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すばらしい
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「若いって素晴らしい」
今日も今日とて番の2人に挟まれ、足にアズをくっつけながら目を覚ました縁は新しい身体に感謝していた。
昔なら背中、腰、膝と布団から起き上がるだけで走っていた痛みも今の新しい身体には全くない。
億劫だった階段も疲れはするが、膝の関節に痛みはない。
色々ありすぎて気にする余裕がなかったが、若さとはこれほど素晴らしいのかと実感していた。
「…なに年寄りみたいなこと言ってんだ?」
「……」
聞かれていたとは。
みたいなもなにも年寄り、正真正銘中身はおじいちゃんなんですとは言えない。
「いえ、昔に比べたら体力がついたなぁと」
「ほぅ、なら今夜からでも俺たちのお願いも聞いてもらえそうだな」
「!!」
いつの間にかセインまで起きていたらしい。
寝起きの相手に耳元で囁くのは卑怯だと思う。
耳を抑える縁にカラカラと楽しそうに笑うセインを睨むが、可愛いだけだとさらに笑われた。
「お願いってなんですか?」
「それは夜まで秘密。縁がどんな反応してくれるか楽しみ」
いつも喧嘩ばかりの2人が、こういう時だけなぜか息が合う。
「ほら今日もギルドに行くんだろ。アズもそろそろ起こさないとな」
優しくアズを起こすセインに納得いかず、とりあえず八つ当たりに近くの枕を投げつけておくのだった。
「もし良ければこちらの依頼もいかがでしょうか?」
差し出された紙を見れば薬草採取の依頼だった。
「?、えーとこれは?」
いつも通り採取依頼を受けようと思っていた縁を待っていたのは別の採取依頼だった。
とくに特別な何かがあるようには思えない。
あるとすれば、いつもの依頼より報酬が若干高く量が多いくらいだ。
「あなたへの指名依頼です。断ることもできますが、もし可能なようなら受けて損はないと思います」
指名依頼?
そんなホストのような制度があったとは。
だがまだFランクの縁たちに指名依頼がくるとはいいのだろうか。
「高ランクであれば珍しくありませんが、Fではまずないですね。ただ今までのあなたの依頼成果にとても喜んでいました」
「喜んでもらえるのは嬉しいですが、それだけで金額が上がるのはいいんですか?」
これまで受けたのは薬草採取しかないので、そのどれかの内の一つだろう。
だが、依頼の内容的にはいつもと変わらないのでそれで金額が少なからず上がるのはギルドとしては許容範囲なのだろうか?
「だからこその指名依頼です。普段の依頼料に加え、指名料として金額が上乗せされています」
金額の違いは分かったが、そこまでされる覚えがない。
「依頼主が言うにはあなたが採取してきた薬草はとても状態がよく、綺麗なんです」
「綺麗、ですか?」
どういう意味だろう。
ギルド職員が言うには、同じ薬草採取でも人によってとってくる薬草の品質が違うらしい。
縁は気にしたことはなかったが、商品にもなる薬草を大切に扱う縁はとり方も丁寧な上、マジックバッグに入れて運んでいるため変に傷も付かず鮮度もいい。
そんなこと知らない縁は不思議でしかなかったが、仕事の出来を褒めてもらえるのは嬉しくこの依頼を受けることにした。
「じゃあ、今日はこちらの依頼にしておきます」
「可能なようなら同時に他の依頼を受けてもらっても構いませんよ」
達成を見込めるようなら2個以上の依頼を同時に受けることも可能らしい。
いつも依頼より多めに採取できているので問題はないだろう。
喜んでその2つを受ける縁にギルド職員も少し安心したかのようだった。
「では行ってきます」
「気をつけて」
見送るギルド職員に笑顔で挨拶すれば、慣れたもので挨拶を返してくれた。
今日も今日とて番の2人に挟まれ、足にアズをくっつけながら目を覚ました縁は新しい身体に感謝していた。
昔なら背中、腰、膝と布団から起き上がるだけで走っていた痛みも今の新しい身体には全くない。
億劫だった階段も疲れはするが、膝の関節に痛みはない。
色々ありすぎて気にする余裕がなかったが、若さとはこれほど素晴らしいのかと実感していた。
「…なに年寄りみたいなこと言ってんだ?」
「……」
聞かれていたとは。
みたいなもなにも年寄り、正真正銘中身はおじいちゃんなんですとは言えない。
「いえ、昔に比べたら体力がついたなぁと」
「ほぅ、なら今夜からでも俺たちのお願いも聞いてもらえそうだな」
「!!」
いつの間にかセインまで起きていたらしい。
寝起きの相手に耳元で囁くのは卑怯だと思う。
耳を抑える縁にカラカラと楽しそうに笑うセインを睨むが、可愛いだけだとさらに笑われた。
「お願いってなんですか?」
「それは夜まで秘密。縁がどんな反応してくれるか楽しみ」
いつも喧嘩ばかりの2人が、こういう時だけなぜか息が合う。
「ほら今日もギルドに行くんだろ。アズもそろそろ起こさないとな」
優しくアズを起こすセインに納得いかず、とりあえず八つ当たりに近くの枕を投げつけておくのだった。
「もし良ければこちらの依頼もいかがでしょうか?」
差し出された紙を見れば薬草採取の依頼だった。
「?、えーとこれは?」
いつも通り採取依頼を受けようと思っていた縁を待っていたのは別の採取依頼だった。
とくに特別な何かがあるようには思えない。
あるとすれば、いつもの依頼より報酬が若干高く量が多いくらいだ。
「あなたへの指名依頼です。断ることもできますが、もし可能なようなら受けて損はないと思います」
指名依頼?
そんなホストのような制度があったとは。
だがまだFランクの縁たちに指名依頼がくるとはいいのだろうか。
「高ランクであれば珍しくありませんが、Fではまずないですね。ただ今までのあなたの依頼成果にとても喜んでいました」
「喜んでもらえるのは嬉しいですが、それだけで金額が上がるのはいいんですか?」
これまで受けたのは薬草採取しかないので、そのどれかの内の一つだろう。
だが、依頼の内容的にはいつもと変わらないのでそれで金額が少なからず上がるのはギルドとしては許容範囲なのだろうか?
「だからこその指名依頼です。普段の依頼料に加え、指名料として金額が上乗せされています」
金額の違いは分かったが、そこまでされる覚えがない。
「依頼主が言うにはあなたが採取してきた薬草はとても状態がよく、綺麗なんです」
「綺麗、ですか?」
どういう意味だろう。
ギルド職員が言うには、同じ薬草採取でも人によってとってくる薬草の品質が違うらしい。
縁は気にしたことはなかったが、商品にもなる薬草を大切に扱う縁はとり方も丁寧な上、マジックバッグに入れて運んでいるため変に傷も付かず鮮度もいい。
そんなこと知らない縁は不思議でしかなかったが、仕事の出来を褒めてもらえるのは嬉しくこの依頼を受けることにした。
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いつも依頼より多めに採取できているので問題はないだろう。
喜んでその2つを受ける縁にギルド職員も少し安心したかのようだった。
「では行ってきます」
「気をつけて」
見送るギルド職員に笑顔で挨拶すれば、慣れたもので挨拶を返してくれた。
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