婚約破棄とか面倒くさいからやめてもらっていいですか?

ぎんさむ

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うるさい………

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門をくぐるなり取り巻きたちが総勢で駆け寄ってきて黄色い声を上げるものだから周りにはたくさんの人だかりができている。

「あの………凛さん、蛍さん?なんとかしてくださらないかしら」

「花蓮様、今度こそ素敵な未来が待っています。末永く、お幸せに」

「いや、その………」

「蛍、全力で応援します!」

押しに押して押しまくるのは2人だけじゃなく他の子達も揃って婚約を祝ってくれている。凛ちゃんなんてもう涙目よ…………。と、いきなり針で突き刺すかのようにとてつもなく鋭い視線が刺さってくる。
鋭い視線の先には元婚約者の姿。見覚えのない制服に身を包んでいるせいか、髪が乱れているせいか、目の下のくまのせいか、まるで別人のような姿だった。今にも人を刺して殺しそうな眼光に、まるで自分を奮い立たせているかのような暗く、力強い空気を感じられる。限りなく殺意に近いような空気だ。遠くからもはっきりと感じられる視線はもろに私一直線に注がれている。

「ごめんあそばせ」

人混みの中を掻き分けてみんなが不思議そうにする中こちらも突き刺すような探るような視線をぶつける。途端、肩が揺れ、足が震え、拳を握り、眼光は迷いのある虚ろな目に変わり、私を拒否している。でもね、逃がさない。だってそれじゃあいつまでたっても解決しないじゃない。

「輝明さん」

「な、ななななんだ…………」

「私に話したいことがあるのならばいつでもおっしゃってくださいね。ご遠慮なさらないでね」

「あ、あぁ」

ホッとしたような顔をして鞄を震える手で持ちながら輝明さんは去っていった。そんなに恐れているならわざわざ会いに来なきゃいいのに。何がしたいんだか。

「みなさん、お顔が怖いですよ」

門から去っていった輝明さんを凍てつくような眼差しで見る彼らに一言添えてそそくさとこの面倒臭そうな状況から逃れた。

よし、なんとか言い訳つけて保健室で寝よ
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