ブレない男の最後

Yamato

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異例

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山本と三浦が結婚した。狭山は断言した通り仲人を務めた。
親のいない山本のために天野が、その代わりを務めた。
経営企画室と秘書室という会社の中でも中枢部署同士の結婚だけに、社内の役員クラスもほとんどが出席し
子会社の関わった役員も祝福に駆け付けた。

ケーリンミシンの守山が山本にビールを持ってきた。
「おめでとう!」
「ありがとうございます、社長」
「いゃあ、近年にないぐらいうれしい出来事だなぁ…しかもこんなキレイな嫁さんだしな」
麻美は照れていた。
そこに東京運送の川名が合流してきた。
「山本君、おめでとうございます」
「川名社長…わざわざお越しくださいましてありがとうございます」
深々と頭を下げると川名も笑った。
「いやいや、君には会社の不正をを正してもらった大きな借りがあるからな。守山社長のところも…ね」
守山も続けた。
「そうだよ、ウチは倒産してもおかしくなかったんだ、あの恩は忘れないよ」
「いえ、みなさんのお力のおかげです。私の力なんて知れてますから」
「そういう謙虚なところが増々気に入ったよ」
そこに仲人の狭山が割って入ってきた。
「おや、みなさん何のお話ですかな?」
守山が冗談交じりに言った。
「これは狭山さん、いやね、山本君にウチに来ないかって誘っていたんですよ」
「守山さん、それはいけませんなぁ。彼はウチのエースですからねぇ。まぁ、レンタルなら応じても…」
一同が大笑いした。
麻美が横から挟んだ。
「守山社長!主人はお貸ししませんよ。私の許可が無ければ」
守山は驚いた。
「こりゃ、麻美君の尻に敷かれるなぁ…アッハッハッハ」
狭山も上機嫌だった。決められている酒の量を超えていた。
「社長!!それ以上はダメですよ!!奥様からも厳しくいわれてますからね」
麻美は狭山のグラスを取り上げた。
「これなんですよ。家では古女房、会社では娘に怒られるんですよ」
川名も狭山に釘を刺した。
「狭山さんも大変ですねぇ、女難の相が出ていますよ」
一同が大爆笑だった。

「ちょっと失礼します」
山本は天野に近寄り、ビールを注いだ。
「室長、今日はホントにありがとうございます。親代わりになっていただいて感謝しています」
「水臭いことを言うな、他ならぬキミの結婚式だ。おかげで私も鼻が高いよ。子供のいない私に親の役が出来るなんて思ってもいなかったからな」
「奥様も本当にありがとうござました」
「こちらこそ、ありがとうね。いつも主人から貴方の活躍を聞かされていたのよ。私もすごく嬉しいの、それも
あんなにキレイな花嫁さん貰って…幸せになってね」
妻の妙子も涙ぐんだ。過去に流産をしてしまい、子供が出来ず諦めていた自分が母親役を出来る事を一番喜んだ。
「家内なんて一か月前から何着ていこうか?和服か洋服か?なんてね、オレも引っ張りまわされたんだ」
「アナタ!!」
天野はチョロっと舌を出した。会社での切れ者とは違う一面を見て、山本は隠れている人間らしさを感じていた。

そこに同期の遠藤も参加してきた。
「やったな、山本」
「ありがとう」
遠藤は経企に来て以来、ずっと山本をライバル視していた。今もそれは変わらない。
実は今日の出席は山本と役員たちの関係を測るために来ていた。
ボソッと耳元で呟いた。
「お前には負けないからな」
そう言って自席に戻っていった。
(やれやれ…)

エリートは厄介な生き物だ、と改めて認識した。

式も終わり、夜に山本は麻美とスイートルームに戻った。
「お疲れ様です」
「あぁっ…やっぱり緊張したなぁ」
ソファーに身を投げ出しネクタイを外した。
「ふふっ…」麻美はそのネクタイをハンガーにかけた。
「すごくきれいだった、麻美のドレス姿は…」
「ホント!?」
「なんか俺との差がありすぎて気が引けたくらいだよ」
「それは光栄です」頭をちょこっと下げた。

二人でシャワー室に入りキスを重ねた。何度も何度も…
明日旅立つ新婚旅行から夫婦として新しい人生のスタートだった。

それから三か月後。

麻美は変わらず狭山の秘書として働き続けた。
狭山の希望もあったが、麻美もまだ働きたかった。
山本もそれで構わないと思っていたのでいつもと変わらぬ景色が流れた。
一つだけ小さな変化として、堂々と二人で一緒に帰れるということだった。

結婚式以来、山本達は変わらなかったが周囲の目と対応が変わっていった。
やたらといろいろな人たちが近寄ってきた。
役員連中のほとんどが集まった平社員の結婚式はあまりあることではない。

要は、関わっておけば何か「得」するのでないか、ということだ。
しかも妻は社長秘書なのだから、案件進めるのもスムーズではないか、という小さな計略も見え隠れする。
だが、山本達は変わらず自分の仕事に集中した。
麻美は、山本に色目を使った林田の悔しそうな視線にさらされた。
あの葛西臨海公園の二人のデートを目撃して以来、なんとか山本を振り向かせようと考えたが、麻美が同じ職場で
何も出来ずにいた。それでもチャンスはあるとと思っていた矢先の結婚である。
秘書の仕事にプライオリティを感じていた林田は、このポジションを失うのも嫌でただ麻美にモヤモヤした思いを視線でぶつけるしか出来ずにいた。

「ちょっといいか?」
天野に呼ばれてミーティング室で向かい合った。
「実は美田園と片岡の代わりをどうしようか考えていたんだが…」
美田園の不祥事で片岡も営業事務企画部に格下げで異動させられ空室になっていた。
天野直轄で関連事業課は運営を続けていた。
「どなたか来られるんですか?」
「うん、社長とも話し合ったんだがどうも適当な人物がいなくてな…なんせ各子会社と一番連携取れるのはキミだし、ペーパーカンパニーの方もうまく資金運用を回してくれているからなぁ」
「はぁ…」
「関連事業課の仕事は、アールイーディーカード本体と違ってかなり特殊な仕事だしな。それにデリケートな面も多分に含んでいる。そんな中でキミは予想以上の働きをしてくれた。だが、それが裏目に出てなぁ…」
「と言いますと?」
天野はタバコに火をつけた。
「キミもどうだ?」一本出して付き合わせた。
「何人か課長や次長クラスに打診してみたんだが、キミの上司になるのを恐れていてなぁ」
「なんで恐れる必要があるのですか?」
「どうも、キミのスキルを恐れているらしいわ…」
山本には訳が分からなかった。
「スキル…私にはそんなものはありませんよ」
秋野はコーヒーを一口飲んで続けた。
「うん、キミは正すべき姿で仕事をしてくれているし、その信念にブレが無いことも分かっている。だが、管理職というのは時に厄介な考えがあってな、部下より出来なきゃならん、とどこかで思っているものなんだよ。東京運送やケーリンミシンの件も表面上だけだが、キミの功績ということは知れ渡っている。だから、それ以上の功績を作らなきゃならん、という観念が働くんだろうなぁ…」
「そんなものですかね?」
「ハハッ…そういう気持ちも分らんではない」
「しかし、アレはイレギュラーですよね?たまたま、起きたことですから何度も起こるような事ではありませよ」
確かに滅多に起きる事ではない。天野は続けた。
「そこでだ、私と香山さん、そして社長と話したんだが…」
香山とは子会社の人事異動の件でちょくちょく顔を合わせている。時々、三年目研修でのやりとりを思い出す。
「これはキミの意見も聞きたくてな、実はキミを課長代理にしてはどうか?と香山さんから意見が出た」
山本は一瞬理解出来なかった。
「えっ?」
「この意見には社長も同調している」
「はい?」
「もし、受けてくれるなら異例の二段階飛びの昇進になる」
「ちょっと、待ってください。なんでそんな結論になるんですか?仮に昇進したとしても係長ですよね?」
アールイーディーカードに主任制度が無いため一般社員の上は係長になる。
「確かにそうだ、だが関連事業課として対内・対外的に係長では弱いんだ。それには最低でも課長の冠を付ける必要がある。もう一つ付け加えるなら、私もその方がやりやすい、という面もある」
少し沈黙が流れた。
「…あの少し考えさせてくれませんか?」
「もちろんだ、二週間で答えを聞かせてくれるか?」
「分かりました」

その夜。

山本は麻美と食卓で夜ご飯を食べていた。
「えっ??それホントなの?」
「…うん」
天野からの話をそのまま麻美に話すと、持っていた箸を落としそうになった。
「すごいじゃない、課長代理なんて…受けるの?」
山本はビールを飲みながらため息をついた。
「分からないな…考えてもいなかったしさ、いきなり課長代理なんて言われてもね」
「でも、確かに今の関連事業課を支えているのは伸一さんよね?美田園さんも片岡さんもいないし」
「まぁ実務という面ではそうだけど、管理職なるとそれだけではないからね」
麻美は缶ビールを注いだ。
「じゃあ、聞いてみる?」
「誰に?」
「お父さんによ」
なるほど、と思った。経営者の麻美の父親に相談するのも手かも知れない。今はいくら考えても答えは出ない。
その週末、手土産を持って麻美の実家を訪れた。
博はお茶をすすりながら、山本の相談を聞いていた。
「なるほど、それはすごいじゃないか」
「ただ、ほんとにそれでいいのか分からないんです」
「そうか…それもそうだな。いきなり課長代理なんて言われてもな」
「今までは平社員だからこれ出来た事なんじゃないか、とも思います。人の管理なんてやった事ないですし
上手く出来るかも自信ありません」
ベランダに並んで座って、暖かい日差しを受けながら山本はタバコに火をつけた。
「これは私の持論なんだが、管理職にテンプレートなんて無いと思っとるよ」
「管理職のテンプレート?」
「人にはそれぞれ育った環境があって考えも違う、それは決して悪い事ではないんだよ。何が上手くて何が下手なんて無いんだよ。管理職は普通は人・モノ・金の管理と言われている。だが、その中で一番大事なのは人なんだ。
実はそれが一番難しい事でもあるんだ」
「人の管理ですか…」
「管理のやり方にテンプレートはないんだ。一つだけあるとしたら、正しい信念で続けられるかどうかだ」
「正しい信念…ですか?」
「そうだ、あれこれ言ってもダメだ。ブレずに信念をもっていれば部下はついてくる。それだけで部下はキミの手足になってくれる。最終的には人は損得ではなくて、<人>についてくるものだ」
「なるほど」
「こういうのは考えすぎない方がいい。人間は考えすぎるとマイナスの方向にしか向かなくなる。結局ね、受けるか受けないか?のどちらかでしかない。未来のことはだれにも分からないし、決められるものでもない。伸一クンがどうしたいか本能で決めるのがいいかも知れないよ」
何かモヤモヤが晴れていく気がした。
「ありがとうございます。落ち着いて考えます」
「うん、それでいいよ。さて実は旨い酒が手に入ってな…飲むかい?」
「もちろん、いただきます」

帰りの夜道。夜風が暖かく心地良かった。
「どうでしたか?父さんとの話し合いは?」
麻美は腕組みしながら聞いてきた。
「うん、何か見えてきた気がする」
「じゃあ、受けるの?」
「それはまだ考える。でも、後悔しない結論にはしたい」
「そう、アタシはどちらでもいいのよ。伸一さんには変わりはないからね」
この言葉がどこか気持ちよかった。いつも伸一自身を見てくれる麻美の心が嬉しかった。

二週間が過ぎた。
天野と山本は前のミーテイング室に座っていた。
「どうだい?結論は出たかい?」
「はい、どこまで出来るか分かりませんがお受けいたします」
「そうかぁ!よく決心してくれたなぁ、心配はしなくていいよ。当面は私もフォローするから」
天野はきっと引き受けるだろうと予想していた。今は未熟でも、必ず障害を突破しながら成長してくれると信じていた。
「よし、社長のところに行こう」
そう催促され、山本は従った。
「失礼します」
二人は狭山の部屋に入った。
「おっ、来たな。引き受けてくれるか?」
天野が答えた。
「はい、決心してくれました」
「そうか!そりゃ良かった。まぁ、座りなさい」
二人は向かいに腰を下ろした。
狭山は電話でコーヒーを頼んだ。
少しして麻美が運んできた。
「麻美ちゃん、旦那が管理職になるぞ」
麻美はゆっくりコーヒーを配りながらにっこりした。
「はい、夕べ聞きました。よろしくお願いしますね。室長」
「なんだ、最初に女房に言ったのか?」
山本はテレ顔で頷いた。
「社長、私は妻ですから最初に聞く権利はあります!」
狭山は麻美を見ながら呟いた。
「なんか、尻に引いていないか?キミの奥さんは…」
山本も軽く「はい」と答えた。
「社長!!!」
麻美の口調に狭山は大笑いした。
「まぁ、確かに初めての人事なんだが、実はこれにはもう一つ含みがあるんだ」
「含み…ですか?」
天野が変わりに答えた。
「景気の低迷でどこも苦しい事情がある。ウチもそうだ、社内の活性化として何かしらの新しい改革が必要だと思っていたんだ。他に幾つかの案もあったが、その中の一つに人事がある。それなりの実績を出したものには、見返りを与えなければ、他社に流出される可能性も高い。だから、今回はその手始めとしてキミが候補に挙がった。まぁ、いくら実績があっても、その人物に一本の太い信念は必要なんだ。特に業績が低迷しているい今だからこそ、新しい風が必要になる。これから頼むよ」

山本の人事発令は社内に大きなインパクトを与えた。20台の課長代理が誕生した。賛否あったが、山本は意に介さずどう関連事業課を運営していくか考えた。
今は山本を含めて4人がいる。
事務の赤城、そしてペーパーカンパニー経理担当の安藤、そして法務財務担当の日下である。以前はペーパーカンパニーの経理は嘱託の菊池が担当していたが、退職したため経理部から異動してきた30歳の安藤が担当していた。
日下は山本の2つ上で昨年異動してきた。主にペーパーカンパニーの運営を担っており、過去に法務と財務を経験してきた経歴がある。
任命後に管理職研修を受け、心構えや必要な事を聞いたものの、実はあまり心に響かなかった。
山本はまず考えて個別面談を行うこととした。
まず安藤である。
山本はストレートに聞いた。
「正直、私が課長代理でどう思われますか?」
安藤の表情が曇った。
「なんとも言えませんね。ただ、功績から見れば納得はしていますが…」
(なるほどね)
「安藤さん。私は偉ぶるつもりもありませんし、一人だけ手柄を得ようとも思っていません。我々はチームで動きたいと考えています」
「…」
「まぁ、社命ですからキチンと仕事はさせてもらいます」
やはり、内心は面白くないようだ。
続いて日下だが、これも一癖あった。
「社長のお眼鏡にかなった課長代理の采配を楽しみにしていますよ」
端っから戦闘態勢のようだ。
事務の赤城だけが喜んでいた。
しかし、一人でも味方がいてくれるのはありがたい。

業務は淡々と過ぎていった。
特に大型案件が起きるわけでもなく、それぞれが与えられた仕事をこなしていった。


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