのに…」
「だからってこいつになにもしないわけにはいかんやろ!」
「だからここで暴れるなって!場所を考えろって!」

何とか翼を宥めようとするが、猫背女神も猫背女神で

「何よ!早くかかってきなさいよ!」

と、ファイティングポーズをとってきやがる!
マジでこの女神余計なことをするなよ!収拾がつかなくなるから

「ちょっとあんたも煽らないでくださいよ!」
「何よ!先に言ってきたのはそっちよ?そっちが悪いんじゃない!」
「元はと言えばあんたが全ての元凶でしょうが!そのあんたが余計に面倒事を作ってどうするんですか?!」
「何よ!全部私が悪いって言うの!?」
「「どう考えてもあんた(お前)のせいだろうが!!」」

2人同時にシンクロするように同じことを言った。

「な、何よ2人して私を責めて!もういいわよ!あんた達なんか消してやるんだから!」

さらっと何かとんでもないこと言い出したぞこの女神!
消すって何だよ!?
手に変な光の玉出してるしド○ゴン○ールみたいになってるし!マジでヤバい!

「消えなさーい!」

俺も翼も一貫の終わりだと流石に観念したが…

「ハイ、ストップそこまでですよ!」
「!な、何であなたがここにいるのよ!」
「最近頻繁に地上に降りていってたから怪しいと思ってついてきたんです。そしたら案の定馬鹿なことをしてたんで止めたんです。」
「馬鹿なことをって、この2人は私のことはアホ呼ばわりしたのよ!」
「そう言われるのは心当りがあるのでは?むしろ神が気分次第で消そうとするのはご法度では?」
「ぐぬぬぬ!」

急に聞き慣れない言葉が聞こえてきて声の主の方を見ると、そこには見慣れない女性がいた。
いや、というか猫背女神と顔が瓜二つだった。

「え?えと、すいませんどちら様ですか?」
「これは失礼しました。初めまして異世界人さん。私はセリウス。ここにいるユノリスの妹で知識を司る女神です。」

同じ顔なのに全然雰囲気が違う女神が現れ戸惑う俺達だった…。




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新たな女神登場です。因みに双子の女神です。
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