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第25話~え?そんな危険なの?~

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俺と翼は家を買う為に冒険者ギルドに向かい稼ぐことにした。
翼の冒険者としての登録を済ませ早速、依頼掲示板に貼られてる依頼表を見てみた。

だがやはりというかそう簡単にすぐ稼げるような依頼はない。
あっても長期の護衛や魔物の討伐
で金貨数枚だったり、金貨10枚の依頼があったが、名前だけでヤバそうな魔物の討伐だから絶対にスルーだ!
どうしようかと思ったら依頼表の中に重なっている物をたまたま見つけた。

内容を見てみると、
「カルムの街より北にある洞窟の調査。報酬金貨20枚」

洞窟の調査だけで金貨20枚も貰えるなんてそんなうまい話しなんてあるはずないと思ったが、金貨20枚はとても魅力的だしこんだけ稼げるならやった方がいい。
だがここで1つ疑問がある、何故今まで誰もやらなかったのか?
こんなに稼げるはずなのに手つかずなのはおかしすぎる。
絶対何かあると思ってたが、翼が勝手に依頼表を取って受付に向かってしまった。

「つ、翼!なに勝手にやってるんだよ」
「何ってこんないい依頼やらな損やろ?迷う必要ないやん」
「いや、そうだけどそんな簡単に…」
「考えすぎやって!調査なんやから何かあっても引き返せばええやん!あ、俺らの番やなこの依頼やるでぇ!」
「は、はいこちらの依頼ですね。これは…本当にこの依頼を受けるんですか?」

と受付の人がそんなこと言ってくる。
…何か物凄く怖いんですけど…

「あ、あのこの依頼そんなにやばいんですか?」
「いえ、この依頼事態は元々大したことはないんです。ここから1日もあればつく場所なので。
ですが、この依頼を受けた冒険者数名が行方不明になってしまい、その調査をするために別の冒険者が数日前に行ったのですが今だ戻らず連絡もない状態なんです。」

そんなにどころじゃない、相当ヤバい案件じゃないかこれは…

「後今回はギルドでも危険だと判断し最低でもCランク以上の冒険者のみの依頼となっております」

Cランク以上かじゃあつばさはまだGランクだしこの依頼は受けられないな…
俺は一先ず安心したが、ふと気がついた
ん?待てよ?Cランク以上?という事は…
「翼さんはGランクですが、アオイさんはBランクの冒険者ですからお2人で受けられるなら問題ないですよ」

いや、問題おおありでしょ!!
そんな依頼を2人だけでやるなんて無理だって!なのに…

「よっしゃ!受けられるんやな!勿論受けるで!やったなアオイ!これで稼げるな!早速行くで!」

ホントこの変態年下アライグマは…
「待て待て!いきなり行けるわけないだろ準備を整えないといけないしそれにまだやるとは…」
「はい、確かに受理しました。報告は戻られた時で大丈夫です。後これは場所までの地図になります。」

受理しちゃったよ…俺の意見は?何も通らないのかよ…
何でもいつも俺の意思とは関係なくこうなるんだ?
はぁ…もう諦めよう。
こうなってしまったらやるしかない
受理した俺達は地図をもらい準備をするために道具屋に向かった。
携帯食料や水や野宿用の道具、後ポーションがあったので買っておいた。
またあんな魔物が襲ってくるかもしれないし、ホントはいやだけど。費用は全部で金貨2枚と銀貨6枚だったが備えはないよりあった方がいい。
それに買ったものはアイテムボックスに入れられるし問題ないし差し支えはない。
後必要なのは…武器か。あの時俺達は武器も何も持たないであのオプスキュリテと戦って痛い目にあったし、今もよく生き延びれたなと思うしそれに今回は翼が新しくもらったスキル「武器適応」もあるし例え魔物が襲ってきても何とかなるかもしれない。
俺達は次に武器屋に向かった。

入ってみると中は広く色々な武器が並んでいた。中には鎧や盾もあってほとんど揃ってるような感じだ。色々見ていると店の奥から1人の背の低い男が出てきた。
背が低く髭もじゃで筋骨隆々。この世界に来て初めて出会った種族ドワーフだった。

「ん?何じゃ誰か来たと思ったがこれはまた変わったやつが来たのう」
「え?あ、あのですね…」
「何じゃ?お前さんドワーフを見るのは初めてか?この街にいるものは見慣れてるはずだがお前さんら冒険者か?」
「は、はいこの街にはまだ来たばかりで、武器を探しに来たんです。」
「ふむ、なるほどなそれでどんな武器が欲しいんじゃ?職業によって武器も変わるしの」
「職業ですか?えと、僕が武闘家でこっちが戦士です。」
「なに?武闘家に戦士じゃと?お前ら全くそんな風に見えんが本当にその職業か?」

それは俺もそう思います。
だって本当は整体師と営業マンですから…

「まぁええわいとりあえず武器を用たててやるからちょっと待っとれ」

そう言うとドワーフのおじさんは店の奥に入ってしばらくして戻ってきた。手には色々な武器を持っていた。

「まずお前さんにはこれじゃな。一度つけてみろ。ワシのオリジナルじゃが武闘家用にガントレットを改良したものじゃ。頑丈な金属で作ってるからある程度の攻撃にも耐えれるし、そのまま殴っても充分な攻撃力にもなる。何よりこいつには仕掛けがあってな手首をくいっとやってみろ。」

俺はガントレットをつけてみたがかなり腕に馴染む手の動きも干渉しないし動きやすい。そして言われた通り手首をくいっとやってみると手の甲の部分から鉤爪のようなものが3本出てきた。

「どうじゃ?それがあれば敵に対しての攻撃の幅も広がるし戦いやすくなる。戻すときは手を上にして同じ動作をすれば収納される。これなら戦いの苦手なお前さんでも何とかなるじゃろ?」

そう言われて俺は驚いた。何でそんなことが分かるんだ?

「驚いた顔しとるが長年やってるとその程度の事は誰でもわかるぞ?特にお前さんは分かりやすい」
「ハハハっ…そうなんですね」
「ま、そんなお前さんでも戦いやすい物を選んだつもりじゃし手にも馴染むじゃろ」

おじさんの言う通りこれなら俺でも使いやすそうだし何とか出来そうだ
俺はこれを買うことにした。
おじさんも満面の笑顔で喜び今度は翼の武器を見繕った

「お前さんにも武器を持ってきたが、どう見ても素人のはずなのに何故か武器に愛されてるような感じをもっているのが不思議でなとりあえずおすすめの物を持ってきたぞ」

おじさんが持ってきたものは、ショートソード2振りに投げナイフ、弓矢に槍を1本だ。

「どれも扱いやすいようにワシが作ったものだ。ソードは片手で持ちやすい重さで両手で持って戦うことも出来るしナイフも軽量じゃが相手に隙を作るには充分じゃし槍は言わずもがなじゃ。一番はこの弓じゃなこの弓は普段は折り畳み式になっていて使うときには展開できるようになっているから持ち運びにも便利じゃどれもお前さんに使えると思うぞ」

そう言われて翼も各武器を軽く振ってみたが素人とは思えない動きをして問題なく扱ってみた

「おぉええな!全部とても使いやすいわ!アオイこれ全部欲しいわ!」
「え!?全部!!」
「ハッハッハ!お前さんのお仲間は全部気に入ってくれたようじゃな!」
「ははは…ですね、因みにこれ全部でいくらになるんですか?」
「そうじゃな全部オリジナルで作っているが全部買うなら少しまけて金貨20枚じゃな」

20枚!結構高いな、でも性能も良さそうだしここでケチると途中で使えなくなっても困るしどうしようかな?

俺は少し考えたが命の方が大事だしここは奮発して購入することにした。
おじさんもホクホク顔で嬉しそうだ。
ついでに俺達2人の防具も買うことにした。動きやすさ重視という事で革鎧を買うことにした。こちらの料金もまけてくれて金貨1枚にしてくれた。
革鎧を装着してガントレットや武器も装備してとりあえず見た目は冒険者っぽくなった。
これなら魔物と戦うことになっても多分大丈夫だよね?翼もノリノリで機嫌が良さそうだ。
こうしていよいよ北の洞窟に向けて出発するが、何もおこらないようにと願うしかないが不安しかない。
とにかく無事に帰ってこれることを祈ろう…
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