二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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 ジンを救出し皆でお茶をしていれば、突如強風が巻き起こり吹き飛ばさされると思った途端何かが縁に抱きついてきた。

 「オレもまぜて~」

 「………驚かせないで下さい」

 ギュッと抱きつき頬ずりしてくるルーを引き剥がすと、待てとばかりに手で押さえる。

 「頼んだことは?」

 「…………」

 マズいとばかりに視線を彷徨わせるルーに溜め息をつく。
 大方兄であるロンに仕事を押し付けてきたのだろう。

 「私は出来ることしか頼んでませんよね?」

 「……ごめんなさい」

 「「ーーぶはっ」」

 素直に謝るルーに何故かマーガレットとジークがお腹を抱えて笑っていた。
 
 「こりゃ繋に言われても仕方ないね」

 「ある意味繋の方が大人だな」

 よく分からなかったが、ルーが子どもっぽいと言いたかったらしい。

 「確かに。繋はちゃんとお願いしたことはやってくれますからね」

 「オ、オレも出来るよ!その……ゆっくりなら」

 ならさっさとしてしまえばいいのに。
 それでもやろうと頑張ろうとしてくれただけ前よりマシかと溜息をつくと落ち込むルーにもお茶を出してやる。

 「帰ったらちゃんとロンに謝るんですよ?」

 「うん!」

 元気な返事にまたもや2人が吹き出していた。
 どうしたのかと聞こうとすればーー

 「どいて!ケイのママ!」

 張り付くルーを押し除け繋が膝に乗ってきた。
 
 「繋?どうしーー」

 「シンも~」
 「アイも~」

 突撃!とばかりに双子がルーに襲いかかる。

 「え?ちょっ、ちょ、ちょっとまーーわっ」

 じゃれる双子にルーは戸惑い逃げるが転んでしまった。
 どうするのかと眺めていれば助けを求めるように涙目でこちらを見てくる。
 そんな捨てられた子犬のように見てこずとも……
 真と愛依はマーガレットたちに任せ、繋はセインにお願いした。

 「怪我はしませんでしたか?」

 「……うん」

 それは良かったと手を貸し立ち上がらせると、おいでとばかりに両手を広げれば遠慮がちにだがルーが抱きついてきた。

 「頑張ってくれてありがとう。寂しかったんですよね」

 「うん」

 彼にしては我慢している方だろう。

 「大丈夫です。ちゃんと分かってます。だから一緒に頑張っていきましょうね」

 「うん、頑張る。ごめんなさい」

 まるで親にでもなった気分だが、純粋な繋たちと違い番であるルーは縁の首元に顔を埋め匂いを嗅いでくる。
 臭いというわけではないだろうが何とも複雑である。
 暫くそうして嗅がれるとルーを連れ再びみんなでお茶をする。
 縁が座った途端繋が私の場所だとばかりに膝に乗ってきたがルーをいじめないならばいいかとそのままだ。

 「エニシ~、連れてきた~」

 のんびりお茶をしていればあることを頼んでいたエルが戻ってくるのが見えた。

 「ありがとうエル。サッズさんもお疲れ様です。急にすいませんでした」

 「別にいいけど……」

 挨拶しながらもマーガレットたちが気になるのかチラチラと様子を伺っている。

 「私が町でお世話になっているマーガレットさんとジンさんです。彼は……ジークの親戚です」

 多少嘘を交えながらもお互いの紹介を済ませる。

 「で、ですね。見て分かると思いますが彼も獣人です」

 「そりゃ見れば分かるよ」

 「そうですよね。私たちは引っ越すと言いましたが彼はここに留まることになりました」

 そう。縁たちが引っ越すのに加え隠れ家にいる住人の大半は共にルーたちの国に移り住む。
 しかし環境の変化に戸惑いこのままがいいと言う者はそのまま残ることになった。
 そうなるとその者たちを纏める人間も必要になるわけで、誰に任せるかとなった時名乗りを上げたのがサッズだったのだ。

 「はっきりと場所を教えるわけにはいけませんが2人にはこの辺りには人を近づけないようにしてほしいんです」

 「彼らを守ってほしいということかい?」

 眉を潜めるジンに首を振る。

 「違います。今まで通り森深くに人を送り込まなければそれでいいんです」

 早々バレる場所ではないがそれでも警戒しておくに越したことはない。

 「静かに暮らしている彼らを放っておいて欲しいんです」

 「なら何で私らにそんなこと頼むんだい?」

 放っておけというならば言わなければよかったのではと言うマーガレットに苦笑いする。

 「お互いのため、ですかね」

 「どういうことだい?」

 「彼らも身を守るために時には人間に手を下すことがありました。そのため巻き込まれた冒険者の方もいるでしょう」

 「………」

 獣人というだけで殺されるなど誰だって受け入れられないだろう。
 抵抗するという意味で手を下してきたのは確かだ。

 「依頼によっては森に入らなければいけないこともあると思いますが、なるべくこの辺りは避けてほしいんです」

 人間を守るために、獣人を守るためにも。

 「分かったよ。私たちが出来る範囲でならそうしよう」

 「ありがとうございます。何かあれば彼が橋渡しとなりますのでお願いします」

 マーガレットたちならば安心して任せられる。
 ジークも一緒に頭を下げてくれ、まだ完全に信用出来てないながらもサッズも頷いてくれた。

 「大丈夫です。彼はとても頼りになる人ですからルーみたいに途中で仕事を投げたりしませんよ」

 「そりゃ安心だ」

 「うぇ?オ、オレだって頑張ればちゃんと出来るってば~」

 情けなく縋り付いてくるルーに皆が声を上げて笑うのだった。

 

 
 
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