復讐と約束

アギト

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第1章 復讐の芽生え

プロローグ

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 この世界には境界線が三つある。人間が住んでいる「勇者線」、人間と魔物が共存している「共存線」、魔物だけが住んでいる「魔物線」の3つがある。その中の一つ「魔物線」にある城「魔界城」の二階にある庭で魔物、女性、その間で楽しそうに遊んでいる男の子がいた。
「ショウ、父さんを捕まえられるかな~」
「とうさん、マテマテ~」
「ふたりとも元気なこと」
黒髪で頭に角の生えている魔物の名はサタン、かつて世界を混沌に落とし入れて勇者一行に倒された魔物の王である。今では、「世界を混沌に落とすくらいなら、妻をもう一度虜にしたい。」と言ってる。
白いワンピースと麦わら帽子を被っている銀髪の女性の名はソフィア、人間でありながら元サタンの城のメイドをしていた。戦いが終わり、サタンからプロポーズを受けて結婚をした。今でもメイドの仕事を好きで手伝っている。因みに、サタンからもらった「不老不死の指輪」によって不死身になった。その代償は、付けている間は、魔法並びにスキルを使えない。
白銀色の髪を持ち、黒耀石のような目が特徴の男の子の名はショウ、サタンとソフィアの間で産まれた子だ。年齢は七歳だが、サタンの子と言うのもあって魔力量が桁違いに多い。剣術の腕もサタンの幹部ー七魔将軍の剣士であるカシルと対等に戦えるくらいだ。まさに才能の塊である。
 そんな家族三人が楽しく遊んでいた。三人はベンチに座り、
「平和っていいものだな~」
と言った。ソフィアは笑いながら言った。
「それ、百年前から言ってますよね。」
「ふふふ、ソフィアといるたびにそう思う。特にショウが産まれてから尚の事な」
「私もそう思います。」
「ぼくも~」
そう話していると、城内の警戒アラートが鳴った。
「な、何が起きている!!」
サタンは、警備をしている魔物にテレパシーを送った。それを受けた魔物が、
「サタン様、勇者一行が攻めてきました!!」
と耳を疑う報を受けた。
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