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食事を終え、後片付けを済ませると集めた薬草を手にギルドへ戻った。
「無事なようで安心しました。こちらが報酬です。あと、申し訳ないですがギルマスからお話しがしたいということなのでよろしいでしょうか?」
やはりというか、縁も無茶を通した自覚はあるので素直に頷くと、先にリックに挨拶し報酬の3分の1を渡した。
「これは今日貴方が頑張ったことへの報酬です。少ないですが、これは貴方が自分で働き自分で稼いだお金です。親からでも、国からでもない。正真正銘貴方が頑張って働いた報酬なので大切に使って下さいね」
「あ、はい……ありがとうございます」
王子である彼にとってお小遣いにもならない微々たるものだが、初めて自分で稼いだことを考えれば少しでも喜んでもらえたら嬉しい。
呆然とするリックに別れを告げギルマスの執務室だろう、部屋に通された縁たちは久しぶりの再会を果たす。
「お久しぶりです。今日は急に申し訳ありませんでした」
「ほんとにね。アンタの頼みじゃなきゃ聞いてないよ」
「君の頼みなら何でも聞くよ」
てっきり怒られるかと思っていたのだが、意外にも許してもらえたらしい。
「まぁ、最初聞いた時はかなり驚いたさね。あの王子があんなにアンタに懐いただけでも驚きなのに、その上冒険者にしようなんてね」
「本当だよ。どんな魔法を使ったんだい?」
やはり元々の性格を知る彼らも驚いていたらしい。
「とくに何も。ちょっとお説教はしてあげましたが」
何もしてないアレンたち大切な家族を貶されたのだ。
あまり自分からは喧嘩を買うことはしないが、許すことが出来ず少々小言を言わせてもらった。
「あはははははっ、アンタ仮にも王子に説教って。ほんと最高だよアンタ」
「流石私たちの孫だね。そんな良い子には飴をあげましょう」
「いえ、結構です」
もう完全に孫認定されてしまったようだ。
本人は全く認めていないのに。
「えーと、それで、勝手に王子を冒険者にしたことを怒ってないなら何故私は呼ばれたんでしょうか?」
むしろ褒められてしまった縁は訳が分からない。
「あぁ、それは私が君に会いたかっただけだよ」
「は?」
あまりにもあまりな理由に縁だけでなく入り口に控えていたエルまで驚き口を開けている。
「この前は色々あってゆっくり話せなかったからね。今日はちょうどいいから一緒にお茶でもどうかなって」
何が丁度よく、何を話す気なのか。
面倒くさい雰囲気に都合が悪いと帰ろうとするが、いつの間に用意したのか人数分の椅子に飲み物まであり、逃げられないようにか奥の席を薦められる。
「さ、座って座って。大丈夫、その子のためにも椅子を用意したから。エニシくんの隣に並べておくね」
「「………」」
もう座るしかないようだ。
仕方ないと諦め溜息をつくと、エルに頷き言われるがまま席につく。
まだ小さいアズのために用意された椅子は、いつの間に測ったんだと言うほどに身長バッチリの高さであった。
「それで、お話しとは?」
「うん?別に何でもいいよ。好きな食べ物でも、休みには何をしてるかでも」
……正気だろうか?
何故まだ会って間もない相手に部屋に閉じ込められ、そんなお見合いのような会話をしなくてはいけないのか。
別に2人を信用してないわけではないし、悪い人間だとも思わないが何だかなぁ~という気はする。
「このジジイのことは気にしなくていいよ。私はただ本当に一緒に茶をしたかっただけなんだよ」
うーん。
縁とて本当にお茶するだけなら茶飲み友達ができたと喜びたいところだが。
「ひどいなぁ、私も仲間に入れてよ。(ふふっ、大好きな奥さんと可愛い孫に囲まれてお茶なんて夢のようだ)」
「(ちょっと、この人マジ怖いんだけど!)」
ふふ、ふふふっと不気味に笑うジンにエルが震えている。
こわいっ!!
「そこのバカはほっときな。それよりアンタいつまで薬草採取ばかり受けてるんだい?他にもあるんだから色々受けないとランクは上がんないよ」
「うーん、そうですね。ですが、私でも出来るものってそんなになくて…それにこの子も薬草採取を楽しんでいるようなのでいいかなって思ってました」
確かに生活に困っているのならば焦る事柄だが、縁にはそんな心配もなくアズたちが楽しそうならばそれでいいかと思っている。
「そうさねぇ。確かに子ども連れに難しい依頼ばかりだが……あー、アンタにやる気があるなら私からも依頼があるんだが」
「何ですか?」
言いづらそうなマーガレットに首を傾げれば、ある一枚の紙を渡された。
「回復薬作成助手求む?」
何だそれ?と思ったが、よく見れば依頼主のところに見覚えがある名前が。
「この方、前に私に指名依頼出してくださった方ですよね?」
「あぁ、私らの昔からの友人なんだよ。アンタのことがかなり気に入ったらしくてね。会わせろとか言ってうるさかったんだけど、アンタそんなに頻繁にギルドに来ないだろ?予定も合わずで待ち切れずにこんな依頼さ」
そんなバカな。
その言い方ではただ縁に会ってみたくてそんな依頼出したかのように聞こえる。
何故こちらの世界の人たちは縁にホスト的な役割を求めるのだろうか。
「ここのギルドマスターとしては受けてもらえれば嬉しいが…まぁ、なんだ、その、ヤツは性格が少し変わってるっていうか、面倒くさいというか、うるさいというか…つまりあんまり薦められた性格じゃないから受けるならちょっと覚悟を決めてからにしたほうがいい」
そんな相手確かに昔馴染みでもない限り付き合っていくのは難しいだろう。
どうしたものかと考える縁であった。
アズですか?
話し合いが詰まらなかったのか、動いて疲れたのか、話の途中で船を漕ぎ始めたので私の膝でお休み中です。
「無事なようで安心しました。こちらが報酬です。あと、申し訳ないですがギルマスからお話しがしたいということなのでよろしいでしょうか?」
やはりというか、縁も無茶を通した自覚はあるので素直に頷くと、先にリックに挨拶し報酬の3分の1を渡した。
「これは今日貴方が頑張ったことへの報酬です。少ないですが、これは貴方が自分で働き自分で稼いだお金です。親からでも、国からでもない。正真正銘貴方が頑張って働いた報酬なので大切に使って下さいね」
「あ、はい……ありがとうございます」
王子である彼にとってお小遣いにもならない微々たるものだが、初めて自分で稼いだことを考えれば少しでも喜んでもらえたら嬉しい。
呆然とするリックに別れを告げギルマスの執務室だろう、部屋に通された縁たちは久しぶりの再会を果たす。
「お久しぶりです。今日は急に申し訳ありませんでした」
「ほんとにね。アンタの頼みじゃなきゃ聞いてないよ」
「君の頼みなら何でも聞くよ」
てっきり怒られるかと思っていたのだが、意外にも許してもらえたらしい。
「まぁ、最初聞いた時はかなり驚いたさね。あの王子があんなにアンタに懐いただけでも驚きなのに、その上冒険者にしようなんてね」
「本当だよ。どんな魔法を使ったんだい?」
やはり元々の性格を知る彼らも驚いていたらしい。
「とくに何も。ちょっとお説教はしてあげましたが」
何もしてないアレンたち大切な家族を貶されたのだ。
あまり自分からは喧嘩を買うことはしないが、許すことが出来ず少々小言を言わせてもらった。
「あはははははっ、アンタ仮にも王子に説教って。ほんと最高だよアンタ」
「流石私たちの孫だね。そんな良い子には飴をあげましょう」
「いえ、結構です」
もう完全に孫認定されてしまったようだ。
本人は全く認めていないのに。
「えーと、それで、勝手に王子を冒険者にしたことを怒ってないなら何故私は呼ばれたんでしょうか?」
むしろ褒められてしまった縁は訳が分からない。
「あぁ、それは私が君に会いたかっただけだよ」
「は?」
あまりにもあまりな理由に縁だけでなく入り口に控えていたエルまで驚き口を開けている。
「この前は色々あってゆっくり話せなかったからね。今日はちょうどいいから一緒にお茶でもどうかなって」
何が丁度よく、何を話す気なのか。
面倒くさい雰囲気に都合が悪いと帰ろうとするが、いつの間に用意したのか人数分の椅子に飲み物まであり、逃げられないようにか奥の席を薦められる。
「さ、座って座って。大丈夫、その子のためにも椅子を用意したから。エニシくんの隣に並べておくね」
「「………」」
もう座るしかないようだ。
仕方ないと諦め溜息をつくと、エルに頷き言われるがまま席につく。
まだ小さいアズのために用意された椅子は、いつの間に測ったんだと言うほどに身長バッチリの高さであった。
「それで、お話しとは?」
「うん?別に何でもいいよ。好きな食べ物でも、休みには何をしてるかでも」
……正気だろうか?
何故まだ会って間もない相手に部屋に閉じ込められ、そんなお見合いのような会話をしなくてはいけないのか。
別に2人を信用してないわけではないし、悪い人間だとも思わないが何だかなぁ~という気はする。
「このジジイのことは気にしなくていいよ。私はただ本当に一緒に茶をしたかっただけなんだよ」
うーん。
縁とて本当にお茶するだけなら茶飲み友達ができたと喜びたいところだが。
「ひどいなぁ、私も仲間に入れてよ。(ふふっ、大好きな奥さんと可愛い孫に囲まれてお茶なんて夢のようだ)」
「(ちょっと、この人マジ怖いんだけど!)」
ふふ、ふふふっと不気味に笑うジンにエルが震えている。
こわいっ!!
「そこのバカはほっときな。それよりアンタいつまで薬草採取ばかり受けてるんだい?他にもあるんだから色々受けないとランクは上がんないよ」
「うーん、そうですね。ですが、私でも出来るものってそんなになくて…それにこの子も薬草採取を楽しんでいるようなのでいいかなって思ってました」
確かに生活に困っているのならば焦る事柄だが、縁にはそんな心配もなくアズたちが楽しそうならばそれでいいかと思っている。
「そうさねぇ。確かに子ども連れに難しい依頼ばかりだが……あー、アンタにやる気があるなら私からも依頼があるんだが」
「何ですか?」
言いづらそうなマーガレットに首を傾げれば、ある一枚の紙を渡された。
「回復薬作成助手求む?」
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そんなバカな。
その言い方ではただ縁に会ってみたくてそんな依頼出したかのように聞こえる。
何故こちらの世界の人たちは縁にホスト的な役割を求めるのだろうか。
「ここのギルドマスターとしては受けてもらえれば嬉しいが…まぁ、なんだ、その、ヤツは性格が少し変わってるっていうか、面倒くさいというか、うるさいというか…つまりあんまり薦められた性格じゃないから受けるならちょっと覚悟を決めてからにしたほうがいい」
そんな相手確かに昔馴染みでもない限り付き合っていくのは難しいだろう。
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