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空からやって来た!
空からやって来た!*2*
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うわー!目の前で、リアルスプラッタはごめんだぁぁぁー!!!
あっ!そうだ!
……………羅泉が飛べないなら私が飛べばいい。
……………私は多分、この時頭の何処かで冷静な感じもあったが、相当焦っていたのだろう。なので、私は人によっては、黒歴史間違い無しの事をしてしまった。
私は、魔力を使えない事を”拒絶”する。
そして、私が魔法を使えない事を”拒絶”する。
最後に、私の身体が魔力に耐えられない事を”拒絶”する。
よし!羅泉が驚いたようにこちらを見るが、今はそれどころでは無い。
私は、亜空間から箒を取り出した。
そして、それに跨り、強く地面を蹴った。その瞬間私は、飛んだ。
そして、あの子天狗の所まで行き、彼の襟を掴んだ。そのままゆっくり地上に、羅泉の所に降りた。
私がフーと一安心したその瞬間、私は冷静になった。
やばい。やらかした。
この世界の人間って持っているのは霊力だけで、魔力を持った人間なんていないんだよね。
魔力を持っているとしたら、モンスターと呼ばれている者達だけだし。
そもそも、魔力や妖力、霊力は似ている様で全く違う。
しかし、詳しい説明は長くなるので割愛し、簡単に説明しよう。
簡単に説明すると霊力は、水の様にサラサラしていて扱いやすいが、力が弱い。そして、紙などを媒体にする事で技の威力等を上げる事が出来る。そして、魔力程では無いが、自然の力と合わせやすい。
妖力は、蜂蜜みたいにトロトロしていて扱いにくいが、その分力も強く、種族的なものにより、”狐なら炎”といった風に一つの系統に特化している。
そして、魔力。これは、自然の力と合わせやすい力で、主にモンスターと呼ばれている者達だけが持っている。そして、己の魔力と自然の力を合わせることで威力の大きい多種多様な技を扱う事が出来る。だが、その分技に相当慣れないと、詠唱など技の発動に時間を取られる。
「うっ。」
私は、ハッとなり、うめき声がした方を見た。さっきの子天狗がうめき声を上げたようだ。
その子天狗を見ると、あちこち傷だらけで、着ている紺の着物は所々血や泥で汚れていた。
「大丈夫?……………羅泉。この子大丈夫かな?」
『………あぁ、多分な。ほら、どうやら保護者のご登場だぞ?』
「鈴葉様!」
私は、声がした方を見ると、先程の青年天狗がこちらに駆け寄ってきていた。
そして、私の隣に来て、子天狗の肩を揺らし声をかけた。
「鈴葉様!大丈夫ですか!?」
「う、ん。………緑志?」
「鈴葉様!良かった。ご無事のようで。」
「あれ?僕は………痛っ!」
「急に起きてはいけません。少し見せてください。
あぁそれと、幼子よ。先程は鈴葉様を助け頂きありがとう。」
『フンッ。保護者ならばしかと見ておけ。ヒョウもヒョウだ。何故妖怪なんぞ助けた?人助けか?』
「いや、そんな訳ないじゃん。私は、目の前でリアルスプラッタを見るのが嫌だっただけだよ。私は自分の為に、子天狗を助けたんだ。
だから、お礼は受け取っておくけど、お礼なんて言わなくていいよ。それより、その子大丈夫なの?」
「うっ。」
「鈴葉様!
少し、失礼します。」
そう言って、緑志は子天狗、鈴葉の体に触れた。
そして、アバラ辺りに緑志の手が触れると、相当痛がった。
「これは。」
『ふむ。アバラが折れているようだな。』
「そんな。里まで距離がありますし、どうすれば。」
「?妖怪って怪我を負っても直ぐに治るんじゃないの?」
『まぁ、普通の妖怪ならばそうだが、こやつは産まれたばかりの幼子だ。大人の妖怪程の自己治癒力は無い。直ぐには治らんだろう。』
「んー?なんか怪我を負っても直ぐに治せる薬とかないの?ほら、伝説とか物語とかで出てくるじゃん?」
『それは、本当に珍しい霊薬や秘薬、神薬の事だろう?いくら妖怪でも、そうそう手に入れられるものでは無い。』
「じゃあ、妖怪が作った妖怪用の薬とかはないの?」
『あぁ。元々俺達は病気にもならないし、怪我を負っても直ぐに治るしな。だから、殆どの妖怪が薬の研究なんぞせんからな。それよりも、呪いの解き方等の研究の方が盛んだ。』
「そっか。じゃあ、このままこの子天狗を放っておいたらどうなるの?」
『里まで距離があるとなると、どうなるかは分からん。その子天狗の体力が持てば助かるかもしれんが。』
……………うん。やらかしたのなら、もう少しやらかしてもいいよね?流石にここで放っておいて、死なせてしまったら目覚めが悪いしな。
「すみません。少し見せてください。」
「え?」
『ヒョウ。何をする気だ?』
「いいから。ごめんね。少し痛いかもだけど、我慢出来る?」
私は、出来るだけ優しい声で鈴葉に声をかけた。
「う、ん。僕は………妖怪だ、から、大丈夫だ。」
「うん。じゃあ、我慢してね?」
私は、鈴葉のアバラ辺りに手を翳し、魔法をかけた。
【快癒】
すると、鈴葉の体が淡く光り、アバラどころかまわりにあった小さな切り傷なども綺麗に治っていた。
念には念をという事で、【スキャン】。
うん。体にも、不調などは一切無いね。
「はいっ!お終い!」
「え?」
「……………これは。」
『ほう。』
鈴葉や緑志は驚いたような顔をしていたが、何やら羅泉は、面白いものを見つけた時のような顔をしていた。
……………うん。やっちゃったね。まぁ、いいか。
鈴葉は、自分の体を触ったりしていたが、治っていると分かるとこちらに目を向けた。
私は何か言われる前に、ボフッと羅泉に抱きついた。
あっ!そうだ!
……………羅泉が飛べないなら私が飛べばいい。
……………私は多分、この時頭の何処かで冷静な感じもあったが、相当焦っていたのだろう。なので、私は人によっては、黒歴史間違い無しの事をしてしまった。
私は、魔力を使えない事を”拒絶”する。
そして、私が魔法を使えない事を”拒絶”する。
最後に、私の身体が魔力に耐えられない事を”拒絶”する。
よし!羅泉が驚いたようにこちらを見るが、今はそれどころでは無い。
私は、亜空間から箒を取り出した。
そして、それに跨り、強く地面を蹴った。その瞬間私は、飛んだ。
そして、あの子天狗の所まで行き、彼の襟を掴んだ。そのままゆっくり地上に、羅泉の所に降りた。
私がフーと一安心したその瞬間、私は冷静になった。
やばい。やらかした。
この世界の人間って持っているのは霊力だけで、魔力を持った人間なんていないんだよね。
魔力を持っているとしたら、モンスターと呼ばれている者達だけだし。
そもそも、魔力や妖力、霊力は似ている様で全く違う。
しかし、詳しい説明は長くなるので割愛し、簡単に説明しよう。
簡単に説明すると霊力は、水の様にサラサラしていて扱いやすいが、力が弱い。そして、紙などを媒体にする事で技の威力等を上げる事が出来る。そして、魔力程では無いが、自然の力と合わせやすい。
妖力は、蜂蜜みたいにトロトロしていて扱いにくいが、その分力も強く、種族的なものにより、”狐なら炎”といった風に一つの系統に特化している。
そして、魔力。これは、自然の力と合わせやすい力で、主にモンスターと呼ばれている者達だけが持っている。そして、己の魔力と自然の力を合わせることで威力の大きい多種多様な技を扱う事が出来る。だが、その分技に相当慣れないと、詠唱など技の発動に時間を取られる。
「うっ。」
私は、ハッとなり、うめき声がした方を見た。さっきの子天狗がうめき声を上げたようだ。
その子天狗を見ると、あちこち傷だらけで、着ている紺の着物は所々血や泥で汚れていた。
「大丈夫?……………羅泉。この子大丈夫かな?」
『………あぁ、多分な。ほら、どうやら保護者のご登場だぞ?』
「鈴葉様!」
私は、声がした方を見ると、先程の青年天狗がこちらに駆け寄ってきていた。
そして、私の隣に来て、子天狗の肩を揺らし声をかけた。
「鈴葉様!大丈夫ですか!?」
「う、ん。………緑志?」
「鈴葉様!良かった。ご無事のようで。」
「あれ?僕は………痛っ!」
「急に起きてはいけません。少し見せてください。
あぁそれと、幼子よ。先程は鈴葉様を助け頂きありがとう。」
『フンッ。保護者ならばしかと見ておけ。ヒョウもヒョウだ。何故妖怪なんぞ助けた?人助けか?』
「いや、そんな訳ないじゃん。私は、目の前でリアルスプラッタを見るのが嫌だっただけだよ。私は自分の為に、子天狗を助けたんだ。
だから、お礼は受け取っておくけど、お礼なんて言わなくていいよ。それより、その子大丈夫なの?」
「うっ。」
「鈴葉様!
少し、失礼します。」
そう言って、緑志は子天狗、鈴葉の体に触れた。
そして、アバラ辺りに緑志の手が触れると、相当痛がった。
「これは。」
『ふむ。アバラが折れているようだな。』
「そんな。里まで距離がありますし、どうすれば。」
「?妖怪って怪我を負っても直ぐに治るんじゃないの?」
『まぁ、普通の妖怪ならばそうだが、こやつは産まれたばかりの幼子だ。大人の妖怪程の自己治癒力は無い。直ぐには治らんだろう。』
「んー?なんか怪我を負っても直ぐに治せる薬とかないの?ほら、伝説とか物語とかで出てくるじゃん?」
『それは、本当に珍しい霊薬や秘薬、神薬の事だろう?いくら妖怪でも、そうそう手に入れられるものでは無い。』
「じゃあ、妖怪が作った妖怪用の薬とかはないの?」
『あぁ。元々俺達は病気にもならないし、怪我を負っても直ぐに治るしな。だから、殆どの妖怪が薬の研究なんぞせんからな。それよりも、呪いの解き方等の研究の方が盛んだ。』
「そっか。じゃあ、このままこの子天狗を放っておいたらどうなるの?」
『里まで距離があるとなると、どうなるかは分からん。その子天狗の体力が持てば助かるかもしれんが。』
……………うん。やらかしたのなら、もう少しやらかしてもいいよね?流石にここで放っておいて、死なせてしまったら目覚めが悪いしな。
「すみません。少し見せてください。」
「え?」
『ヒョウ。何をする気だ?』
「いいから。ごめんね。少し痛いかもだけど、我慢出来る?」
私は、出来るだけ優しい声で鈴葉に声をかけた。
「う、ん。僕は………妖怪だ、から、大丈夫だ。」
「うん。じゃあ、我慢してね?」
私は、鈴葉のアバラ辺りに手を翳し、魔法をかけた。
【快癒】
すると、鈴葉の体が淡く光り、アバラどころかまわりにあった小さな切り傷なども綺麗に治っていた。
念には念をという事で、【スキャン】。
うん。体にも、不調などは一切無いね。
「はいっ!お終い!」
「え?」
「……………これは。」
『ほう。』
鈴葉や緑志は驚いたような顔をしていたが、何やら羅泉は、面白いものを見つけた時のような顔をしていた。
……………うん。やっちゃったね。まぁ、いいか。
鈴葉は、自分の体を触ったりしていたが、治っていると分かるとこちらに目を向けた。
私は何か言われる前に、ボフッと羅泉に抱きついた。
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