二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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大丈夫

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 それからリックとはそこで別れ、縁たちは教会に向かった。
 彼らに報告しなければと思ったのだ。
 神父に挨拶し祈りをさせてもらえば懐かしい白い世界に懐かしさが芽生える。

 「こんにちは神さま、こんにちはアルくん」

 待っていてくれたのだろう。
 縁が挨拶した途端駆け寄ってきた2人を抱きしめてやれば嬉しそうに笑ってくれる。

 「縁さん久しぶり」

 「お久しぶりです、縁さん」

 「お久しぶりです。約束通りお茶をしにきました」

 「お任せ下さい。準備万端です」

 2人に手を引かれ席につけば、予め用意しておいてくれたのだろう。
 懐かしい緑茶に、大福やお煎餅など明らかに縁のために用意してくれているのが一目でわかる。

 「ありがとうございます、とても嬉しいです。実は今日少しお話しがあって来たんです」

 神さまというぐらいなのだから知られている可能性はあったが、それでもちゃんと会って話したかったのだ。
 こうして今、幸せを感じられているのも2人のおかげなのだから。

 「赤ちゃんが出来ました。分からないことだらけですが、頑張って育てていこうと思います」

 「おめでとうございます。縁さんの子ならばさぞ可愛いでしょう。産まれたら抱っこさせて下さい」

 「ありがとうアルくん。ぜひお願いします。それで……」

 祝福してくれるアルの隣では落ち込んでいるのか、俯く少年の姿に首を傾げる。

 「もしかして……その、気持ち悪いですか?男性が妊娠などとおかしーー」

 「ちがう、ちがうもん!赤ちゃん嬉しいもん。けど、けど~~」

 何か言いたいことがあるのだろうと膝を叩けば、アルの様子を伺いながらも近寄ってくる。
 お腹の赤ちゃんを気にしているのか、そのまま立ち止まってしまったたため抱えて膝に乗せてやれば気遣いながらも嬉しそうに抱きついてきた。

 「どうしました?こうして私が幸せなのは2人のお陰なので何かあるなら教えて下さい。私に出来ることなら力になりますから」

 「ゔーーー」

 唸り声を上げるだけで何も言わない様子に、助けを求めアルを見れば呆れた顔を隠しもせずこちらを見ていた。
 正しくは縁の膝の上の存在を。

 「そんなバカ放っておいて構いませんよ。ただ貴方を他の人に取られるのが嫌なんです。ほら、いつまでくっついてるんですか!いつまでもそんな子どもみたいなこと言ってないで離れなさい!」

 「やだ~~~ぐぇっ」

 なかなか離れない様子に強行手段に出ることにしたのか、襟首を掴まれ神さまがまさかの蛙のような声を上げた。
 流石に不味かろうとアルを止めると、用意してくれたお菓子を仲良く味わう。
 もう味わうことができないと思っていたものばかりで嬉しく、アルには感謝しかない。

 「美味しいですねぇ。そういえば、あちらでは醤油が見当たらなかったんですがないんですかね?」

 流石に醤油の作り方を知るはずもなく、日本では当たり前だった調味料が恋しい。
 
 「あると言えばありますが、縁さんが住んでいる場所からは少々離れていますね。北の方にある国なのですが……今は国内でゴタゴタが起きているようで危ないので出来れば近寄らないでくれると嬉しいです」

 ゴタゴタとは?
 アルを見れば縁の疑問が分かったようで、簡単ではあるが跡目争いとだけ教えてくれた。
 国を動かすほどとなれば王族の間の話しだろうと、関係のない縁は近寄らないにしようと思った。

 「あと、あー、その……貴方たちにこんなこと聞くのはあれなんですが…妊娠期間ってどれくらいか分かりますか?あまり長いようなら、その、アレンたちの発情期に引っかかってしまうのですが」

 セインはまだ落ち着いているようだが、アレンに関してはどうすることも出来ず、シテはダメということはないだろうが、あの激しさには流石にお腹の子が心配だったのだ。
 年齢は縁とは前世をプラスしてもかなり上だとは分かっているが、その見た目からこんなこと子どもに聞いていいことなのかと戸惑ってしまう。

 「そうですね。人間であれば日本といた時とそう変わりません。ですが、獣人であるとしたら少々変わります。そもそも発情期があることを考えれば分かると思いますが、獣の種類によっては発情期の間隔が短ったりするのでそれを補うためにも獣人の妊娠期間は人間に比べてかなり短いです」

 人間ならば十月十日。
 しかし獣人ならば早くて6ヶ月。
 ある程度育ってから産む人間とは違い、獣人によっては大型の者もいるためなるべく小さく産んで大きく育てる。

 「どちらにしても妊娠と被ってしまえば我慢して乗りきるしかありませんが、その子の父親でしたら大丈夫です。子がいることから子を残そうという本能が薄くなるので少し、その……ムラムラするな、程度です」

 「ならば問題はアレンですか。我慢できますかねぇ」

 「ムリだね」
 「無理でしょう」

 やはりか。
 何故2人がアレンのことを知っているかはさておき、辛く苦しい発情期を我慢させるのは何とも忍びない。
 だがお腹の子のことを思えばそうも言ってはいられないだろう。

 「………縁さん」

 考え込む縁にふと、膝の上の神さまが恥ずかしそうに目線を彷徨わせながら縁の裾を掴んでくる。
 どうしたのかと聞けばお願いがあるらしく、その内容を聞いた縁は嬉しさに笑顔しか浮かばなかったのだった。

 
 
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