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第81話~え?勝負するの?~
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俺がネフリティスさんに気持ちを伝えようと思った瞬間。
突然大広間の扉がバタンと大きな音をたてながら開き、数人の男達が入ってきた。
その瞬間その場にいた人達は皆しんとした
「邪魔するぞ!」
そう言いながら一番前にいた男が真っ直ぐに俺達の、いや、ネフリティスさんの所に真っ直ぐ向かっていった。
「ネフリティス殿久しぶりだな!」
男は立ったままネフリティスさんに話しかけてきた。
「これは辰砂殿、久しぶりですな。今日はいかような用で?」
いつもの感じで話しているようなネフリティスさんだが明らかに不快感を出している。一体この辰砂?という男とどんな関係なんだ?
「これはこれは随分な挨拶ではないか?こうして婚約者が来たというのに!」
ん?ちょっと待て?今この男婚約者と言ったか?だがネフリティスさんからそんな話し聞いたことないし、いったいどういう事だ?そう思ったが答えはすぐに出た?
「婚約者?これは異なことをおっしゃる辰砂殿は確かに妾の婚約者であったがそれはあくまで候補の1人じゃったはずじゃが?しかも妾との力比べで負けてもはや候補ですらなかったはずじゃが?」
「ふん!減らず口を!確かにあの時は油断したが今はもう負けんわ!それにそんなことを言っていいのかな?こっちはそなたが必要なものを持ってきたというのに」
「必要なもの?」
「そうだとも!そなたの母親であり里長でもあるパーラの病を治す薬だ!」
と叫びながら懐から何やら小瓶らしき物を出してきた。
「どうだ!欲しいだろ?そなたが死に物狂いで探しておった薬だ!」
「ほぅ薬とな?」
「そうだ!これを飲めばたちまち不治の病も治るだろうな!だがただではやらんぞ?こっちも命がけで手に入れてきたのだからな!欲しければ俺と契りを交わすと今ここで誓うのだな!そうすればこの薬を渡してやる!」
そう辰砂がにたぁと笑いながらネフリティスさんに言ってきた。
条件というより脅し、だよなこれ。
しかも後ろにいるやつも同じようにニタニタ笑っているし、どう見ても気持ち悪い。
そしておそらくだが、あの薬は偽物だろうな。
いくらなんでもそんな万能薬があったらネフリティスさんが情報を掴めているはずだし、命がけで手に入れた割には全然ケガもしてないし、何よりタイミングが良すぎる。
俺がそう思っていたらネフリティスさんが答えた。
「フム確かにその万能薬があれば母の病気がなおるやもしれぬな」
「そうだろう?なら俺と契りを…」
「その薬が本物であればな!」
「…どういう意味だ?」
先程まで余裕のあった辰砂の顔がわずかだが曇った
「そのまんまの意味だが?その薬が本物であればまず母様に飲ませてみればいい」
「話を聞いていなかったのか?俺と契りを交わせば渡すと…」
「なら今飲ましたとしてもかわらぬのではないかぇ?それが本物で今母様に飲まして治ったならば妾はすぐにでも契りを交わしてもいいのだ。だから今すぐ飲ましてみるがいい!」
「き、貴様!自分の立場が分かっているのか?そんなことを言えばこの薬は二度と手に入らぬぞそれでもいいのか?」
「かまわん!」
「なっ!」
「元よりそんな効くかもくかもわからぬ怪しい薬で妾を脅して契りを結ぼうなど竜人の風上にも置けぬし、何より妾は自分より弱いものと等契りなど結ばん!大体妾にはもうすでに心に決めた者がおる!このアオイ殿がな!」
と言いながらネフリティスさんは俺を指さした。
勿論彼らの目線は俺の方に向く
「フ、フフフ。ハァ~ハッハッハ!誰かと思えばさっきから視線に入っていたこのわっぱか!こんな小物を伴侶に選ぶなど冗談にも程があるわ!竜人族でもないこんな矮小な人間を選ぶなど竜人の姫君が聞いて呆れるは!」
「ふん!そうやって竜人以外を下に見てる時点でそなたはダメなのじゃ!それにアオイ殿はただの人間ではない。妾の母様の病を治した者だぞ!」
と言った瞬間辰砂の顔色が変わった
「なんだと?」
「アオイ殿はわれらの知らぬ知識を使い薬を作り母様を救ってくれた整体師なのじゃ!」
「セイタイシ?なんだそれは?」
そんなことを言うもんだからネフリティスさんは整体師とは何なのかずっと話していたが、やれいかなる病気も治す。やれ人の姿すらも変えるなどかなり尾ひれがついた話をしている。かなり間違っている部分もあるのだが、訂正しようにもネフリティスさんの勢いが強すぎて止めるに止められない・・・。
「しかもアオイ殿は吾郷でも1、2を争うブルスタインをたった一撃で倒したSランク冒険者なのだぞ?」
「な!Sランクだと!?」
ここで初めて驚愕の顔を見せる辰砂だが、ネフリティスさん止めてください、それ以上何か言われるとものすごく嫌な展開になりそうなんで…
「おもしろい!ならばここで勝負をしようではないか!正直そうは見えんが、本当にSランク冒険者なのか見てやろうではないか!」
ほらね、やっぱりこんな感じになったよ…しかもSランクに見えないのはまさにごもっともです。俺もいまだに納得してないし…
「おまちなさい!」
そう声を上げたのは里長でありネフリティスさんの母でもあるパーラさんだ
「辰砂殿仮にも西の竜人の里の長だとしても、突然訪問し傍若無人な態度、さすがに見過ごすことはできませんよ?」
まじかよこいつ別の里長だったのかよ、すげぇやばいやつじゃん!
しかし流石パーラさんこのまま戦いは無しにしてくれ…
「ですが、信じられないのも信じろと言いても無理があるでしょう、ならば納得してもらう為にお2人には力比べをしてもらいどちらが娘にふさわしいか勝負してもらいましょう」
おぉ~い!パーラさん何言ってくれてるんだ一体!
そんなの受けるわけないでしょ!なにさも当たり前のように言っているんですか!
やりませんよ俺は向こうだって断るに決まっ…
「いいだろうパーラ殿の顔を立てその勝負受けて立とう!」
受けて立つなぁ!
何でそんなにやる気に満ち溢れているんだよ!いや、つばさといい、師匠といい、こいつも俺の周りには戦闘狂が多くないか?普通の人間はどこにもいないのか?
「婿殿もそれでいいですね?」
パーラさんいいですね?と言いながらもう決定事項になってますやん…
しかもしれっと婿殿って言ってるし…そう言うってことは俺が勝つことを信じてるって事だしネフリティスさんの顔を見ても俺の事を真剣に見てるし、嫌だと言えないよこれは…だから俺の答えは
「…わかりました。この勝負うけます」
俺の言葉を聞いて周りの人達は騒ぎだし一気に準備しだした。
こうなった以上やるしかないけど、果たして俺は勝てるのだろうか?
だがこの後行われる勝負で再び騒ぎ出す事を俺はまっだ知らなかった。
突然大広間の扉がバタンと大きな音をたてながら開き、数人の男達が入ってきた。
その瞬間その場にいた人達は皆しんとした
「邪魔するぞ!」
そう言いながら一番前にいた男が真っ直ぐに俺達の、いや、ネフリティスさんの所に真っ直ぐ向かっていった。
「ネフリティス殿久しぶりだな!」
男は立ったままネフリティスさんに話しかけてきた。
「これは辰砂殿、久しぶりですな。今日はいかような用で?」
いつもの感じで話しているようなネフリティスさんだが明らかに不快感を出している。一体この辰砂?という男とどんな関係なんだ?
「これはこれは随分な挨拶ではないか?こうして婚約者が来たというのに!」
ん?ちょっと待て?今この男婚約者と言ったか?だがネフリティスさんからそんな話し聞いたことないし、いったいどういう事だ?そう思ったが答えはすぐに出た?
「婚約者?これは異なことをおっしゃる辰砂殿は確かに妾の婚約者であったがそれはあくまで候補の1人じゃったはずじゃが?しかも妾との力比べで負けてもはや候補ですらなかったはずじゃが?」
「ふん!減らず口を!確かにあの時は油断したが今はもう負けんわ!それにそんなことを言っていいのかな?こっちはそなたが必要なものを持ってきたというのに」
「必要なもの?」
「そうだとも!そなたの母親であり里長でもあるパーラの病を治す薬だ!」
と叫びながら懐から何やら小瓶らしき物を出してきた。
「どうだ!欲しいだろ?そなたが死に物狂いで探しておった薬だ!」
「ほぅ薬とな?」
「そうだ!これを飲めばたちまち不治の病も治るだろうな!だがただではやらんぞ?こっちも命がけで手に入れてきたのだからな!欲しければ俺と契りを交わすと今ここで誓うのだな!そうすればこの薬を渡してやる!」
そう辰砂がにたぁと笑いながらネフリティスさんに言ってきた。
条件というより脅し、だよなこれ。
しかも後ろにいるやつも同じようにニタニタ笑っているし、どう見ても気持ち悪い。
そしておそらくだが、あの薬は偽物だろうな。
いくらなんでもそんな万能薬があったらネフリティスさんが情報を掴めているはずだし、命がけで手に入れた割には全然ケガもしてないし、何よりタイミングが良すぎる。
俺がそう思っていたらネフリティスさんが答えた。
「フム確かにその万能薬があれば母の病気がなおるやもしれぬな」
「そうだろう?なら俺と契りを…」
「その薬が本物であればな!」
「…どういう意味だ?」
先程まで余裕のあった辰砂の顔がわずかだが曇った
「そのまんまの意味だが?その薬が本物であればまず母様に飲ませてみればいい」
「話を聞いていなかったのか?俺と契りを交わせば渡すと…」
「なら今飲ましたとしてもかわらぬのではないかぇ?それが本物で今母様に飲まして治ったならば妾はすぐにでも契りを交わしてもいいのだ。だから今すぐ飲ましてみるがいい!」
「き、貴様!自分の立場が分かっているのか?そんなことを言えばこの薬は二度と手に入らぬぞそれでもいいのか?」
「かまわん!」
「なっ!」
「元よりそんな効くかもくかもわからぬ怪しい薬で妾を脅して契りを結ぼうなど竜人の風上にも置けぬし、何より妾は自分より弱いものと等契りなど結ばん!大体妾にはもうすでに心に決めた者がおる!このアオイ殿がな!」
と言いながらネフリティスさんは俺を指さした。
勿論彼らの目線は俺の方に向く
「フ、フフフ。ハァ~ハッハッハ!誰かと思えばさっきから視線に入っていたこのわっぱか!こんな小物を伴侶に選ぶなど冗談にも程があるわ!竜人族でもないこんな矮小な人間を選ぶなど竜人の姫君が聞いて呆れるは!」
「ふん!そうやって竜人以外を下に見てる時点でそなたはダメなのじゃ!それにアオイ殿はただの人間ではない。妾の母様の病を治した者だぞ!」
と言った瞬間辰砂の顔色が変わった
「なんだと?」
「アオイ殿はわれらの知らぬ知識を使い薬を作り母様を救ってくれた整体師なのじゃ!」
「セイタイシ?なんだそれは?」
そんなことを言うもんだからネフリティスさんは整体師とは何なのかずっと話していたが、やれいかなる病気も治す。やれ人の姿すらも変えるなどかなり尾ひれがついた話をしている。かなり間違っている部分もあるのだが、訂正しようにもネフリティスさんの勢いが強すぎて止めるに止められない・・・。
「しかもアオイ殿は吾郷でも1、2を争うブルスタインをたった一撃で倒したSランク冒険者なのだぞ?」
「な!Sランクだと!?」
ここで初めて驚愕の顔を見せる辰砂だが、ネフリティスさん止めてください、それ以上何か言われるとものすごく嫌な展開になりそうなんで…
「おもしろい!ならばここで勝負をしようではないか!正直そうは見えんが、本当にSランク冒険者なのか見てやろうではないか!」
ほらね、やっぱりこんな感じになったよ…しかもSランクに見えないのはまさにごもっともです。俺もいまだに納得してないし…
「おまちなさい!」
そう声を上げたのは里長でありネフリティスさんの母でもあるパーラさんだ
「辰砂殿仮にも西の竜人の里の長だとしても、突然訪問し傍若無人な態度、さすがに見過ごすことはできませんよ?」
まじかよこいつ別の里長だったのかよ、すげぇやばいやつじゃん!
しかし流石パーラさんこのまま戦いは無しにしてくれ…
「ですが、信じられないのも信じろと言いても無理があるでしょう、ならば納得してもらう為にお2人には力比べをしてもらいどちらが娘にふさわしいか勝負してもらいましょう」
おぉ~い!パーラさん何言ってくれてるんだ一体!
そんなの受けるわけないでしょ!なにさも当たり前のように言っているんですか!
やりませんよ俺は向こうだって断るに決まっ…
「いいだろうパーラ殿の顔を立てその勝負受けて立とう!」
受けて立つなぁ!
何でそんなにやる気に満ち溢れているんだよ!いや、つばさといい、師匠といい、こいつも俺の周りには戦闘狂が多くないか?普通の人間はどこにもいないのか?
「婿殿もそれでいいですね?」
パーラさんいいですね?と言いながらもう決定事項になってますやん…
しかもしれっと婿殿って言ってるし…そう言うってことは俺が勝つことを信じてるって事だしネフリティスさんの顔を見ても俺の事を真剣に見てるし、嫌だと言えないよこれは…だから俺の答えは
「…わかりました。この勝負うけます」
俺の言葉を聞いて周りの人達は騒ぎだし一気に準備しだした。
こうなった以上やるしかないけど、果たして俺は勝てるのだろうか?
だがこの後行われる勝負で再び騒ぎ出す事を俺はまっだ知らなかった。
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