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怖い怖い
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結果的に縁に絡んできた冒険者たちは捕縛されギルド登録も抹消された。
では何があったか?
簡単な話し逆恨みした彼らが帰宅途中だった縁たちを襲おうとし、派手に返り討ちにされたのである。
「私への逆恨みは分からなくもないですが、それが我が子へも降りかかるとなれば私も容赦はしません」
最初に気がついたエルにより反撃を食らい、しかしめげずに斬りかかろうするのを近づけることなく魔法でいなしていく。
双子を抱えながら、さてどうしたものかと考えていた縁に1人の女が手を伸ばそうとし縁によって拘束される。
見た目からして縁は剣士や盾などではないのを見て分からなかったのだろうか?
Fランクと聞いて自分たちには敵わないと侮ったか。
「子どもを人質にでもしようと?冒険者以前に人として疑いますね」
「うるさいっ」
「うるさいのは貴方でしょう?バカをするのは構いませんが人を巻き込むのはよろしくありませんね」
もはや鬼のような顔で縁を睨みつけてくる女に呆れ果てる。
すでにジンたちには連絡してあるため時間の問題だろう。
3対1にもかかわらず愉しげに男たちをいなすエルには感心するばかりである。
殺すことをしていないのは縁の前だからか、子どもたちにそんなものを見せられないとの配慮か。
両方かもしれない。
「注意だけで済んだものを何故こうも事を大きくするんですか?貴方たちはそれで気が済むかもしれませんが、私たちはいい迷惑です。下手をすれば人殺しなんですから」
縁たちだからこそ彼らの攻撃を防げているが、普通の、本来のFランク冒険者であればとうに死んでいただろう。
「うるさいうるさいうるさいっ!アンタが悪いのよ!アンタがーーーああああぁぁぁぁ!?」
どうやったのか魔法で地面に押し付けていたはずの女が手首を動かしたかと思うとキラリと光るものが飛んできた。
それは明らかに縁ではなく、縁の腕の中の存在に向けられており、しかし念のため張っておいた風の壁によってカキンと小気味いい音と共に弾き飛ばされた。
だが双子が危なかったと思った縁は反射的に、何を考えるわけでもなく無意識に魔力を込めた。
何かが折れる音と共に女が悲鳴をあげる。
折ったのだ。腕を。縁が。
我が子に手にかけようとしたその手が許せないとばかりに。
突如上がった悲鳴に男たちも振り返り、倒れ痛みに呻く女を見る。
「てめぇっ、何しやがった!」
「ふざけんじゃねーー」
「お前らがな」
怒鳴り散らす男たちの声が突然止んだかと思うと、目の前には縁が知る人たちの姿が。
「遅くなったね。大丈夫だったかい?」
「もう大丈夫だよ。待たせてごめんね」
「………マーガレット、さん……ジン、さん」
無意識に呼び方が元に戻っていたが、マーガレットたちは気にすることなく近づくと待たせてごめんと頭を撫でられた。
「こうなったのはコイツらの自業自得だ。アンタが気にしなくていい」
「そうだよ。子を守るのは親として当然だ」
当然、守る……自分は双子を守るために人を傷つけた。
だがそれは正しいことだったのか。
治らない怪我ではない。けれど傷つけた、人を。
「大丈夫、大丈夫さ。アンタは悪くない」
やはりマーガレットたちは気づいていたのだろう。
縁が人を傷つけたことがないことを。
「少し……そう少し許せないと思ったんです。ただそれだけ」
「当たり前だろ。誰だって目の前で自分の子が傷つけられたら怒るに決まってる。だからアンタが傷つくことなんてないんだ」
「……ちがうんです」
痛みに声を上げながらのたうち回る女に何も思わなかったのだ。
「人を傷つけておきながら何も思わなかった。申し訳ないとか、どうしようとかそんなこと…全く思わなかった。ただ許せないって………」
人を傷つけるなとは言わない。
だが感情だけで手が出るのは間違っている……と、思っていた。
なのにあの時縁が思ったのは許せないという感情と、それに反応するように動いた魔力。
人を傷つけてしまったと後悔する感情がなかったのだ。
「私はおかしくなってしまったんですかね?」
「全然おかしくない!!」
「エル」
いつの間に来ていたのか側にいたエルが縁をぎゅっと抱きしめる。
「それでいいの!エニシはなーんもおかしくない。だって真と愛依を傷つけようとした奴らだよ?そんな奴らを許せるわけないじゃん!むしろ腕折られるぐらいで済んで感謝してほしいくらいだし。それで申し訳ないって謝る方がおかしいんだよ」
……おかしくない?普通?
そこで初めてここは日本じゃないのだと気づいた。
生活のことではない。
こうして人を傷つける手段がこの世界には多くあるのだと。
それなのに国を守る者はおれど、人を取り締まる者はいないのだと。
日本ならば、日本にいた時ならばきっと縁は今後悔し、正当防衛だとしても人を傷つけたとして何か罰を受けていたかもしれない。
だがここは今日本とは違う世界であり、身を守るのも子を守るのも家族を守るのも自身であり、そうしなければ守れない時があるのだ。
「私はまだ胸を張ってこの子たちのママだと言ってもいいんでしょうか?」
「当たり前じゃん」
「ああ、立派な母親さ」
「よく頑張ったね。えらいえらい」
ああ、彼らに出会えて良かったと心の底から感謝する縁であった。
では何があったか?
簡単な話し逆恨みした彼らが帰宅途中だった縁たちを襲おうとし、派手に返り討ちにされたのである。
「私への逆恨みは分からなくもないですが、それが我が子へも降りかかるとなれば私も容赦はしません」
最初に気がついたエルにより反撃を食らい、しかしめげずに斬りかかろうするのを近づけることなく魔法でいなしていく。
双子を抱えながら、さてどうしたものかと考えていた縁に1人の女が手を伸ばそうとし縁によって拘束される。
見た目からして縁は剣士や盾などではないのを見て分からなかったのだろうか?
Fランクと聞いて自分たちには敵わないと侮ったか。
「子どもを人質にでもしようと?冒険者以前に人として疑いますね」
「うるさいっ」
「うるさいのは貴方でしょう?バカをするのは構いませんが人を巻き込むのはよろしくありませんね」
もはや鬼のような顔で縁を睨みつけてくる女に呆れ果てる。
すでにジンたちには連絡してあるため時間の問題だろう。
3対1にもかかわらず愉しげに男たちをいなすエルには感心するばかりである。
殺すことをしていないのは縁の前だからか、子どもたちにそんなものを見せられないとの配慮か。
両方かもしれない。
「注意だけで済んだものを何故こうも事を大きくするんですか?貴方たちはそれで気が済むかもしれませんが、私たちはいい迷惑です。下手をすれば人殺しなんですから」
縁たちだからこそ彼らの攻撃を防げているが、普通の、本来のFランク冒険者であればとうに死んでいただろう。
「うるさいうるさいうるさいっ!アンタが悪いのよ!アンタがーーーああああぁぁぁぁ!?」
どうやったのか魔法で地面に押し付けていたはずの女が手首を動かしたかと思うとキラリと光るものが飛んできた。
それは明らかに縁ではなく、縁の腕の中の存在に向けられており、しかし念のため張っておいた風の壁によってカキンと小気味いい音と共に弾き飛ばされた。
だが双子が危なかったと思った縁は反射的に、何を考えるわけでもなく無意識に魔力を込めた。
何かが折れる音と共に女が悲鳴をあげる。
折ったのだ。腕を。縁が。
我が子に手にかけようとしたその手が許せないとばかりに。
突如上がった悲鳴に男たちも振り返り、倒れ痛みに呻く女を見る。
「てめぇっ、何しやがった!」
「ふざけんじゃねーー」
「お前らがな」
怒鳴り散らす男たちの声が突然止んだかと思うと、目の前には縁が知る人たちの姿が。
「遅くなったね。大丈夫だったかい?」
「もう大丈夫だよ。待たせてごめんね」
「………マーガレット、さん……ジン、さん」
無意識に呼び方が元に戻っていたが、マーガレットたちは気にすることなく近づくと待たせてごめんと頭を撫でられた。
「こうなったのはコイツらの自業自得だ。アンタが気にしなくていい」
「そうだよ。子を守るのは親として当然だ」
当然、守る……自分は双子を守るために人を傷つけた。
だがそれは正しいことだったのか。
治らない怪我ではない。けれど傷つけた、人を。
「大丈夫、大丈夫さ。アンタは悪くない」
やはりマーガレットたちは気づいていたのだろう。
縁が人を傷つけたことがないことを。
「少し……そう少し許せないと思ったんです。ただそれだけ」
「当たり前だろ。誰だって目の前で自分の子が傷つけられたら怒るに決まってる。だからアンタが傷つくことなんてないんだ」
「……ちがうんです」
痛みに声を上げながらのたうち回る女に何も思わなかったのだ。
「人を傷つけておきながら何も思わなかった。申し訳ないとか、どうしようとかそんなこと…全く思わなかった。ただ許せないって………」
人を傷つけるなとは言わない。
だが感情だけで手が出るのは間違っている……と、思っていた。
なのにあの時縁が思ったのは許せないという感情と、それに反応するように動いた魔力。
人を傷つけてしまったと後悔する感情がなかったのだ。
「私はおかしくなってしまったんですかね?」
「全然おかしくない!!」
「エル」
いつの間に来ていたのか側にいたエルが縁をぎゅっと抱きしめる。
「それでいいの!エニシはなーんもおかしくない。だって真と愛依を傷つけようとした奴らだよ?そんな奴らを許せるわけないじゃん!むしろ腕折られるぐらいで済んで感謝してほしいくらいだし。それで申し訳ないって謝る方がおかしいんだよ」
……おかしくない?普通?
そこで初めてここは日本じゃないのだと気づいた。
生活のことではない。
こうして人を傷つける手段がこの世界には多くあるのだと。
それなのに国を守る者はおれど、人を取り締まる者はいないのだと。
日本ならば、日本にいた時ならばきっと縁は今後悔し、正当防衛だとしても人を傷つけたとして何か罰を受けていたかもしれない。
だがここは今日本とは違う世界であり、身を守るのも子を守るのも家族を守るのも自身であり、そうしなければ守れない時があるのだ。
「私はまだ胸を張ってこの子たちのママだと言ってもいいんでしょうか?」
「当たり前じゃん」
「ああ、立派な母親さ」
「よく頑張ったね。えらいえらい」
ああ、彼らに出会えて良かったと心の底から感謝する縁であった。
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