二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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で?

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 それから数十分あまり色々説明してくれたマーガレットたちではあったがーー

 「つまり今日のことを宰相さんに伝えて王女様に説教してもらい、かつそんな子どもに育てた父親である王様に折檻し謝罪させると?」

 「簡単に言えばそうじゃな」

 へぇ~

 「何故ですか?」

 「「「「………」」」」

 今日の彼女の態度は確かに褒められたものではなかったが、それを宰相に言う必要性も、ましてや謝罪される意味も分からない。

 「今後のためにもあの態度は改善した方がいいとは私も思いますが、それと私は関係ありませんよね?きっかけになったかもしれませんが、これからいなくなる人間に謝罪も何もないでしょう?」

 話はそれだけなら帰ってもいいかと席を立とうとすれば、慌てたように3人に止められた。

 「アンタが出て行く必要はないんだよ!」

 「そうさ。悪いのはあの王女バカであって君が出て行く必要はないんだ」

 「このジジイたちのためにも残ってくれんか?」

 なんだこれ?
 訳がわからずエルを見れば、3人の勢いに驚いているのか頰を引きつらせていた。

 「そこまで言ってくれるのは嬉しいですが、何もそんな大事にする必要ありませんよ。国に物申すなんてマーガレットさんたちだって無事では済まないでしょう?今までのようにとはいけませんが時々はまたこうして会いにーー」

 「ダメダメダメ!ダメだから!そんなこと許さない!」

 肩を掴まれたかと思えば、ジンにガクガクと肩を揺さぶられる。
 案の定繋が泣いた。
 マーガレットとアル爺にボコボコにされるジンであった。

 「このバカは放っておくとして、今回のことは何もアンタだけの問題じゃないんだ。この国は確かに比較的いい方だとは思うが、それもあの宰相あってこそだ。あの役立たず王女バカじゃ今後どうなるか分からない。なら、この機会に分からせてやる」

 「最近の王族の態度は目に余るものもある。反感を持っている貴族も多いと儂も聞いとる」

 それでよく王と、この国を成り立たせているものだとそれを一手に引き受ける宰相とやらには感心するばかりである。
 真面目な顔で話し合う3人に大変だなぁと他人事のように聞いていれば、クイクイと隣に座るエルに裾を引かれた。

 「どうしました?」

 「いいの?」

 何がだろうか?

 「このままじゃ、その宰相ってヤツにも王様にも会わなくちゃいけないみたいじゃん。王子アイツはまだマシになったけど、あの王女バカ女みる限り碌な王様じゃないよ。逃げるなら今だよ」

 うーーん。どうしようか。
 繋をあやしながらも3人の様子を窺っていれば、ふとマーガレットと目が合った。

 「……アンタは私たちのことも考えて騒ぎにしたくないんだろうけどね。私たちはアンタのことあんな風に言われて我慢ならないんだよ」

 小さい子にでも言い聞かせるようなその声音に、マーガレットたちが本当に縁を想って言ってくれているのが分かる。

 「そうだよ。君は外で会えばいいと言うけどね、私たちはそんなコソコソとやましいことがあるような会い方は嫌なんだ。もちろん周りにもそうは思って欲しくない。私たちの大切な孫だからね」

 可愛いがってもらっているのは分かっている。
 それがどれだけ幸運なことも、特別なのかも。
 だからこそ自分たちのことでマーガレットたちに迷惑をかけたくないと思ったのだが、マーガレットたちは逆にかけろと言う。
 孫なのだからと。
 自分たちにとって大切な孫なのだからと。

 「この2人にここまで言わせるとは大したもんじゃ。だからとは言わんが、昔馴染みの儂からも頼む。出ていくのは諦めてくれんか?頼む」

 アル爺にまで頼まれてしまい、ここまできて断るなど不可能だろう。

 「……私は…本当にここにいて良いんですか?」

 「ああ」
 「もちろん」
 「当たり前じゃ」

 ここまで言ってもらえるほどのことを出来ているか分からないが、言ってもらえたからには応えたいとも思う。

 「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」

 自身の存在が認められることが何より嬉しかった。
 思いつきで行動することは多々あるが、それで誰かが喜んでくれるのならば尚嬉しい。

 「なら作戦会議といくか。なに、心配することはない。宰相言うてもアヤツは儂らにとっては身内同然じゃ。本人は喜ばんじゃろがな」

 「それはアンタが毎回あの子に無理難題吹っかけるからだろ。その皺寄せが私らんとこにも来るんだからいい加減やめな」

 どうやら3人は面識があるようで最悪なことにはならないだろうとホッとした。
 いくら覚悟しようが、やはり大切な人たちに何あるのは辛い。

 「私も繋も幸せ者ですね」

 そう呟き繋を撫でれば嬉しそうに笑うのだった。
 そしてその姿に周りも癒され微笑むのだった。
 
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