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海です!
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やって来ました念願の海!
早朝出発した縁たちはジークたちの力を借り……というのは嘘でジークたちしか頑張っていなかった。
獣人であるアレンたちに体力も脚力も劣る縁とアズはほとんどを抱えられて走っていたのだ。
申し訳なかったが折角着いても探す体力がなくなっては元も子もないと邪魔にならないよう出来るだけ大人しくしているのであった。
だがそんな縁の心情を知ってか知らずか、アレンたちは誰が縁を抱っこして走るか揉めていた。
彼らにとって縁を抱えて走るも1人で走るも変わりなかったのだ。
そんなこんなで縁とアズを抱えたアレンたちは数時間走り続けた末、海に到着した。
「すごーい!」
「気持ちいいですねぇ」
白い砂浜に青い海、まるで前世で旅しことがある沖縄のようで見ているだけで癒される光景だ。
日本にいた時とは違いあまり人が訪れることはないのか、ゴミで荒らされることなく綺麗なまま放置されているようだ。
天気もよく泳ぐことが出来れば最高の日だろう。
……そう、泳ぐことが出来るのならば。
前世ではカナヅチだった自分が泳げるとは思えない。
「あ、釣り竿持ってませんでした」
ここまで来て魚を釣る道具がないというポンコツ具合だったが、いつの間に作ったのか落ちていた木の枝で槍のようなものを作ったアレンは海に潜っていくと泳いで魚を突いていた。
アレンは考えるより先に体が動く子なのです。
「アイツは……スゲェのかバカなのかよく分からんな」
ボソッと溢れたジークの一言に無言で頷くセインと縁であった。
「アズは私と浅瀬で貝でもとってましょうか」
「うん」
魚と昆布はアレンたちに託し、縁はアズとあさり取りをすることに。
ジークにはお前は潜るなよと言われたので正直に泳げないことを伝えれば、じゃあなんで来たんだと呆れた顔をされたが何も言い返せなかった。
実際何も考えてなかった。
魚が食べたかった。ただそれだけだ。
「スノーはここで待ってて下さいね」
「キュァー」
スノーにはこの気候は熱過ぎると思い、拾った流木とバスタオルで簡易ではあるが日差しよけを作った。
着替えは全員分持ってはきていたが、態々濡らすこともないだろうとアズはパンツだけを残し服を脱がせると縁もズボンだけ脱ぎ浅瀬に向かう。
初めての砂浜と流れていく砂の感触を足に感じアズはどこかムズムズしているような感じだった。
「怖くないですか?」
「あしがへんなの」
パチャパチャと水面を叩くアズと手を繋ぐと、足で砂を掻くように掘る。
コツンと足下に触れたものを手で手繰り寄せれば小さくはあったが探していたあさりだった。
「これが貝です。こう、足で砂を掻くように動かしてみて下さい。何か足に当たるようであれば貝かもしれません」
「わかった」
まだ幼いアズには難しいだろうが、何事も経験だとやらせてみることにしたのだ。
難しい顔で一生懸命あさりを探す姿に幼い頃の自分の姿を思い出す。
母に教えられ調子に乗った縁がかなり深いところまで行ってしまい溺れていたのを父が慌てて助けたのだ。
あれから縁は泳げなくなってしまったが、こうして浅瀬で遊ぶぐらいはできる。
「ゔー、ゔーん、ん?………これ?」
そうして見せてくれた小さな手の平には小さな貝が乗っていた。
「そうです。すごい、さすがアズです」
「えへへ」
すごいすごいと褒めれば嬉しそうに再び探し始める。
縁も一緒に探し何だかんだ両手一杯に探すことができた。
「えにしー、見てくれ!これは大きーーってなんて格好してんだよ!」
「アレン?うわ、大漁ですね」
片手に大きな魚を持っているかと思えば、左手に持つ槍の先にも大きな魚を突き刺していた。
後ろから追ってきたジークたちも両手に抱えており、さらにセインは頼んでおいた昆布も一緒に抱えていた。
「流石ですね。頼んでいたものもちゃんと獲ってきてくれました」
昆布は縁が知る色だったが、魚に関しては思っていた色とは違い色とりどりでどれが何の魚かは分からなかった。
「だろ!ご褒美くれ!」
「………」
アレンはもしかしてその為だけにあんなに頑張っていたと言うのか。
だがアレンが何を望んでいるか何となく察した為、それは帰ってからと約束し何匹か焼いて食べてみることにした。
慣れたように火を起こすジークに礼を言い、小さめ(縁には大き目) の魚を枝に突き刺すと塩をふり火の周りに置いていく。
「パチパチいってるの」
魚が焼けるいい匂いに鼻を擽られアズも待ちきれないようだ。
スノーには冷たい水を出してやると、焼けた魚を冷ましてからほぐして与える。
キャンプのようで楽しい。
骨が刺さらないにアズにも少しずつほぐしながら食べさせてやれば美味しいと笑っていた。
「美味しいですね。3人共ありがとうございます」
予想外の頑張りに感謝を述べれば、気にすんなと笑っていた。
もちろんアレン以外。
「少し休憩したら今日はもう帰りましょうか。あまり遅くなるとサッズさんが心配してしまいますからね」
お母さん気質のサッズに心配かけられないと笑えば、3人も頷きそうだなと笑っていた。
ただ1人アズだけが意味が分からずキョトンとしていたが。
火の始末をし、頑張ってくれたたくさんの魚と昆布を鞄に仕舞うと、初めての海を後にするのだった。
早朝出発した縁たちはジークたちの力を借り……というのは嘘でジークたちしか頑張っていなかった。
獣人であるアレンたちに体力も脚力も劣る縁とアズはほとんどを抱えられて走っていたのだ。
申し訳なかったが折角着いても探す体力がなくなっては元も子もないと邪魔にならないよう出来るだけ大人しくしているのであった。
だがそんな縁の心情を知ってか知らずか、アレンたちは誰が縁を抱っこして走るか揉めていた。
彼らにとって縁を抱えて走るも1人で走るも変わりなかったのだ。
そんなこんなで縁とアズを抱えたアレンたちは数時間走り続けた末、海に到着した。
「すごーい!」
「気持ちいいですねぇ」
白い砂浜に青い海、まるで前世で旅しことがある沖縄のようで見ているだけで癒される光景だ。
日本にいた時とは違いあまり人が訪れることはないのか、ゴミで荒らされることなく綺麗なまま放置されているようだ。
天気もよく泳ぐことが出来れば最高の日だろう。
……そう、泳ぐことが出来るのならば。
前世ではカナヅチだった自分が泳げるとは思えない。
「あ、釣り竿持ってませんでした」
ここまで来て魚を釣る道具がないというポンコツ具合だったが、いつの間に作ったのか落ちていた木の枝で槍のようなものを作ったアレンは海に潜っていくと泳いで魚を突いていた。
アレンは考えるより先に体が動く子なのです。
「アイツは……スゲェのかバカなのかよく分からんな」
ボソッと溢れたジークの一言に無言で頷くセインと縁であった。
「アズは私と浅瀬で貝でもとってましょうか」
「うん」
魚と昆布はアレンたちに託し、縁はアズとあさり取りをすることに。
ジークにはお前は潜るなよと言われたので正直に泳げないことを伝えれば、じゃあなんで来たんだと呆れた顔をされたが何も言い返せなかった。
実際何も考えてなかった。
魚が食べたかった。ただそれだけだ。
「スノーはここで待ってて下さいね」
「キュァー」
スノーにはこの気候は熱過ぎると思い、拾った流木とバスタオルで簡易ではあるが日差しよけを作った。
着替えは全員分持ってはきていたが、態々濡らすこともないだろうとアズはパンツだけを残し服を脱がせると縁もズボンだけ脱ぎ浅瀬に向かう。
初めての砂浜と流れていく砂の感触を足に感じアズはどこかムズムズしているような感じだった。
「怖くないですか?」
「あしがへんなの」
パチャパチャと水面を叩くアズと手を繋ぐと、足で砂を掻くように掘る。
コツンと足下に触れたものを手で手繰り寄せれば小さくはあったが探していたあさりだった。
「これが貝です。こう、足で砂を掻くように動かしてみて下さい。何か足に当たるようであれば貝かもしれません」
「わかった」
まだ幼いアズには難しいだろうが、何事も経験だとやらせてみることにしたのだ。
難しい顔で一生懸命あさりを探す姿に幼い頃の自分の姿を思い出す。
母に教えられ調子に乗った縁がかなり深いところまで行ってしまい溺れていたのを父が慌てて助けたのだ。
あれから縁は泳げなくなってしまったが、こうして浅瀬で遊ぶぐらいはできる。
「ゔー、ゔーん、ん?………これ?」
そうして見せてくれた小さな手の平には小さな貝が乗っていた。
「そうです。すごい、さすがアズです」
「えへへ」
すごいすごいと褒めれば嬉しそうに再び探し始める。
縁も一緒に探し何だかんだ両手一杯に探すことができた。
「えにしー、見てくれ!これは大きーーってなんて格好してんだよ!」
「アレン?うわ、大漁ですね」
片手に大きな魚を持っているかと思えば、左手に持つ槍の先にも大きな魚を突き刺していた。
後ろから追ってきたジークたちも両手に抱えており、さらにセインは頼んでおいた昆布も一緒に抱えていた。
「流石ですね。頼んでいたものもちゃんと獲ってきてくれました」
昆布は縁が知る色だったが、魚に関しては思っていた色とは違い色とりどりでどれが何の魚かは分からなかった。
「だろ!ご褒美くれ!」
「………」
アレンはもしかしてその為だけにあんなに頑張っていたと言うのか。
だがアレンが何を望んでいるか何となく察した為、それは帰ってからと約束し何匹か焼いて食べてみることにした。
慣れたように火を起こすジークに礼を言い、小さめ(縁には大き目) の魚を枝に突き刺すと塩をふり火の周りに置いていく。
「パチパチいってるの」
魚が焼けるいい匂いに鼻を擽られアズも待ちきれないようだ。
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骨が刺さらないにアズにも少しずつほぐしながら食べさせてやれば美味しいと笑っていた。
「美味しいですね。3人共ありがとうございます」
予想外の頑張りに感謝を述べれば、気にすんなと笑っていた。
もちろんアレン以外。
「少し休憩したら今日はもう帰りましょうか。あまり遅くなるとサッズさんが心配してしまいますからね」
お母さん気質のサッズに心配かけられないと笑えば、3人も頷きそうだなと笑っていた。
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