あの世で働き幾星霜~自由な次元の魔女~

蒼華 スー

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序章《あの世での仕事》

あの世の窓口*1*

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    『17年の人生お疲れ様でした。此処はあの世の窓口です。混乱なさっていると思いますのでまずは、ご質問をどうぞ。』

    無機質な声が聞こえてハッと意識が覚醒した。目に飛び込んで来たのは、白いほんわか発光した球体だった。
    そして、周りを見回すと周りは真っ白い空間で何も無く、自分と球体の間に銀行窓口みたいな物があるだけだった。

    たしかに混乱している事はしている。だがすぐに私は先程の言葉を思い出し何となくだがこの状況を理解した。だが、一応確認は取っておく事に越したことはない。

    「私は、死んだのですね?」
    『はい。その通りです。死因は聞かれますか?』
    「一応お願いします。」
    『分かりました。では、貴方の死因は睡眠中に起きた急性心筋梗塞です。時間は午前3時25分頃です。』

    心筋梗塞か。まさか自分がなるとは……。
    まっ、起きたもんは仕方ない。17歳って言う若さで心筋梗塞。フッ。
    まぁ、彼氏もいた事が無い喪女だしいっか。
    でも、新作の漫画が~!くそっ、楽しみにしていたのに~!

    あと、お父さんやお母さん、お爺さんお婆さん達はどう思うのかな?
    まぁ、死んじゃったから仕方ない。末っ子で私が一番家族の中で若かったのに誰よりも早く死んじゃったって……。はぁー。
    お姉ちゃんと出かける約束もしてたのに……。

    「とりあえず、此処はあの世の窓口って言ってましたけどこれから天国行きか、地獄行きかを決めるのですか?それとも転生とかですか?」
    『いえ、違いますよ。此処ではあの世の説明と、あの世での仕事を決めます。あと、あの世に天国や地獄の概念はありません。』

    ラノベ定番転生じゃ無かった~。
    ヲタクだった私は、少し期待していたからちょっとショック!

    ……って、あれ?仕事?
    地獄とかの概念が無いどういう事だろう?
    ……ちょっと待って。
    地獄の概念が無い=人殺し等の犯罪者も同じあの世に来る=仕事があるって事は、人殺しと同じ職場になる可能性がある……って事!?
    落ち着け私!深呼吸深呼吸。スーハースーハー……よし!なるべく冷静に、冷静に。

    「そうなんですね。でも人殺しとかした人達ってどうなるんですか?」
    『殺人を仕事とした人や、人を食料とする知的生命体等が起こした殺人、その他の義のある殺人等は罰の対象とはなりません。まぁ、話が通じる相手ならですけど。
    そして、余りに酷い犯罪者は、その場で死神によって魂を破壊されます。』

    なるほど。
    それにしても、余りに酷い犯罪者って何した人なんだろう?
    ……怖いので聞かない事にしよう。

    そういや、受付の人って何者なんだろう?仕事として此処で働いているのかな?
    だけど、ラノベとかでは神様が説明とかしている話がほとんどだし……。
    ……うん。気になるので聞いてみよう。

    「えっと、貴方は神様ですか?」
    『いいえ。神様という方々は転生を一定数以上繰り返し、あらゆる経験や徳等を得て、自ら”神様になる”と言われた方々が神様という仕事に着きますね。飽きるまで。飽きたらまた転生したりしますね。
    ちなみに私は、転生回数がまだまだ少ない若輩者です。
    それと、先程言った通りあの世では仕事をします。私は、たまたま此処の仕事に着いているだけです。』

    神様じゃないんだ。
    ……って言うか、神様って転生回数が多いとなれるんだ。
    飽きたらやめるって……。
    
    あれ?私って転生回数どれくらいなんだろう?

    「私って今、何回目の転生ですか?」 
    『えっと、少し待ってください。
    ……あっ!ありました。』

    そう言って球体から腕みたいな物が出てきて書類を出し読み上げるた。

    『貴方は、これが初の人生でしたので転生回数は、0です。』
    「へっ!0!?」

    0か……。神様への道はかなり遠そうだな。
    まっ、それは置いておいて話が逸れたので戻そう。

    「仕事というのは、どんな事をするんですか。」
    『はい。貴方がやる仕事は、こちらから選んでください。』

    そう言ってまた、別の書類を私に差し出した。
    書かれていた内容は、3個。


    ・転生窓口受付
            仕事内容【転生窓口での転生手続き,(手続き内容を上司である転生の神(8柱いるうちの1柱)に提出して、許可が降りたら転生ゲートへ案内する。)】
            仕事時間【シフト制(9時間)(休憩1時間)】
            休日【基本月10日】
            時給【1000ポイント】

    ・あの世図書館の司書
            仕事内容【本の整理etc】
            仕事時間【シフト制(8時間)(休憩1時間)】
            休日【基本月6日】
            時給【1200ポイント】

    ・神様の雑用係
            仕事内容【神様に指定された世界を主な担当とし、その世界の状態を1日ごとに報告書に書き、その世界を含んだ次元を担当している神様に提出する。時折(自分の担当する世界がある次元の)他の世界の担当者達との情報交換をする為に集まる。etc】
            仕事時間【世界の担当は、二人ずつなので24時間(休憩は、適当にとる。)(休憩時間は決まってないので、特に世界に問題が無かったら遊んでていいよ!)(問題があったら警報が鳴って教えてくれるので安心!)】
            日給【5000ポイント~(勤務人数が二人の為の特別手当てあり。)】


    えっと、とりあえず、三つ目のポイント高っ!そして仕事内容がふわっとしてるなー。
    うーん。この中から選ぶのか……。ポイントで言ったら三つ目だけど休みがないからなー。でも休憩はあるから……。
    というか、ポイントってなんだ?

    「あの、ポイントって何ですか?」
    『ポイントというのは、給料と同じようなもので、そのポイント数に応じてあの世での娯楽施設等を使う事が出来ます。例えば、本に映画にあと、能力もポイントで買えますよ。』

    本とかなら分かるけど能力?

    『あと、ポイントによって転生先をリクエストしたり、来世の自分の能力等のステータスや種族等が自分でカスタマイズ出来たりします。
    まぁ、ポイントで買わなくても基本能力は無料で付いて来ますので、基本能力の他に欲しい能力があった場合は、頑張って稼いで下さいという事です。』

    来世の自分を自分の好みにカスタマイズ出来たり、転生先が選べるのか……いいな!
    だけど、どれくらいかかるのかな?

    「あの、ちなみに能力一つ貰うのにどれくらいポイントがかかりますか?」
    『転生先に持って行く能力の中で一番安い能力は、”150万”になります。一番高い物だと記憶保持転生で、”9500不可思議9800那由多8300阿僧祇”になります。』

    へ?一番高い物が記憶保持転生で……。
    何?ふかしぎ?なゆた?あそうぎ?

    「あの、何ですか?その、ふかしぎ?あそうぎ?なゆた?って言うのは?」
    『はい。まず、不可思議は無量大数の一つ手前の単位です。
    那由多が不可思議の一つ手前の単位で、阿僧祇は那由多の一つ手前の単位です。』

    無量大数の一つ手前の単位……?
    ……高っ!?えっ?何でそんなにするの?
    記憶保持転生って欲しかったけど高っ!?
買う人いるの!?てか、買える人っているの!?
    
    ……落ち着け私。深呼吸、深呼吸。スーハースーハー……。よしっ!

    「その能力今までに買った人はいますか?」
    『いいえ。誰一人買わずに転生しています。あの世での時間は転生するまでは無限にあります。あの世が消える事は絶対にありませんので。
    ですが、そのポイントが貯まるには途方も無い時間あの世でずっと同じ仕事をしなくてはいけません。それはもはや拷問に近い苦しみを味わう事と違いないのです。なので、私を含む全ての魂が貯まる前に転生するのです。』
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