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あぁ、やばい
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空気も読まず貼り付けてくる女に、縁がいなきゃ殺してたなと思った。
「この女バカなの?」
我慢出来なかったのかポツリと呟いたエルに大きく頷く。
「今ならあいつもいないわ。逃げるなら今よ!」
「ア、アリー、お前……」
さすがに仲間もまずいと思ったのか止めに入ろうとするが、空気が読めない女は尚もアレンに抱きつき行こうと手を引いてくる。
「ほら早く!もうあんなやつの言うこと聞かなくていいのよ。きっとあいつに騙されたんでしょ?男が番なんて気持ち悪いっ、番を探してるなら私がーー」
「お前死ねよ」
「きゃっ、う、くぅ」
巻きつく腕を振り払うと首を鷲掴み持ち上げる。
足がつかず苦しさにバタついているが離してやろうとは思わない。
「ア、アリー!」
「お前の娘か?なら分かるだろ。人の番を貶したんだ。生きて返すわけにはいかない」
獣人は一度この人と決めたならばその相手を一生かけて愛する。
それが人間だろうと、男であろうと番と決めたならば周りが何も言うことは出来ない。
番をバカにすることはその相手をバカにすることであり、その存在を否定することだ。
縁を否定することは縁を番にしたアレンをも否定することであり、愛する番を貶されて黙っているわけがない。
「大人しくしてれば縁の言うとおり逃がしてやったのにな」
「た、頼む助けやってくれ!」
「オレが?なんで?」
苦しむ娘の姿に男がエルに助けを求めるが、大切な家族である縁を否定されたのだ。
助けるわけがない。
むしろ早くヤレとばかりに笑っている。
「頼む!大事な娘なんだ。お願いだからーー」
「俺はその娘に大事な番を殺されそうになったぞ」
「そ、それはそうだが……ほ、本当に悪かった。頼むから娘だけは助けてくれ」
「だけ?なら他は死んでもいいの?」
煽るようにエルが笑えば、仲間たちは慌てたように男を責め立てる。
もはや仲間ですらなくなった男たちに呆れ果てる。
よく今まで無事にやってこれたものだ。
「ーーはぁ、約束を守れるなら逃してやるよ」
「逃してやんの?」
不服そうなエルにその内自爆すんだろと言ってやれば、男たちを見て納得したのかなるほどと頷いている。
娘を助けるためとはいえ、仲間を見捨てようとしてのだ。
今後一緒に暮らしていけるわけがなく、この空気が読めない娘が仲間に謝るとも思えない。
親子2人仲間に見捨てられ、人間に追われながら森で暮らしていくには厳しいだろう。
手を離してやれば咳き込む女を睨みつける。
「2度とここへは近づくな。姿どころか声がした時点で殺しにいく」
「そのバカ女ももう見たくないしね」
「ゲホ、ゲホッ、わ、わたしはあなたのたーー」
「もう殺そうよ」
「アリー!黙りなさい!」
反省の様子のない女にエルが脅し(本当は殺したい)をかければ焦ったように男が止める。
「なんでよ!私の方があんなヤツよりーーきゃあっ!」
「2度は言わねぇぞ。お前みたいな自分勝手なブサイクな女俺は番にしたいとは思わねぇ。勝手な勘違いで俺の番を殺そうとしたんだ。次その顔見せたら……殺す」
「ひっ」
髪を引っ掴み地面に押さえつけると、やっと理解したのか震えながらコクコクと頷く。
もう見るも嫌だと手を離すと後処理はエルに任せ、縁を迎えに行くことした。
「スノーと一緒にちゃんと見張っててよ」
エルもやはり縁が心配だったらしく、了解と手を振り中に向かう。
「おかえりなさい。……やはりダメでしたか」
1人戻ってきたアレンに苦笑いする。
相手の出方次第では縁はきっと許す気だったのだろう。
先に抜けたのもきっと人間である自分がいると彼らが話しにくいと思ってのことだ。
「当たり前だろ。縁に手を出した時点で俺も、エルだって許す気なんかないよ」
「そう、ですか。もしかしたらと思ったんですが、ダメなら仕方ないですね」
いったいどこまで優しいのか。
縁からすればアレンたちと同じ獣人である彼らを何とか助けたかったのだろう。
アレンだって状況が違えばそうしていたかもしれない。
だが縁に刃を向けた時点でそれもなくなった。
「ほんとは殺したかったけどな」
「我慢してくれたんですね。大変なことを頼んでごめんなさい」
そっと抱き寄せられれば縁の温もりにホッとする。
もしかしたら止まっていたかもしれない鼓動を感じ、力が抜けた。
「縁が死んだら俺も死ぬ」
「出来れば生きていて欲しいんですが…仕方ないですね」
絶対に止めると思っていたため驚いた。
「いいのか?」
自分で言っておいてなんだが、縁が許してくれるとは思っていなかった。
「止めたところでアレンは聞かないでしょう?それに…私も1人は寂しいですからね。アレンならきっと死んでもあの世で私を見つけてくれそうです」
「はは、任せとけ」
きっと見つけてみせる。
死んでも縁のそばを離れてやるものか。
誰よりアレンを信じ、誰よりアレンを愛してくれる。
死んでも尚一緒にいたいと言ってくれる番がどれほどいることか。
「でも出来れば長生きして下さい。私も頑張りますから」
「分かってる。最期までずっと一緒だ」
本当は生きて欲しいと思っているだろうに、それでもアレンのことを考え後追いしてもいいと言う。
これほど最高の番に出会えたことに感謝するアレンであった。
「この女バカなの?」
我慢出来なかったのかポツリと呟いたエルに大きく頷く。
「今ならあいつもいないわ。逃げるなら今よ!」
「ア、アリー、お前……」
さすがに仲間もまずいと思ったのか止めに入ろうとするが、空気が読めない女は尚もアレンに抱きつき行こうと手を引いてくる。
「ほら早く!もうあんなやつの言うこと聞かなくていいのよ。きっとあいつに騙されたんでしょ?男が番なんて気持ち悪いっ、番を探してるなら私がーー」
「お前死ねよ」
「きゃっ、う、くぅ」
巻きつく腕を振り払うと首を鷲掴み持ち上げる。
足がつかず苦しさにバタついているが離してやろうとは思わない。
「ア、アリー!」
「お前の娘か?なら分かるだろ。人の番を貶したんだ。生きて返すわけにはいかない」
獣人は一度この人と決めたならばその相手を一生かけて愛する。
それが人間だろうと、男であろうと番と決めたならば周りが何も言うことは出来ない。
番をバカにすることはその相手をバカにすることであり、その存在を否定することだ。
縁を否定することは縁を番にしたアレンをも否定することであり、愛する番を貶されて黙っているわけがない。
「大人しくしてれば縁の言うとおり逃がしてやったのにな」
「た、頼む助けやってくれ!」
「オレが?なんで?」
苦しむ娘の姿に男がエルに助けを求めるが、大切な家族である縁を否定されたのだ。
助けるわけがない。
むしろ早くヤレとばかりに笑っている。
「頼む!大事な娘なんだ。お願いだからーー」
「俺はその娘に大事な番を殺されそうになったぞ」
「そ、それはそうだが……ほ、本当に悪かった。頼むから娘だけは助けてくれ」
「だけ?なら他は死んでもいいの?」
煽るようにエルが笑えば、仲間たちは慌てたように男を責め立てる。
もはや仲間ですらなくなった男たちに呆れ果てる。
よく今まで無事にやってこれたものだ。
「ーーはぁ、約束を守れるなら逃してやるよ」
「逃してやんの?」
不服そうなエルにその内自爆すんだろと言ってやれば、男たちを見て納得したのかなるほどと頷いている。
娘を助けるためとはいえ、仲間を見捨てようとしてのだ。
今後一緒に暮らしていけるわけがなく、この空気が読めない娘が仲間に謝るとも思えない。
親子2人仲間に見捨てられ、人間に追われながら森で暮らしていくには厳しいだろう。
手を離してやれば咳き込む女を睨みつける。
「2度とここへは近づくな。姿どころか声がした時点で殺しにいく」
「そのバカ女ももう見たくないしね」
「ゲホ、ゲホッ、わ、わたしはあなたのたーー」
「もう殺そうよ」
「アリー!黙りなさい!」
反省の様子のない女にエルが脅し(本当は殺したい)をかければ焦ったように男が止める。
「なんでよ!私の方があんなヤツよりーーきゃあっ!」
「2度は言わねぇぞ。お前みたいな自分勝手なブサイクな女俺は番にしたいとは思わねぇ。勝手な勘違いで俺の番を殺そうとしたんだ。次その顔見せたら……殺す」
「ひっ」
髪を引っ掴み地面に押さえつけると、やっと理解したのか震えながらコクコクと頷く。
もう見るも嫌だと手を離すと後処理はエルに任せ、縁を迎えに行くことした。
「スノーと一緒にちゃんと見張っててよ」
エルもやはり縁が心配だったらしく、了解と手を振り中に向かう。
「おかえりなさい。……やはりダメでしたか」
1人戻ってきたアレンに苦笑いする。
相手の出方次第では縁はきっと許す気だったのだろう。
先に抜けたのもきっと人間である自分がいると彼らが話しにくいと思ってのことだ。
「当たり前だろ。縁に手を出した時点で俺も、エルだって許す気なんかないよ」
「そう、ですか。もしかしたらと思ったんですが、ダメなら仕方ないですね」
いったいどこまで優しいのか。
縁からすればアレンたちと同じ獣人である彼らを何とか助けたかったのだろう。
アレンだって状況が違えばそうしていたかもしれない。
だが縁に刃を向けた時点でそれもなくなった。
「ほんとは殺したかったけどな」
「我慢してくれたんですね。大変なことを頼んでごめんなさい」
そっと抱き寄せられれば縁の温もりにホッとする。
もしかしたら止まっていたかもしれない鼓動を感じ、力が抜けた。
「縁が死んだら俺も死ぬ」
「出来れば生きていて欲しいんですが…仕方ないですね」
絶対に止めると思っていたため驚いた。
「いいのか?」
自分で言っておいてなんだが、縁が許してくれるとは思っていなかった。
「止めたところでアレンは聞かないでしょう?それに…私も1人は寂しいですからね。アレンならきっと死んでもあの世で私を見つけてくれそうです」
「はは、任せとけ」
きっと見つけてみせる。
死んでも縁のそばを離れてやるものか。
誰よりアレンを信じ、誰よりアレンを愛してくれる。
死んでも尚一緒にいたいと言ってくれる番がどれほどいることか。
「でも出来れば長生きして下さい。私も頑張りますから」
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これほど最高の番に出会えたことに感謝するアレンであった。
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