二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

文字の大きさ
179 / 475

で?

しおりを挟む
 それから数十分あまり色々説明してくれたマーガレットたちではあったがーー

 「つまり今日のことを宰相さんに伝えて王女様に説教してもらい、かつそんな子どもに育てた父親である王様に折檻し謝罪させると?」

 「簡単に言えばそうじゃな」

 へぇ~

 「何故ですか?」

 「「「「………」」」」

 今日の彼女の態度は確かに褒められたものではなかったが、それを宰相に言う必要性も、ましてや謝罪される意味も分からない。

 「今後のためにもあの態度は改善した方がいいとは私も思いますが、それと私は関係ありませんよね?きっかけになったかもしれませんが、これからいなくなる人間に謝罪も何もないでしょう?」

 話はそれだけなら帰ってもいいかと席を立とうとすれば、慌てたように3人に止められた。

 「アンタが出て行く必要はないんだよ!」

 「そうさ。悪いのはあの王女バカであって君が出て行く必要はないんだ」

 「このジジイたちのためにも残ってくれんか?」

 なんだこれ?
 訳がわからずエルを見れば、3人の勢いに驚いているのか頰を引きつらせていた。

 「そこまで言ってくれるのは嬉しいですが、何もそんな大事にする必要ありませんよ。国に物申すなんてマーガレットさんたちだって無事では済まないでしょう?今までのようにとはいけませんが時々はまたこうして会いにーー」

 「ダメダメダメ!ダメだから!そんなこと許さない!」

 肩を掴まれたかと思えば、ジンにガクガクと肩を揺さぶられる。
 案の定繋が泣いた。
 マーガレットとアル爺にボコボコにされるジンであった。

 「このバカは放っておくとして、今回のことは何もアンタだけの問題じゃないんだ。この国は確かに比較的いい方だとは思うが、それもあの宰相あってこそだ。あの役立たず王女バカじゃ今後どうなるか分からない。なら、この機会に分からせてやる」

 「最近の王族の態度は目に余るものもある。反感を持っている貴族も多いと儂も聞いとる」

 それでよく王と、この国を成り立たせているものだとそれを一手に引き受ける宰相とやらには感心するばかりである。
 真面目な顔で話し合う3人に大変だなぁと他人事のように聞いていれば、クイクイと隣に座るエルに裾を引かれた。

 「どうしました?」

 「いいの?」

 何がだろうか?

 「このままじゃ、その宰相ってヤツにも王様にも会わなくちゃいけないみたいじゃん。王子アイツはまだマシになったけど、あの王女バカ女みる限り碌な王様じゃないよ。逃げるなら今だよ」

 うーーん。どうしようか。
 繋をあやしながらも3人の様子を窺っていれば、ふとマーガレットと目が合った。

 「……アンタは私たちのことも考えて騒ぎにしたくないんだろうけどね。私たちはアンタのことあんな風に言われて我慢ならないんだよ」

 小さい子にでも言い聞かせるようなその声音に、マーガレットたちが本当に縁を想って言ってくれているのが分かる。

 「そうだよ。君は外で会えばいいと言うけどね、私たちはそんなコソコソとやましいことがあるような会い方は嫌なんだ。もちろん周りにもそうは思って欲しくない。私たちの大切な孫だからね」

 可愛いがってもらっているのは分かっている。
 それがどれだけ幸運なことも、特別なのかも。
 だからこそ自分たちのことでマーガレットたちに迷惑をかけたくないと思ったのだが、マーガレットたちは逆にかけろと言う。
 孫なのだからと。
 自分たちにとって大切な孫なのだからと。

 「この2人にここまで言わせるとは大したもんじゃ。だからとは言わんが、昔馴染みの儂からも頼む。出ていくのは諦めてくれんか?頼む」

 アル爺にまで頼まれてしまい、ここまできて断るなど不可能だろう。

 「……私は…本当にここにいて良いんですか?」

 「ああ」
 「もちろん」
 「当たり前じゃ」

 ここまで言ってもらえるほどのことを出来ているか分からないが、言ってもらえたからには応えたいとも思う。

 「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」

 自身の存在が認められることが何より嬉しかった。
 思いつきで行動することは多々あるが、それで誰かが喜んでくれるのならば尚嬉しい。

 「なら作戦会議といくか。なに、心配することはない。宰相言うてもアヤツは儂らにとっては身内同然じゃ。本人は喜ばんじゃろがな」

 「それはアンタが毎回あの子に無理難題吹っかけるからだろ。その皺寄せが私らんとこにも来るんだからいい加減やめな」

 どうやら3人は面識があるようで最悪なことにはならないだろうとホッとした。
 いくら覚悟しようが、やはり大切な人たちに何あるのは辛い。

 「私も繋も幸せ者ですね」

 そう呟き繋を撫でれば嬉しそうに笑うのだった。
 そしてその姿に周りも癒され微笑むのだった。
 
しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

処理中です...