魔王と友達になってしまった件

ケロリン

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第1章

ドラゴンの本来の力

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俺はこれまでの人生で一番の賭け事に勝った。なんか巨大な物体が騒いでいるが、俺には関係ない。

「さて、俺はこのゲームに勝った訳であって、お前の全ては私がいただくといよう!」

高らかにそう宣言した。そして、最強種のネムドは俺の配下となった。ネムドはその言葉に青ざめ、

「まて、負けは認める。しかし、私を粗末に扱ったり殺したりしたらきっと後悔するぞ!本当だ!」

さっきまでの威勢はどこに行ったのやら、しかしネムドは命乞いをしているが俺は危害を加えるつもりは無い。仲間になってほしいだけだったからな。

このことを考え伝えるとネムドは安心したのか落ち着き、ほっと息を吐いていた。しかしこのドラゴン目立ちすぎるな。小さくなれないのかと聞いてみると、

「なれるに決まっているであろう。他の種族みたいな姿にもなれるぞ。」

とのこと。さっそくヒト種になってもらい、ここで重要なことに気づいた。ヒト種になったネムドは全裸だった。しかも女性だった。思わず目を背け、

「おい!早く服を着ろ!」

と叫んだ。するとネムドは 、

「む?お主も裸だからこの方が良いかと思ったのだが。」

なに?俺が裸だと?冗談を言うのも大概にしろ。と、思いつつ自分の姿をもう一度見てみると、全裸だった。

そういえばさっき自分の姿見た時、翼に驚きすぎて服着てないとか意識していなかったな。俺は思いっきり赤面して体を隠した。しかしどうしよう。服が無いのである。

服が無いか周りを探していると、服を着たネムドがいた。ん?コイツどっから服出した?しかも高級そうな服である。 

「おい、お前どっから服持ってきた?俺にもよこせ。」

ネムドに初めて命令した。するとネムドは、面倒臭そうに

「じゃあ具現化するからお主が着たい服をを想像しろ。」

え?なに言ってんのコイツ?具現化?意味わからん。

「ん?ああそうか。お主は異世界人だったな。具現化っていうのは自分の頭で想像している物を実際に生み出す能力のことだ。」

なんかサラッと凄いこと言ったぞこの人!とりあえず自分は魔法のローブっぽい服を想像してみる。すると、手の周りに光の粒子が集まってきて、俺の想像した通りの服が出てきた。

「スゲエ!お前万能だな!」

ネムドにそう言って、下着、Tシャツ、ジャージも具現化してもらった。俺はさっそく服を着ようとして、翼のせいでTシャツがうまく着れなかったのでTシャツに翼用の穴を開ける。翼を出したままローブを羽織ることによって人間に見えるようにした。どうやらこのドラゴンは俺が思ってる以上に凄いらしい。今度実力を見せてもらおうと思った。

次にこの世界の地形について質問した。ネムドの話によると、俺たちは今カルロスの大樹林の中の草原にいるらしい。ここから1時間ほど北に向かって歩くと、ラベンド王国に着くらしい。また、世界には1つの帝国、4つの王国、その他村々があるらしい。

さらにこの大樹林には様々なモンスターがいて、それを討伐するための冒険者もいるらしい。俺は他にこの世界に来ているであろう異世界人と話したかったので、ラベンド王国に行くことにした。

さっそくネムドと大樹林にはいってしばらく歩いていると、3人の冒険者と蜥蜴人リザードマンの群れが激しい戦いを行っているのを発見した。俺は邪魔しないように足音を立てないようにこの場から離れようとしたが、

「お前らも冒険者か?そうなら少し手こずっているので助太刀してくれぬか?」 

そう頼まれたので、俺はネムドの実力を知る良い機会かな、と思い、

「ネムド君やっておしまいなさい!」

そう命令した。ネムドも戦うことに反論はなかったのか、命令を受諾して蜥蜴人リザードマンの群れへと歩いて行った。

するとネムドは両手に力(電気)を溜め、蜥蜴人リザードマンめがけて渾身の超電磁砲レールガンを撃った。その威力は凄まじく、蜥蜴人リザードマンを消しとばし、さらに前方10キロメートルほどを焼け野原と変えて見せた。

俺と冒険者達は唖然として口をあんぐりと開けていた。なんせか弱いお嬢様が両手から辺り一面を焼け野原と変える超絶威力の技を平然として放ったのだから。
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