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教え子は王子様
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昔よく交番の前で学校へ行きたくないと駄々を捏ねていた子どもがいたが、今まさに縁はその気持ちがよく分かった。
行きたくない。
自分から提案したこととは言え、進んでやりたかったことではなかったため出来ることならやりたくないというのが本音だ。
今はもう周りを気にすることも、真面目に仕事に打ち込む必要はなくなったのに何故自分は今こんなことをしているのかと疑問になる。
「以前も疑問でしたが、貴方はまさか王子でありながら護衛もつけずここまで来たのですか?その格好で?」
「……はい」
はぁ~。
色々とズレているという縁でさえ、それが異常であることは分かった。
家族との、両親との仲が良くないとは知ってはいたがこれはいかがなものかと思う。
彼なりに少しは考えたのかお城で着ているであろう豪華な衣装ではなくラフな格好ではあったが、それでも見れば質が良い生地を使っているのは分かり、町にいるには品がありすぎどこかの貴族の坊ちゃんにしか見えない。
縁も人のことを言えたことではないが。
「私は貴方の親ではないのでこんなこと言うのはおかしいですが、気をつけて下さい。何かあっては遅いんですよ」
ここは日本とは違う。
いつ何時何が起こるか分からないのだ。
溜息をつきながらもそう注意すれば、何を思ったか嬉しそうに頷く王子。
少しずつ慣れていくしかないのだろう。
「では、今日はどうしますか?やりたいことがあれば出来る限り付き合いますし、話したいのであれば聞きますが」
隅に備え付けられているベンチに腰かけていた縁たちは、今日も今日とて賑やかなギルドの様子を眺めながらそう告げる。
「えっと、とくには……」
本当に縁は必要なのか?
そんな疑問が湧いたが、嬉しそうに笑う姿に何も言えなかった。
念のため性別を確認したが、やはりというか縁の予想通り男性だった。
「まさか本当にただ側にいて欲しかっただけですか?」
お金を払ってまで?
それはもはやホストではないだろうか?
「は、はいっ」
照れるように頰を赤らめる王子に絶句する。
何がどうしてこうなった!?
もはや乾いた笑いしか出ない縁に、隣に座るエルが肩を叩いてくる。
「?」
(殺す?)
だからそれはやめなさい!
手が早い(?)エルを諌めながらも王子を見れば、ニコニコと笑顔でこちらを見てくる。
怖っ!?
「そ、そうです、ね。では……貴方が良ければこの辺りを散策でもしましょうか。私たちもこちらに来て日が浅いのでまだ行ったことがない場所がたくさんあるんですよ」
「はい!お付き合いします」
ここでただ縁の隣にいられれば満足そうではあったが、それでは縁の精神がもたない。
精神的負担を減らすためにも町の散策を提案すれば嬉しそうに頷く姿に、縁は今日何度目か分からない溜息を溢すのであった。
それからエルとリック(王子が考えた名前)を連れ町中を見て回れば、知らなかったお店が多々あった。
平民が買うような小物を扱う店もあれば、貴族御用達のお高そうな店まであり、何でも鑑定してくれる店や魔道具なるものを売っている妖しい雰囲気の店もあった。
面白そうなのでどこにいても居場所が分かるという謎の首飾りをアズに買ってみた。
それなりの値段はしたが。
それから冒険者オススメの食堂で食事をしようといえば、一瞬渋っていたリックも店に入り一口食べればあまりの美味しさにがっつくことはなかったがかなりの速さで全てを平らげていた。
お城では時間が経った冷たく冷めた料理ばかりだったため出来立ての、野性味溢れる料理は育ち盛りの王子様のお気に召したらしい。
「とても美味しいですが……やはり冒険者仕様ですね。私には少々多過ぎます」
「アンタ少食だもんね」
「アレンたちと比べないで下さい。彼らが多すぎるんです」
「オレも完食できるよ?」
「………」
そう体格が変わらないエルでさえ食べられると言われてしまえば何も言い返すことができなかった。
「あの、俺が食べましょうか?残り……」
「「え?」」
まさかのまさか。
戯れる縁たちにリックの提案は2人して驚きはしたが、残すのは偲びない縁は有難くリックに皿を差し出すのだった。
それを見たエルが隣でさらに驚いてはいたが。
そんなこんなで無事食事を終え再び散策を開始すれば、小さいが店中に本が所狭しに並べられた店を見つけた。
本屋だ!と喜び足を踏み入れれば中を物色していく。
前世では読書が趣味であったためどんな本があるか気にはなっていたのだ。
「2人は読むんですか?」
「オレ勉強キラーイ」
「一応教育としていくつか読ませられました」
どうやら彼らの中で本は勉強するものらしい。
物語や絵本などたくさん面白い本がある中でそれだけとはかなり損をしている。
お土産にとアズに何冊か絵本を選ぶと暇そうにしている2人と店を後にした。
「あとはどこに行きましょうか?そちらの店はーーあ、教会ってこんな所にあったんですね」
町外れのかなり奥ばったそこに教会はあった。
すっかり忘れていたが、ふと頭に浮かんだ小年2人の姿に縁は苦笑いを浮かべるのであった。
行きたくない。
自分から提案したこととは言え、進んでやりたかったことではなかったため出来ることならやりたくないというのが本音だ。
今はもう周りを気にすることも、真面目に仕事に打ち込む必要はなくなったのに何故自分は今こんなことをしているのかと疑問になる。
「以前も疑問でしたが、貴方はまさか王子でありながら護衛もつけずここまで来たのですか?その格好で?」
「……はい」
はぁ~。
色々とズレているという縁でさえ、それが異常であることは分かった。
家族との、両親との仲が良くないとは知ってはいたがこれはいかがなものかと思う。
彼なりに少しは考えたのかお城で着ているであろう豪華な衣装ではなくラフな格好ではあったが、それでも見れば質が良い生地を使っているのは分かり、町にいるには品がありすぎどこかの貴族の坊ちゃんにしか見えない。
縁も人のことを言えたことではないが。
「私は貴方の親ではないのでこんなこと言うのはおかしいですが、気をつけて下さい。何かあっては遅いんですよ」
ここは日本とは違う。
いつ何時何が起こるか分からないのだ。
溜息をつきながらもそう注意すれば、何を思ったか嬉しそうに頷く王子。
少しずつ慣れていくしかないのだろう。
「では、今日はどうしますか?やりたいことがあれば出来る限り付き合いますし、話したいのであれば聞きますが」
隅に備え付けられているベンチに腰かけていた縁たちは、今日も今日とて賑やかなギルドの様子を眺めながらそう告げる。
「えっと、とくには……」
本当に縁は必要なのか?
そんな疑問が湧いたが、嬉しそうに笑う姿に何も言えなかった。
念のため性別を確認したが、やはりというか縁の予想通り男性だった。
「まさか本当にただ側にいて欲しかっただけですか?」
お金を払ってまで?
それはもはやホストではないだろうか?
「は、はいっ」
照れるように頰を赤らめる王子に絶句する。
何がどうしてこうなった!?
もはや乾いた笑いしか出ない縁に、隣に座るエルが肩を叩いてくる。
「?」
(殺す?)
だからそれはやめなさい!
手が早い(?)エルを諌めながらも王子を見れば、ニコニコと笑顔でこちらを見てくる。
怖っ!?
「そ、そうです、ね。では……貴方が良ければこの辺りを散策でもしましょうか。私たちもこちらに来て日が浅いのでまだ行ったことがない場所がたくさんあるんですよ」
「はい!お付き合いします」
ここでただ縁の隣にいられれば満足そうではあったが、それでは縁の精神がもたない。
精神的負担を減らすためにも町の散策を提案すれば嬉しそうに頷く姿に、縁は今日何度目か分からない溜息を溢すのであった。
それからエルとリック(王子が考えた名前)を連れ町中を見て回れば、知らなかったお店が多々あった。
平民が買うような小物を扱う店もあれば、貴族御用達のお高そうな店まであり、何でも鑑定してくれる店や魔道具なるものを売っている妖しい雰囲気の店もあった。
面白そうなのでどこにいても居場所が分かるという謎の首飾りをアズに買ってみた。
それなりの値段はしたが。
それから冒険者オススメの食堂で食事をしようといえば、一瞬渋っていたリックも店に入り一口食べればあまりの美味しさにがっつくことはなかったがかなりの速さで全てを平らげていた。
お城では時間が経った冷たく冷めた料理ばかりだったため出来立ての、野性味溢れる料理は育ち盛りの王子様のお気に召したらしい。
「とても美味しいですが……やはり冒険者仕様ですね。私には少々多過ぎます」
「アンタ少食だもんね」
「アレンたちと比べないで下さい。彼らが多すぎるんです」
「オレも完食できるよ?」
「………」
そう体格が変わらないエルでさえ食べられると言われてしまえば何も言い返すことができなかった。
「あの、俺が食べましょうか?残り……」
「「え?」」
まさかのまさか。
戯れる縁たちにリックの提案は2人して驚きはしたが、残すのは偲びない縁は有難くリックに皿を差し出すのだった。
それを見たエルが隣でさらに驚いてはいたが。
そんなこんなで無事食事を終え再び散策を開始すれば、小さいが店中に本が所狭しに並べられた店を見つけた。
本屋だ!と喜び足を踏み入れれば中を物色していく。
前世では読書が趣味であったためどんな本があるか気にはなっていたのだ。
「2人は読むんですか?」
「オレ勉強キラーイ」
「一応教育としていくつか読ませられました」
どうやら彼らの中で本は勉強するものらしい。
物語や絵本などたくさん面白い本がある中でそれだけとはかなり損をしている。
お土産にとアズに何冊か絵本を選ぶと暇そうにしている2人と店を後にした。
「あとはどこに行きましょうか?そちらの店はーーあ、教会ってこんな所にあったんですね」
町外れのかなり奥ばったそこに教会はあった。
すっかり忘れていたが、ふと頭に浮かんだ小年2人の姿に縁は苦笑いを浮かべるのであった。
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