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第14話 リィナ失踪
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それから私は試験の日を迎えるまで、朝のはじまりはリィナとの朝食、出勤してからは休憩室で、フタバ、サイジョウさんと談笑し、みんなに指示をおくりながら、自分の仕事もした。
帰りはサイジョウさん2時間が勉強会をし、帰宅後、リィナ勉強をみてもらい、二人で晩ごはんを食べ、お風呂に入り、くたくたになり眠りにつく。
本当に休まる時間が全然ない。でも目標へ向かっているからなのか、リィナがきてから日常が充実して心が満たされてるように感じた。
フタバが言ってた「生きてるだけで幸せ」それが少し分かったような気がする。
私は今まで自分が悲劇なヒロインだと勝手に思いこんでいたけど、大なり小なり人は誰しも悩みを抱えている。悩みが完全になくなることなんてない、だからどうやってその悩みを抱えながらも生きて行く力を自分に身につけるかだ。
私に欠けてるのは自信だと思う、こんな私でもやれるんだって事をお父さんに見せてやる。
それから慌ただしい日は続き、試験まで残り2日に差し掛かった。
その頃にはテキストも一通り終わり、後は復習をする毎日。
リィナの料理も上達し、焼いた底を黒焦げにすることもなくなり、得意料理が増えたとリィナ自身が喜んでた。
でもここにきて最近リィナの元気がなくなっているように感じる。私の前では笑顔を絶やさないが、ふとした瞬間私はリィナが無理をしているように思えたのだ。
そしてーー
ピピピ
「リィナ仕事行ってくるよ」
この日の朝、はじめてリィナが時間通り起きれなかった。そんな日もあるよねっと私は軽い考えていた。
食パンを食べ、軽い朝食を終えると仕事に向かった。
リィナは10時過ぎにようやく目を覚ましたが、もう立ち上がる気力すらなくなっていた。
「クレア今のあなたならきっと試験に受かると思うわ。もう私がいなくても一人でやっていけるね。
本当はあなたにはこの小さい世界じゃなく、もっと可能性に満ちた広い世界で翼を羽ばたかせて欲しかった。
でもあなたの幸せがここにあるのなら、私はそれを全力でサポートしようと思ったの。
お別れ言えなくてごめんね、もう限界みたい。これ以上心と身体を切り離しておくことができない」
私は仕事を終わらせ、明日の試験を控え少し緊張していた。
そしてサイジョウさんに会い、今日は勉強会をせずに身体を休めて、明日にのぞむことになった。
その日久々にフタバと一緒に帰る。
「こうやってフタバと帰るの懐かしいね」
「サイジョウさんと二人で帰っても良かったのよ、私」
「明日の試験で少し気持ちがぴりついててさ、そういうときってやっぱり心を許した親友のほうがいいかなって」
「クレア変わったね」
「そうかな?」
「うん、幾分も格好良くなった気がする。やっぱり教えてる立場になると貫禄がつくものなのかしら。やっぱり私はクレア一筋よ」
フタバは私に抱き着きついてきた。
「おいおい、勘弁してくれよな」
「クレア明日の試験頑張ってね。私あなたが受かることを心から祈ってるから」
「うんありがとう」
駐輪場でフタバと別れて自宅を目指す。途中私は近所のスーパーに寄り道した。
「さてと今日はリィナのためにケーキでも買って帰ろうかな」
「リィナおかえり」
ケーキを片手に玄関を開けるがリィナから返事がない。
「あれリィナ、どこいるの?ねぇサプライズとかで隠れてるわけ?」
部屋は暗く電気すら点いてない。電気を点けるがリィナの姿はどこにもない。
料理も作られてないし、お風呂も湧いてない。
「あいつどこいったんだろ?まぁ少し待てば帰ってくるか。
でも鍵閉まってたけどリィナどうやって外出たんだろ?」
窓を確認すると鍵は空いていた。
「あいつここから出たのか」
「まぁあいつなんでも出来るし、きっと空でも飛んで出かけんだな。
それなら携帯に連絡入ってるかな?」
携帯のメール履歴を確認したがリィナから送られたものはなかった。
「うーんあの野郎出掛けるなら連絡くらいよこせよな」
私は一度は座椅子に腰を下ろしたが、頭のもやもやからすぐ立ち上がり、外に出てリィナを探すことにした。
「もう明日試験だってのに苦労かけるな、リィナのやつ迷子にでもなってるのか」
帰りはサイジョウさん2時間が勉強会をし、帰宅後、リィナ勉強をみてもらい、二人で晩ごはんを食べ、お風呂に入り、くたくたになり眠りにつく。
本当に休まる時間が全然ない。でも目標へ向かっているからなのか、リィナがきてから日常が充実して心が満たされてるように感じた。
フタバが言ってた「生きてるだけで幸せ」それが少し分かったような気がする。
私は今まで自分が悲劇なヒロインだと勝手に思いこんでいたけど、大なり小なり人は誰しも悩みを抱えている。悩みが完全になくなることなんてない、だからどうやってその悩みを抱えながらも生きて行く力を自分に身につけるかだ。
私に欠けてるのは自信だと思う、こんな私でもやれるんだって事をお父さんに見せてやる。
それから慌ただしい日は続き、試験まで残り2日に差し掛かった。
その頃にはテキストも一通り終わり、後は復習をする毎日。
リィナの料理も上達し、焼いた底を黒焦げにすることもなくなり、得意料理が増えたとリィナ自身が喜んでた。
でもここにきて最近リィナの元気がなくなっているように感じる。私の前では笑顔を絶やさないが、ふとした瞬間私はリィナが無理をしているように思えたのだ。
そしてーー
ピピピ
「リィナ仕事行ってくるよ」
この日の朝、はじめてリィナが時間通り起きれなかった。そんな日もあるよねっと私は軽い考えていた。
食パンを食べ、軽い朝食を終えると仕事に向かった。
リィナは10時過ぎにようやく目を覚ましたが、もう立ち上がる気力すらなくなっていた。
「クレア今のあなたならきっと試験に受かると思うわ。もう私がいなくても一人でやっていけるね。
本当はあなたにはこの小さい世界じゃなく、もっと可能性に満ちた広い世界で翼を羽ばたかせて欲しかった。
でもあなたの幸せがここにあるのなら、私はそれを全力でサポートしようと思ったの。
お別れ言えなくてごめんね、もう限界みたい。これ以上心と身体を切り離しておくことができない」
私は仕事を終わらせ、明日の試験を控え少し緊張していた。
そしてサイジョウさんに会い、今日は勉強会をせずに身体を休めて、明日にのぞむことになった。
その日久々にフタバと一緒に帰る。
「こうやってフタバと帰るの懐かしいね」
「サイジョウさんと二人で帰っても良かったのよ、私」
「明日の試験で少し気持ちがぴりついててさ、そういうときってやっぱり心を許した親友のほうがいいかなって」
「クレア変わったね」
「そうかな?」
「うん、幾分も格好良くなった気がする。やっぱり教えてる立場になると貫禄がつくものなのかしら。やっぱり私はクレア一筋よ」
フタバは私に抱き着きついてきた。
「おいおい、勘弁してくれよな」
「クレア明日の試験頑張ってね。私あなたが受かることを心から祈ってるから」
「うんありがとう」
駐輪場でフタバと別れて自宅を目指す。途中私は近所のスーパーに寄り道した。
「さてと今日はリィナのためにケーキでも買って帰ろうかな」
「リィナおかえり」
ケーキを片手に玄関を開けるがリィナから返事がない。
「あれリィナ、どこいるの?ねぇサプライズとかで隠れてるわけ?」
部屋は暗く電気すら点いてない。電気を点けるがリィナの姿はどこにもない。
料理も作られてないし、お風呂も湧いてない。
「あいつどこいったんだろ?まぁ少し待てば帰ってくるか。
でも鍵閉まってたけどリィナどうやって外出たんだろ?」
窓を確認すると鍵は空いていた。
「あいつここから出たのか」
「まぁあいつなんでも出来るし、きっと空でも飛んで出かけんだな。
それなら携帯に連絡入ってるかな?」
携帯のメール履歴を確認したがリィナから送られたものはなかった。
「うーんあの野郎出掛けるなら連絡くらいよこせよな」
私は一度は座椅子に腰を下ろしたが、頭のもやもやからすぐ立ち上がり、外に出てリィナを探すことにした。
「もう明日試験だってのに苦労かけるな、リィナのやつ迷子にでもなってるのか」
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