二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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心配おかけします。

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 お仕置きから4日。
 漸く解放された身体は生きる屍のようだった。
 動くことも出来ず身体が求めるまま眠り続ければさすがに心配した番たちに回復薬を飲まされた。
 そう、飲まされた。
 口移しで。
 3人から。
 初めての回復薬をこんな形で摂取することになろうとは。
 おかげで早々に回復できアズも安心したようだが、薬を飲ますと言いながら口の中を舐められのは納得がいかなかったが。

 「ママいたい?」

 「もう大丈夫です。なので今日はアズのお願いを聞きますよ」

 未だ心配顔でくっついてくるアズに約束のお願いを聞けば葉っぱを採りに行きたいという。

 「薬草採取ですか?他に……アズがしたいことでいいんですよ?」

 なぜ態々ギルドの仕事をしたがるのだろうか?
 この年齢ならばアレが欲しい、コレが欲しいと言うかと思えば薬草採取。
 遊びたいでも、買って欲しいでもなく薬草採取。
 ………なぜ?

 「アズもなおしたい」

 ………何を?
 頭に???と並ぶ縁にアズはさらに「なおすの!」と言ってくる。
 その誠意は伝わってくるのだが、何をなおしたいのかが分からない。

 「アンタを治したいんじゃない?」

 「え?私の頭をですか?」

 突如入り込んできたエルには驚いたが、それより話の内容に驚いてしまった。
 まさかアズにママ頭大丈夫?とか心配されたのかと思ったのだ 。

 「ちげぇーし。そんなわけないじゃん」

 呆れたようにいうエルにホッとしたが、では何を?と思えば簡単に教えてくれた。

 「帰ってきてからずっと具合が悪かったアンタの身体を心配してんでしょ……なんで分かんないかな?」

 すっかり元気になり忘れていた。
 まさかそんなにアズが気にしていてくれていたと思っておらず、慌てて大丈夫だと伝えるがアズは首を振り行くと主張するばかり。

 「行きたいって言ってんだから連れてってやればいいじゃん」

 「ん~~」

 確かにエルの言う通りではあるのだが、せっかくのアズのお願いが縁の為というのが如何なものか。
 出来れば縁がアズに何かしてあげたかったのだが。

 「アズの気持ちはとても嬉しいんですが、今日はパパたちはお仕事なのでちがうことじゃダメですか?」

 やんわりと断ろうとするが、首を振り「じゃああした」と言われてしまう。
 どうにも諦める気はないらしい。
 そこまで心配させてしまったことに反省していれば、意外にも救いの声が。

 「護衛ならオレが一緒に行こうか?」

 「いいんですか?」

 どうやらエルは今日お休みらしい。

 「別にいいよ。まぁ、アンタの番とちがって体力はないけど魔法は使えるから2人を守るぐらいならできるよ」

 それは頼もしい。
 アズにもそれでいいかと聞けば、エルを見て少し悩んでいたようだが頷き行くと言う。
 やはり諦めないアズに苦笑いしながらも、ジークたちに出かけることを伝えれば仕方がないと頷いてくれた。
 頷いてくれてはいたのだが、部屋を後にする直後エルに「2人に何かあったらただじゃおかねぇからな」と、かなり低い声が聞こえた。
 申し訳ないとエルに謝ったが、意外にもエルはけろりとしておりジークが正しいと返されてしまう。

 「そんだけアンタが大事だってことでしょ。オレがアンタにしようとしてたことを思えばむしろ安いもんだよ」

 ……そう、なのだろうか?
 確かに危ない目に合いそうにはなったが、実際はそうならずこうして一緒に仲良く暮らせているのだからエルが気にする必要はないと思うのだが。
 
 「ーーはぁ…確かに最悪なことにはなんなかったけど、それはアンタが許してくれたからでしょ。アンタが許したから番たちは諦めただけで別に許してくれたわけじゃないよ。たぶんアンタにまた何かあったらアイツらにオレ殺されると思うよ」

 「まさか」

 そんなことあるはず……と、思ったが以前見た感じからして簡単に否定することができない。

 「オレからすれば、むしろあれぐらいでアズライトと一緒に暮らせるんだからいいんだよ」

 エルがそう言うなら仕方がないと納得すると、準備をし森に向かった。

 「ママあった!」

 「本当ですね。アズは見つけるのが随分早くなりましたね」

 すごいすごいと褒めれば、えへへと嬉しそうに笑う姿がとても可愛い。

 「キュァー」

 「スノーも手伝ってくれるんですか?ありがとうございます」

 いつの間に摘んできたのかスノーの口には数本の薬草が咥えられていた。
 礼を言い頭を撫でてやれば、こちらも嬉しそうに擦り寄ってくる。

 「エルたちも回復薬って効くんですか?」

 未だ魔族というものがどういうものか分かっていないため、飲んで大丈夫なのか聞けば平気だと言われる。

 「効くには効くけど…たぶんアンタたちより効き目は薄いと思うよ。オレも何度か飲んだことあるけどそんなにハッキリ効果は感じなかったし。まぁ、オレが飲んでたのは裏で出回ってるような粗悪品だけど」

 なるほど。
 ならばアズにも効かない可能性が高い。
 アズが飲むようなことにならないよう気をつけようと思う縁であった。

 「オレたちは回復魔法が使えないけど、その代わり身体は頑丈にできてんだよね。滅多に寝込むほどの怪我にはなんないから大丈夫だと思うよ」

 身体強化に防御魔法も使えるというエルに、それはすごいと褒めれば隣で頰を膨らませる子どもの姿が。

 「……アズ?」

 「アズもやりたい」

 「えーと、魔法ですか?」

 「アズもやる」

 縁の袖を掴みやりたいと訴える姿はとても可愛く、出来れば叶えてやりたいと思うが問題がある。

 「アズがやりたいと言うのであれば止めませんが、その場合教えてもらうのはエルになりますがかまいませんか?」

 「………」

 縁は魔法を教えてやることはできない。
 そもそも使ったことがないし、使い方も知らない縁が教えることなど出来るはずもなく、教わるならエルしかいないと言えば俯き考えるアズの姿にエルも落ち込んでしまう。

 「……ママうれしい?」

 「ん?」

 「アズまほう?つかえたらママうれしい?」

 どうやら自分のためではなく、縁のために習おうとしていたらしい。
 どうしてここまで懐いてくれたのかは分からないが、そこまで縁のことを考えてくれたのは嬉しかった。

 「そうですね。それでアズが怪我をしなくなるというのであれば私はとても嬉しいです」

 「やる」

 縁のためにというアズに本当にそれでいいのか聞くが、決して揺らぐことはなくやると言うので、ならばとエルにと確認すれば二つ返事で了承された。
 頼られて嬉しいのだろう。

 「良ければ私も一緒に教えてもらっていいですか?」

 アズが頑張るというならば、出来る出来ないに関わらず縁も挑戦してみようと思ったのだった。
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