天界アイドル~ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら~

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第十九章 トリックスター編

第55話‐1 弾丸の記者会見

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第55話 「弾丸の記者会見」


成り行きで対決をすることになったロキとヘルメス。

勝った方は負けた方に命令できるという権利を賭け、互いのプライドをかけた戦いが始まろうとしていた。


そして美少年達も、その戦いに否応なく巻き込まれることとなるのだった。
本人達の意思とは関係なくーーー

***

グループから脱退宣言をしたガニュメデスは神妙な面持ちで、ゼウスと通話していた。


「ゼウス様。確かに彼らに僕が運営側だったことを打ち明け、そしてグループを辞めると宣言しました」
「そうか。だが、口先だけではどうとでも言える。本当に辞めるかは怪しいところじゃな?」
「本当です。行動で見せろというなら、記者会見を開きます。それも明日」



ガニュメデスは、運営にもメンバーにも告げず、弾丸で記者会見を開こうとしていた。
その決断力と行動力には、流石のゼウスも驚いたようだ。



「ほう、そこまでするか……。よかろう。ならばやってみるがいい」
「ええ」

いよいよ4人で活動できるタイムリミットが迫ろうとしていた。


***

翌日。
そんなことを何も知らない美少年達は各々仕事をこなしていた。

(そういえば最近マスターから連絡がないな…アルバムの発売日はもう決まったのかな?)

アルバムの発売日が決まれば連絡するとマスターから聞いていたが、まだ決まっていないのだろうか。
ヒュアキントスはそう思いながら仕事をしていた。

まさかアルバム発売前に、こんなにいろいろなことが起きるとは思ってもいなかった。


その時、電話が鳴った。

(あれ?アポロン様だ)
チャットやメールでなく電話なので、何か急用だろうかと思いながらヒュアキントスは電話に出た。


「はい、もしもし」
「ヒュアキントス。大変だ!」

いつもと違い切羽詰まった様子でアポロンが話す。

「どうされたのですか?」
「実は……ガニュメデスが今日、緊急で記者会見を開くらしい。内容はまだ明かされてないが、おそらく君達のグループを脱退することを宣言するのではないか」
「えぇっ!そうなのですか?」
「ああ。その前に止めなくてはまずいことになる。ガニュメデスに抜けてもらうわけにはいかない」

「僕達が行って説得してみます」
「ああ頼む、私も向かおう」

アポロンとメンバー達はそれぞれ、急いで会場に向かった。

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