二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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あれ?

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 何かが見えた。
 見えたというより何か視界がブレたような、隠すように覆われた

 「エル、あの人…?」

 「何って?」

 指差す方を見るが縁が何を言っているのか分からないのか首を傾げている。

 「何か…ぼやけて見えるというか、姿がブレて見えーーあ」

 言っていいことなのか分からずコソコソと耳打ちしていれば、まるで聞こえていたかのようにその人物が振り返った。

 「「………」」

 無言で見つめ合うこと5分。
 何で見つめ合っているのだろう?と不思議に思い逸らせば、それが引き金になったかのように男が近づいてくる。

 「…知り合い?」

 反応がおかしい縁に不審に思ったエルが守るように前に出る。

 「覚えがないですが……どこかでお会いしましたか?」

 「アンタ見えてるだろ」

 「?……私、霊感はないですよ」

 「は?」

 何だろう。
 話が噛み合ってないことは分かる。

 「えーと、何か御用ですか?」

 「……アンタ何者だ?」

 「名乗るほどではありません」

 「………」

 そう易々と教えると思うな!
 と、言うのは半分冗談だが見ず知らずの怪しい人物に教えたいとは思わない。

 「御用がないなら先を急いでますので失礼します」

 威嚇するエルに繋を頼むと背中を押し去ろうとする。

 「ちょっと待ーー」

 肩を掴んでこようとした手を捻りあげると、後ろ手に押さえつける。

 「いきなり来て名乗りもせず、挙句手を出そうとするのはいただけませんね。こちらには子どももいるんです。何かしようというのであればこちらもそれ相応の対応をさせていただきます」

 「分かった!悪かったから手を離せ!」

 「ん~、どうしましょうか?」

 「衛兵にでも突き出せば?邪魔だし、あとは勝手に処理してくれんでしょ」

 なるほど。
 面倒ごとは人に任せればいい。

 「ですね。ではーー」

 「ちょっ、ちょっと待て!ちがう、誤解だ!」
 
 体格の良い男ではあるが、縁も身体強化をかけているため押さえ込む力が強く抜け出せないようだ。

 「うっさいし、もう放って行こうよ」

 「そうですね。では疑われたくなければ追ってくるなんてバカなことしないで下さい」

 「だからちがうって!話を聞けよ!」

 「お断りします。行きましょう」

 「だから待てって!」

 叫ぶ男を無視すると念のためすぐには帰らずギルドに寄ることにした。

 「怪しい男に絡まれました。少し匿って下さい」

 「なんだって!よし、おじいちゃんに任せておきなさい。すぐに八つ裂きにしてくるよ!」

 「……」
 「は?」

 走り去る後ろ姿に何も言えなかった。
 実際は言わなかったというのが正しいのだが、いい感じに勘違いしてくれたジンに任せて問題ないだろう。
 ただエルが隣からじっと見てくるが。

 「アンタはまた……」

 「私は何もしていませんよ?それに繋がいるんです。何かあったら危ないでしょう?」

 マーガレットが何か言いたそうだったが、今回のことに関しては不可抗力である。

 「分かったよ。で?あのバカは何も聞かずに出て行ったがどんな奴なんだい?」

 「うーん、そこが問題なんですよね。エルにはどう見えてました?」

 あの時不思議な感覚にエルに確認したが、縁が言うまでエルが気づいている様子はなかった。

 「どう?ただの変なヤロウだったけど……」

 やはりか。
 何となくそんな気はしていたが、やはりエルが見ていたものと縁が見えていたものは違ったようだ。

 「…私にも青年に見えました。ただ魔法なのか分かりませんが何か……ブレて見えたというか、阻害されている感じがしましたが」

 「認識阻害?そんなのかけられる奴なんて魔族か…竜族ぐらいだよ」

 りゅう族?竜族? 

 「竜族の方は魔法を使えるんですか?」

 「使えはする。でも魔族ほどじゃない」

 「ならーー」

 「けど竜族は文字の通り竜なんだよ」

 はて?
 どういうことか聞いてみれば、竜族は竜の姿と人間の姿両方とれるらしい。
 ならばアレンたちも獣の姿に!と期待したが、昔は出来た獣人もいたらしいが奴隷にされる内になりかたを忘れた現在の獣人ではなれる者はいないらしい。
 人間との生活がそうさせたのだろう。

 「本体が竜の姿だとしたら、人間の姿は仮の姿。あの巨体を無理矢理縮めてるんだ、力も能力もかなり落ちる」

 「でも魔族の可能性もありますよね。もしかしたらエルたちの仲間だったかーー」

 「それはかなり低いんじゃないかな。魔力を使ってる感じはしなかったし、もしオレが気付かなかっただけだとしても常時展開型の魔法なんてどれだけ魔力をくうか」

 縁には問題ないだろうが、魔力が有限である魔族にはかなりの負荷らしい。
 下手に使い過ぎて動けなくなれば待っているのは死だけだ。
 ならば可能性として2つの姿がとれる竜族の線が濃厚だろう。

 「そう、ですか。しかし竜族というのは初めて見ましたが、多いんですか?」

 「少ない……というより滅んだって聞いてた」

 んん?
 
 「じゃあやっぱりーー」

 「でも聞いたってだけ。生き残りがいたのかもしれない」

 ん~~。
 もしかして大変な人に目をつけられてしまったかな?

 「まったく、アンタは次から次へとやらかしてくれるね」

 「やりたくてやったわけではないんですけど……」

 ちょっと気になったことをエルと話していただけなのだ。
 それを責められては縁はもう外でしゃべることすら出来なくなってしまう。

 「とりあえずあのバカが帰ってくるのを待ってるんだね。安全そうなら帰ればいいさ。……だから、その……」

 チラチラとこちらを見るマーガレットに微笑むと繋をお願いするのであった。
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