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初めての挑戦
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結局あれから数日寝込んでいた縁だったが、まだ少し怠さが残るものの普段通り動けるようになっていた。
「お待たせしました。では今日は何をしますか?」
約束の依頼日にギルドへ顔を出せば、いつも通り縁を待つ少年が1人隅で落ち着きなくキョロキョロとしながら待っていた。
何も知らぬ冒険者たちは不審げに見、理由を知っている職員たちはどこか複雑そうな顔で見ていた。
依頼者としては大歓迎だが、それがみんなのお気に入りである縁相手ということで何か無体なことはしないだろうかと心配しているのだ。
「えーと、あの、その子は…」
「ん?あぁ、ちゃんと紹介するのは初めてですね。何度か会っているとは思いますが私の子どもでアズライトと言います。今日はこの子も一緒に行動しますのでよろしくお願いします」
「子ども?え?でも、首輪が……」
「もちろん私の本当の子ではありません。元は奴隷の子なので首輪は連れ去られる心配を考慮してですが、もう私の大切な家族なのでそのつもりで」
どうやら心を入れ替えたようだが、またいつ以前のようにアズたちを貶すか分からないため警告だけはしておく。
「……分かり、ました。よろしくお願いします」
何を思ったのかアズをジッと見つめるリックに、縁を守るように抱きついていたアズは怯えて後ろに隠れてしまった。
「オレの弟に何か用?」
その瞬間、エルが守るように前に出る。
「弟?ということは兄弟、なんですか?」
「だったら何?」
どんどん不機嫌になるエルにこのままではまずいと何とか宥めると、今日はどうするか相談する。
「やりたいことがないなら私のしたいことでも構いませんか?」
いくら待っても何も言わないリックに、ではしたいことをしていいかと聞けば頷き了承を得る。
「では薬草採取の依頼を受けたいので冒険者登録してきて下さい」
「え?」
何をしていても構わないのならアズたちの今後の為にも依頼を受けておきたい。
お金に困ることはないが、やはり何事も経験が必要なこともあり、それに加え稼げるといのであればやっておいて損はない。
なのでそんな縁たちについてくるというのであれば、彼にも社会勉強としてやらせてみようと思ったのだ。
「あの、でも……」
グズグズするなと引っ張っていくと、受付の男性に登録を頼む。
「申し訳ないんですが、王子にそんなことさせることは…」
「問題ありません。今のこの子はリックという一般人です。登録お願いします」
「……冒険者は自己責任になります。依頼中に怪我など何かあっても私共は責任を取れませんが構いませんね」
譲る気のない縁に折れた職員が、あくまでリックとして、一庶民としてならと許可してくれた。
後でギルドマスターにも報告するというのでお願いし、さっさと登録を済ませるといつも通り依頼を受け森に向かう。
「私が冒険者…」
「いい機会ですから貴方もやってみればいい。ただお城にいて無駄に過ごすより、自己満足でも誰かの役に立つ仕事の1つでもやってみるのもいい経験です」
戸惑うリックにはいと籠を渡すと、縁たちはいつも通り薬草を採っていく。
まだ警戒し縁にぴったりとくっつきながらもアズも薬草を見つけては嬉しそうに薬草を集めていく。
「エルは回復薬の作り方って分かりますか?」
「知らない。あれってそういう能力がないとダメだった気ぃするけど」
「そうなんですか?じゃあ私にも無理ですかねぇ」
機会があれば自分でも作ってみたいとは思っていたが、作れる人間にも決まりがあるならば諦めるしかないだろう。
「リックは知ってま…お?ちゃんと薬草の区別ついてるんですね」
「昔読んだ本に載っていたので。その、いつ毒を盛られても分かるようにと」
やはり王子という立場から命を狙われることも多々あるのだろう。
ならばここでこんなことしてていいのかとも思うが、本人の意思ならば問題ないだろうと開き直る。
「そうですか。なら、そのおかげで自分の身を守りつつ、その知識で他の誰かを守ることもできるってことですね」
「え?……あ、そっか」
何も今まで学んだことは全てが全て自分のためだけではない。
毒の危険性を学び、対処法を学べばそれを自分に使える上に誰かが助けを求めた時に手を貸すこともできるのだ。
それが分かったならば大丈夫だろうと、再び手を動かせば皆黙々と作業を続けるのであった。
「こんなものですかね。あとはエルが帰ってくるのをまってーー」
「ただいまぁ~」
タイミングよく帰ってきたエルの手には数匹のうさぎがぶら下がっていた。
「お帰りなさい。大変だったでしょう?ありがとうございます」
今日は森に来ていることから、町ではなく外で食べようということになったのだ。
狩りが上手いというエルに肉は任せ、縁たちは簡単に果物や木の実などを集めていた。
「これくらい朝飯前!ちょっと待ってて、すぐ捌くから」
魚とは違い、動物を捌いたことはないため素直にエルに任せると焼くための火を起こしていく。
習ったばかりの魔法に嬉しくなりながらも準備し終えると、エルが捌いてくれた一口サイズの肉に串を刺し塩胡椒をして焼いていく。
持ってきた片手鍋にはアズに水を出してもらい湯を沸かすと、持っていたキノコ(安全なもの)や肉を入れていき塩などで味付けし簡単なスープにした。
「あとはパンに、飲み水はアズに出してもらってーーうん、完成です。みんなでいただきましょう」
キャンプのようで縁には問題ないが、王子であるリックにはどうだろうと隣を見れば、驚いたような顔をした後ハフハフと美味しそうに焼いたお肉にかぶりついていた。
これならば問題ないだろうと縁もあまりない食欲に苦労しながらも、何とか食べ終えるのであった。
「お待たせしました。では今日は何をしますか?」
約束の依頼日にギルドへ顔を出せば、いつも通り縁を待つ少年が1人隅で落ち着きなくキョロキョロとしながら待っていた。
何も知らぬ冒険者たちは不審げに見、理由を知っている職員たちはどこか複雑そうな顔で見ていた。
依頼者としては大歓迎だが、それがみんなのお気に入りである縁相手ということで何か無体なことはしないだろうかと心配しているのだ。
「えーと、あの、その子は…」
「ん?あぁ、ちゃんと紹介するのは初めてですね。何度か会っているとは思いますが私の子どもでアズライトと言います。今日はこの子も一緒に行動しますのでよろしくお願いします」
「子ども?え?でも、首輪が……」
「もちろん私の本当の子ではありません。元は奴隷の子なので首輪は連れ去られる心配を考慮してですが、もう私の大切な家族なのでそのつもりで」
どうやら心を入れ替えたようだが、またいつ以前のようにアズたちを貶すか分からないため警告だけはしておく。
「……分かり、ました。よろしくお願いします」
何を思ったのかアズをジッと見つめるリックに、縁を守るように抱きついていたアズは怯えて後ろに隠れてしまった。
「オレの弟に何か用?」
その瞬間、エルが守るように前に出る。
「弟?ということは兄弟、なんですか?」
「だったら何?」
どんどん不機嫌になるエルにこのままではまずいと何とか宥めると、今日はどうするか相談する。
「やりたいことがないなら私のしたいことでも構いませんか?」
いくら待っても何も言わないリックに、ではしたいことをしていいかと聞けば頷き了承を得る。
「では薬草採取の依頼を受けたいので冒険者登録してきて下さい」
「え?」
何をしていても構わないのならアズたちの今後の為にも依頼を受けておきたい。
お金に困ることはないが、やはり何事も経験が必要なこともあり、それに加え稼げるといのであればやっておいて損はない。
なのでそんな縁たちについてくるというのであれば、彼にも社会勉強としてやらせてみようと思ったのだ。
「あの、でも……」
グズグズするなと引っ張っていくと、受付の男性に登録を頼む。
「申し訳ないんですが、王子にそんなことさせることは…」
「問題ありません。今のこの子はリックという一般人です。登録お願いします」
「……冒険者は自己責任になります。依頼中に怪我など何かあっても私共は責任を取れませんが構いませんね」
譲る気のない縁に折れた職員が、あくまでリックとして、一庶民としてならと許可してくれた。
後でギルドマスターにも報告するというのでお願いし、さっさと登録を済ませるといつも通り依頼を受け森に向かう。
「私が冒険者…」
「いい機会ですから貴方もやってみればいい。ただお城にいて無駄に過ごすより、自己満足でも誰かの役に立つ仕事の1つでもやってみるのもいい経験です」
戸惑うリックにはいと籠を渡すと、縁たちはいつも通り薬草を採っていく。
まだ警戒し縁にぴったりとくっつきながらもアズも薬草を見つけては嬉しそうに薬草を集めていく。
「エルは回復薬の作り方って分かりますか?」
「知らない。あれってそういう能力がないとダメだった気ぃするけど」
「そうなんですか?じゃあ私にも無理ですかねぇ」
機会があれば自分でも作ってみたいとは思っていたが、作れる人間にも決まりがあるならば諦めるしかないだろう。
「リックは知ってま…お?ちゃんと薬草の区別ついてるんですね」
「昔読んだ本に載っていたので。その、いつ毒を盛られても分かるようにと」
やはり王子という立場から命を狙われることも多々あるのだろう。
ならばここでこんなことしてていいのかとも思うが、本人の意思ならば問題ないだろうと開き直る。
「そうですか。なら、そのおかげで自分の身を守りつつ、その知識で他の誰かを守ることもできるってことですね」
「え?……あ、そっか」
何も今まで学んだことは全てが全て自分のためだけではない。
毒の危険性を学び、対処法を学べばそれを自分に使える上に誰かが助けを求めた時に手を貸すこともできるのだ。
それが分かったならば大丈夫だろうと、再び手を動かせば皆黙々と作業を続けるのであった。
「こんなものですかね。あとはエルが帰ってくるのをまってーー」
「ただいまぁ~」
タイミングよく帰ってきたエルの手には数匹のうさぎがぶら下がっていた。
「お帰りなさい。大変だったでしょう?ありがとうございます」
今日は森に来ていることから、町ではなく外で食べようということになったのだ。
狩りが上手いというエルに肉は任せ、縁たちは簡単に果物や木の実などを集めていた。
「これくらい朝飯前!ちょっと待ってて、すぐ捌くから」
魚とは違い、動物を捌いたことはないため素直にエルに任せると焼くための火を起こしていく。
習ったばかりの魔法に嬉しくなりながらも準備し終えると、エルが捌いてくれた一口サイズの肉に串を刺し塩胡椒をして焼いていく。
持ってきた片手鍋にはアズに水を出してもらい湯を沸かすと、持っていたキノコ(安全なもの)や肉を入れていき塩などで味付けし簡単なスープにした。
「あとはパンに、飲み水はアズに出してもらってーーうん、完成です。みんなでいただきましょう」
キャンプのようで縁には問題ないが、王子であるリックにはどうだろうと隣を見れば、驚いたような顔をした後ハフハフと美味しそうに焼いたお肉にかぶりついていた。
これならば問題ないだろうと縁もあまりない食欲に苦労しながらも、何とか食べ終えるのであった。
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