78 / 102
第二章
第18話 出立
しおりを挟む
夕食は私が決めると譲らないジョセが中々お店を決められないものだから、気付けばマリエルの村を何周もしてしまった。
結局私の助言で、香辛料をふんだんに使った郷土料理のお店に行くことになった。
思ったより辛口で二人でヒーヒー言いながらも、残すのは失礼だと思い二人でなんとか完食した。
最高の夕食とはならなかったが、良い思い出にはなったような気がした。
それから私達は村長から借りたテントに戻ってきた。
もう時刻は夜10時なるというの未だに子供達はリップと戯れていた。
「お姉ちゃん達おかりなさい」
「あなた達まだリップといたの?駄目じゃないお家に帰らなきゃ」
私は家族が心配してないか不安になった。
「だってリップが甘て返してくれないんだもん。ねっリップ」
一人の男の子言ったが、リップは顔を散々弄くり回されて嫌そうな顔をしていた。
すると我慢の限界だったジョセが子供達の前に立った。
「ガキんちょ共、今何時だと思ってるんだよ」
ジョセがどすの利いた声でいうと、たちまち子供達の笑顔は消え、背筋がピンっとして萎縮してしまった。
「お母さん達が心配するから、ほら戻りなさい」
私はジョセが爆発する前にテントの入口をめくり子供達を早々に家に帰した。
「アサは子供に甘いね、時にはガツンと言ってあげなきゃ駄目だよ。明日起きてリップの周りに子供がいたら、あたしは怒るからね」
ジョセは腕組みをし鼻息荒く怒り心頭である。
「そうね、その時はお願いジョセ」
「私はいつも嫌われ役さ」
「ジョセ拗ねないで。明日朝一でここをたとう」
「サリサを説得しにいくのか?」
「ええ、レムルの人達のことダムのこと、全部話せばきっとアーロイも分かってくれるはず。それにカイトのこともあるし」
「そうだな、アサの決めたことだ。私も最後まで付き合うぜ」
「ありがとうジョセ、でもサリサに説得するのは私一人に任せて、もしみんな捕まってしまったらそこで希望は潰えてしまうから。もしそうなったらアーロイの留守にジュエルさんを説得してサリサの村の人を逃してあげて」
「わかった。リップお前も明日任せたぜ」
ジョセがリップに視線を向けるリップは仰向けで布団もかけず鼻提灯膨らませ爆睡していた。
「リップの奴緊張感もクソもないな」
やれやれと頭を抱えるジョセ。
「はははははははは」
それが可笑しくて私達はこんな夜中の中、大声で笑い合った。
「そろそろ寝ましょ、明日は早いわよジョセ」
「そうだな。おやすみアサ」
私達はマリエルを何周もしたせいかはたまた辛いものを食べすぎたせいか、疲労からすぐに眠りについた。
そして翌日6時に起き、眠い目を擦りながら支度をし。テントから出るとルルノエ村長が出迎えた。
「おはよう。君たちはもう行くのですかな?」
「ええ、マカとサリサの争いを止めるために」
「そうですか年老いた私には何も出来ませんが、ここであなた方の成功をお祈りしてます」
「いいえ、そのようなことはありません。村長達に会えたからこそ解決策が見いだせたんです。ルルノエ村長この度はありがとうございました」
私はルルノエ村長と握手を交わし、リップの背中に乗りサリサに向けて出発した。
結局私の助言で、香辛料をふんだんに使った郷土料理のお店に行くことになった。
思ったより辛口で二人でヒーヒー言いながらも、残すのは失礼だと思い二人でなんとか完食した。
最高の夕食とはならなかったが、良い思い出にはなったような気がした。
それから私達は村長から借りたテントに戻ってきた。
もう時刻は夜10時なるというの未だに子供達はリップと戯れていた。
「お姉ちゃん達おかりなさい」
「あなた達まだリップといたの?駄目じゃないお家に帰らなきゃ」
私は家族が心配してないか不安になった。
「だってリップが甘て返してくれないんだもん。ねっリップ」
一人の男の子言ったが、リップは顔を散々弄くり回されて嫌そうな顔をしていた。
すると我慢の限界だったジョセが子供達の前に立った。
「ガキんちょ共、今何時だと思ってるんだよ」
ジョセがどすの利いた声でいうと、たちまち子供達の笑顔は消え、背筋がピンっとして萎縮してしまった。
「お母さん達が心配するから、ほら戻りなさい」
私はジョセが爆発する前にテントの入口をめくり子供達を早々に家に帰した。
「アサは子供に甘いね、時にはガツンと言ってあげなきゃ駄目だよ。明日起きてリップの周りに子供がいたら、あたしは怒るからね」
ジョセは腕組みをし鼻息荒く怒り心頭である。
「そうね、その時はお願いジョセ」
「私はいつも嫌われ役さ」
「ジョセ拗ねないで。明日朝一でここをたとう」
「サリサを説得しにいくのか?」
「ええ、レムルの人達のことダムのこと、全部話せばきっとアーロイも分かってくれるはず。それにカイトのこともあるし」
「そうだな、アサの決めたことだ。私も最後まで付き合うぜ」
「ありがとうジョセ、でもサリサに説得するのは私一人に任せて、もしみんな捕まってしまったらそこで希望は潰えてしまうから。もしそうなったらアーロイの留守にジュエルさんを説得してサリサの村の人を逃してあげて」
「わかった。リップお前も明日任せたぜ」
ジョセがリップに視線を向けるリップは仰向けで布団もかけず鼻提灯膨らませ爆睡していた。
「リップの奴緊張感もクソもないな」
やれやれと頭を抱えるジョセ。
「はははははははは」
それが可笑しくて私達はこんな夜中の中、大声で笑い合った。
「そろそろ寝ましょ、明日は早いわよジョセ」
「そうだな。おやすみアサ」
私達はマリエルを何周もしたせいかはたまた辛いものを食べすぎたせいか、疲労からすぐに眠りについた。
そして翌日6時に起き、眠い目を擦りながら支度をし。テントから出るとルルノエ村長が出迎えた。
「おはよう。君たちはもう行くのですかな?」
「ええ、マカとサリサの争いを止めるために」
「そうですか年老いた私には何も出来ませんが、ここであなた方の成功をお祈りしてます」
「いいえ、そのようなことはありません。村長達に会えたからこそ解決策が見いだせたんです。ルルノエ村長この度はありがとうございました」
私はルルノエ村長と握手を交わし、リップの背中に乗りサリサに向けて出発した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
氷の公爵は、捨てられた私を離さない
空月そらら
恋愛
「魔力がないから不要だ」――長年尽くした王太子にそう告げられ、侯爵令嬢アリアは理不尽に婚約破棄された。
すべてを失い、社交界からも追放同然となった彼女を拾ったのは、「氷の公爵」と畏れられる辺境伯レオルド。
彼は戦の呪いに蝕まれ、常に激痛に苦しんでいたが、偶然触れたアリアにだけ痛みが和らぐことに気づく。
アリアには魔力とは違う、稀有な『浄化の力』が秘められていたのだ。
「君の力が、私には必要だ」
冷徹なはずの公爵は、アリアの価値を見抜き、傍に置くことを決める。
彼の元で力を発揮し、呪いを癒やしていくアリア。
レオルドはいつしか彼女に深く執着し、不器用に溺愛し始める。「お前を誰にも渡さない」と。
一方、アリアを捨てた王太子は聖女に振り回され、国を傾かせ、初めて自分が手放したものの大きさに気づき始める。
「アリア、戻ってきてくれ!」と見苦しく縋る元婚約者に、アリアは毅然と告げる。「もう遅いのです」と。
これは、捨てられた令嬢が、冷徹な公爵の唯一無二の存在となり、真実の愛と幸せを掴むまでの逆転溺愛ストーリー。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~
はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。
病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。
これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。
別作品も掲載してます!よかったら応援してください。
おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる