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第二章
第16話 マリエル村
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時刻は正午、私達は昼食を早々に済ませるとリップの背中に乗り、ここからさらに北の地にあるマリエル村を目指し飛び立ったわ。
曇り空を抜けていくと、北上は眩しいくらいに日差しが照り返しており、天候は申し分なく私達の心も温かくさせた。
「アサ、あの白い竜の言うことなんて本当に信用して大丈夫かね?罠だったらどうするよ」
疑心暗鬼なってジョセは誰も信用できないようで私に不満を漏らした。
「あらジョセったら疑い深いわね。大丈夫よきっと。アザエルさんも私を信用してくれて任せてくれたし。私達もアザエルさんを信じなくっちゃ」
「アザエルさんね、まぁあの竜に知り合いが多いとは思えんし大丈夫か」
「クラークラー」
リップが鳴き声を上げ、マリエル村とおもしきものが見えたことを、私達に知らせた。
「リップおそらくあの村ね」
私が言ってからすぐ、ジョセは念には念を入れてリップに指示を出した。
「リップお前目が効くだろ?あの村の連中弓でも構えてないか確認できるか?」
「クークー」
「大丈夫だって、村に折りましょう」
やっぱりジョセは心配で仕方ないようすだった。
空から突然降りてきたらマリエルの人を驚くだろうと思い、私達は少し村から外れた所に降りて、歩いてマリエル村を目指すことにした。
「マリエルの人、竜に悪感情持ってなきゃいいけどな」
ジョセがここでも神経を尖らせる。
「でもアザエルさんが希望っていうくらいだから悪いようにはされないと思うわ」
私はなんとかなくてある、上手くことが運ぶような気がして楽観的に考えていた。
「アサはお人好しなのさ」
「そうかもね。さて見えてきたわよ」
マリエルの村に到着すると、マカ村のような検問はされずにそのまま村に入る事が出来た。
自然に囲まれた小さな村ではあったが村の大きさに対して、人達がごった返すように村を歩いている。
「なんでこんな人が多いんだよ、アサ一旦奥の広間に出ようぜ」
ジョセに言われ私達は奥にひらけた場所の広間に向かったが、そこは人がさらに増えたようで、私達は身動きするのも一苦労した。
この状況を不思議に思い、私は広間で屋台していた村人に話を聞いてみることにした。
「あのすみません、この人混みは今日はマリエルでお祭りでもあるんですか?」
村人は顔色1つ変えずにこれが自然かのよう話した。
「いいや、マリエルではいつもこうさ、まぁいつもといっても一月前程のことだがな」
「一月前に何かあったんですか?」
私がキョトンと不思議に思い聞いた。
「レムル村の人達がマリエルに亡命してきたんだよ。うちのマーカス村長も人が良いもんだから、みんな引き取っちまった。まぁみんな勿論ここで働いてもらってるけどな」
レムル村の人達は竜の火に焼かれる前に避難して助かっていたんだ。
私はその事実に心からホッとした。そしてこれならマカとサリサのわだかまりも解消できるかも知れないと思った。
「あのレムルの村長さんもここにいるんでしょうか?」
「レムルの連中は奥にテント地帯がみえるだろ?そこのどこかにいると思うぜ」
「ありがとうございます行ってみます」
私達がが背中をみせ通り過ぎようとした瞬間、村人は止めるように声を掛けた。
「所で嬢ちゃん、そいつは竜かい」
その問いに嘘についてもいいことはないと思った私は正直に答えた。
「はい」
「中々珍しいもんをみれたなぁ。でもレムルの人達はよく思わんかもしれんな」
「そうですかお気遣いありがとうございます」
私はその方に頭を下げお礼をして奥に見えるテント地帯に向かった?
「おいアサいいのかリップなんか連れて行って、さっきからめっちゃ視線を感じるぜ。また襲われるとか勘弁して欲しいぜ」
ジョセがまたもや視線に敏感に反応して言った。
そして私は少しでもジョセを安心させようと彼女に言った。
「大丈夫よジョセ、ここは人様の土地ですもん。レムルの人達も騒ぎを起こしたりしないと思うわ、きっとそれくらいわきまえてるはずよ」
「ならいいんだけどな」
マリエル村の端にあるテント地帯につくと、子供やレムルの村人と思しき人達がいた。
外で遊ぶ子供達がリップをみるなり興奮してこちらに駆け寄り、私達に喋りかけた。
「すげーこれ本当の竜だろかっちょいいな」
子供達は自分たちの村が竜に襲われたというのにリップを恐れる所が興味津々なことに違和感を覚えた。
「写真では見せてもらったけど、カイト兄ちゃんの行った通りだ」
子供たちがリップを触りながら言い、カイトという言葉に私は引っ掛かった。
「カイト?」
「うん、僕達を助けてくれた兄ちゃん、バルセルラからわざわざ来てくれたんだよ」
バルセルラのカイト、間違いなかった。私達が知るカイトのことをこの子達は知ってる!?
「カイトがここにいるの?」
曇り空を抜けていくと、北上は眩しいくらいに日差しが照り返しており、天候は申し分なく私達の心も温かくさせた。
「アサ、あの白い竜の言うことなんて本当に信用して大丈夫かね?罠だったらどうするよ」
疑心暗鬼なってジョセは誰も信用できないようで私に不満を漏らした。
「あらジョセったら疑い深いわね。大丈夫よきっと。アザエルさんも私を信用してくれて任せてくれたし。私達もアザエルさんを信じなくっちゃ」
「アザエルさんね、まぁあの竜に知り合いが多いとは思えんし大丈夫か」
「クラークラー」
リップが鳴き声を上げ、マリエル村とおもしきものが見えたことを、私達に知らせた。
「リップおそらくあの村ね」
私が言ってからすぐ、ジョセは念には念を入れてリップに指示を出した。
「リップお前目が効くだろ?あの村の連中弓でも構えてないか確認できるか?」
「クークー」
「大丈夫だって、村に折りましょう」
やっぱりジョセは心配で仕方ないようすだった。
空から突然降りてきたらマリエルの人を驚くだろうと思い、私達は少し村から外れた所に降りて、歩いてマリエル村を目指すことにした。
「マリエルの人、竜に悪感情持ってなきゃいいけどな」
ジョセがここでも神経を尖らせる。
「でもアザエルさんが希望っていうくらいだから悪いようにはされないと思うわ」
私はなんとかなくてある、上手くことが運ぶような気がして楽観的に考えていた。
「アサはお人好しなのさ」
「そうかもね。さて見えてきたわよ」
マリエルの村に到着すると、マカ村のような検問はされずにそのまま村に入る事が出来た。
自然に囲まれた小さな村ではあったが村の大きさに対して、人達がごった返すように村を歩いている。
「なんでこんな人が多いんだよ、アサ一旦奥の広間に出ようぜ」
ジョセに言われ私達は奥にひらけた場所の広間に向かったが、そこは人がさらに増えたようで、私達は身動きするのも一苦労した。
この状況を不思議に思い、私は広間で屋台していた村人に話を聞いてみることにした。
「あのすみません、この人混みは今日はマリエルでお祭りでもあるんですか?」
村人は顔色1つ変えずにこれが自然かのよう話した。
「いいや、マリエルではいつもこうさ、まぁいつもといっても一月前程のことだがな」
「一月前に何かあったんですか?」
私がキョトンと不思議に思い聞いた。
「レムル村の人達がマリエルに亡命してきたんだよ。うちのマーカス村長も人が良いもんだから、みんな引き取っちまった。まぁみんな勿論ここで働いてもらってるけどな」
レムル村の人達は竜の火に焼かれる前に避難して助かっていたんだ。
私はその事実に心からホッとした。そしてこれならマカとサリサのわだかまりも解消できるかも知れないと思った。
「あのレムルの村長さんもここにいるんでしょうか?」
「レムルの連中は奥にテント地帯がみえるだろ?そこのどこかにいると思うぜ」
「ありがとうございます行ってみます」
私達がが背中をみせ通り過ぎようとした瞬間、村人は止めるように声を掛けた。
「所で嬢ちゃん、そいつは竜かい」
その問いに嘘についてもいいことはないと思った私は正直に答えた。
「はい」
「中々珍しいもんをみれたなぁ。でもレムルの人達はよく思わんかもしれんな」
「そうですかお気遣いありがとうございます」
私はその方に頭を下げお礼をして奥に見えるテント地帯に向かった?
「おいアサいいのかリップなんか連れて行って、さっきからめっちゃ視線を感じるぜ。また襲われるとか勘弁して欲しいぜ」
ジョセがまたもや視線に敏感に反応して言った。
そして私は少しでもジョセを安心させようと彼女に言った。
「大丈夫よジョセ、ここは人様の土地ですもん。レムルの人達も騒ぎを起こしたりしないと思うわ、きっとそれくらいわきまえてるはずよ」
「ならいいんだけどな」
マリエル村の端にあるテント地帯につくと、子供やレムルの村人と思しき人達がいた。
外で遊ぶ子供達がリップをみるなり興奮してこちらに駆け寄り、私達に喋りかけた。
「すげーこれ本当の竜だろかっちょいいな」
子供達は自分たちの村が竜に襲われたというのにリップを恐れる所が興味津々なことに違和感を覚えた。
「写真では見せてもらったけど、カイト兄ちゃんの行った通りだ」
子供たちがリップを触りながら言い、カイトという言葉に私は引っ掛かった。
「カイト?」
「うん、僕達を助けてくれた兄ちゃん、バルセルラからわざわざ来てくれたんだよ」
バルセルラのカイト、間違いなかった。私達が知るカイトのことをこの子達は知ってる!?
「カイトがここにいるの?」
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