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どうする?
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「アズの部屋はここです」
ルーたちの家へ無事引っ越しも完了し、多くある部屋の中から各々の部屋を決めていくことにした。
一番大きな部屋はとりあえず皆で眠れるよう寝室にし、広間や台所も綺麗に片付けた。
アレンたちにも個人の部屋をと思ったのだが、そんなもんいらないと言われてしまい必要になったらでいいだろうと保留にすることにした。
「アズの?」
「ええ。エルの隣なんですけど嫌ですか?」
そろそろ1人部屋を与えてもいいのではと思い用意したのだが、何故かアズの表情が暗い。
「アズ1人?」
「ん?あ、繋たちにもいずれ別に用意しますよ。なのでこの部屋はアズの好きに使っていいです」
部屋数はあるためやはり男の子ならば1人部屋がいいだろうと好きに使っていいと言うが、嫌だと首を振られる。
「アズいらない」
あれ?
「どうしました?アズの好きな絵本とか並べておいたのに」
お気に入りの絵本に加え、新たにいくつかの絵本も一緒に本棚に並べておいたのだがどうしたのか。
「1人やだ。アズもみんなといっしょにねる」
ああ!なるほど!
「大丈夫です。寝るのはこれからも一緒ですよ。ただそれとは別にアズが絵本を読みたいとか、少し1人になりたいとか思った時に使えばいいんです」
念のためベッドも用意しておいたが、あくまで将来のためである。
来て欲しくはないが、いつか来るかもしれない反抗期のためだ。
「使いたくないならそれでもいいですよ。アズの好きにしていいです」
「アズ、ママたちとねていい?」
「いいですよ。アズが1人がいいと思うまでそのままでいいんです。みんなが眠れる大きなベッドもロンが作ってくれましたし、これからはルーもジークも一緒に寝れますよ」
いずれは1人がいいと言うかもしれないが、嫌なら嫌で特に問題はないくらい大きなベッドをロンが作ってくれた。
「アズもいっしょ」
「そうですね。みんなで一緒に寝ましょう」
安心したように笑うアズに微笑むと皆が待つ広間に向かうのだった。
「あとは……地下に1部屋作りますか」
「何の?」
これからは一緒に眠れるとご機嫌なルーと夜ベッドに皆で横になる。
「何って……あれですよ」
アズたちの手前はっきり口に出して言うことは出来ない。
今までは発情期対策として専用の部屋が用意されていたが、越してきたばかりの家にはまだその用意ができていないのだ。
「だな。流石に上も下も声が響きそうだからな」
すぐさま気付いてくれたジークが賛成し地下にしようと言ってくれる。
これが普通の1家族ほどなら問題ないのだろうが、4人の番に加え子ども3人にエルやロンなどすでにかなりの大所帯ともなれば声が漏れる心配がないようにしておきたい。
「他の方たちも希望があれば作るお手伝いをしましょう」
今までは部屋が分かれているとはいえ住む場所は一緒といったアパートのようなものだったが、崩れていた家々を直して回り人の住めるような場所に修復したため1家族に一件個人宅として与えられている。
家族がいない者はそんな仲間と共に暮らしていたりするが、やはり隔離部屋など元々備え付けられていないため作らねばならない。
「いいね。家の中にあれば好きな時にヤレーーいっ!?」
言わせてなるものかとアレンの頭を叩く。
子どもたちの前で何を考えているのか。
「自業自得だバカ。次言ったら今度は俺が殴るからな」
セインも呆れたようにアレンを見下ろしている。
「悪かったよ。……けど俺だって子ども欲しいんだよ」
順調…と言っていいか分からないが、次々と生まれる子どもたちにアレンも自分の子が欲しいと呟く。
こればかりは努力というより運のため縁もどうしようもないが、アレンの子は縁もぜひ欲しい。
「私はアレン似の男の子が欲しいです」
「やだ。俺は縁似の女の子がいい」
男だ、いや女だと言い合い、途中からルーまで加わり女の子がいいと主張し始め呆れたジークによっていい加減にしろと止められた。
「どっちでもいいだろ。ってか選べねぇだろうが」
「「「そういうことじゃない」」」
選べないことは3人共もちろん理解はしているが、希望は希望であり言い合いたいのだ。
「そうかよ。けど繋たちはもう寝かせてやれ」
ぐにゃりと座っていたせいか前屈みに倒れている繋を助け起こすとそっと隣に寝かせてやる。
「というか、やはりこの寝方はおかしくないですか?」
「何が?」
何が問題だとばかりに皆が見てくるが、縁は逆に何故だと問いたい。
「いや、なんで私だけ真ん中なんですか」
ロンの手作りによる大きなベッドは何故か円形状で、縁を真ん中にそれを皆が取り囲むように寝っ転がっている。
これだけ広いのだから好きなところに寝ればいいとは思うが、何故か縁だけが真ん中でなければいけないと指定されているのだ。
「なんかダメ?」
ダメではないがおかしいだろう!
なんかこう……真ん中じゃないとイヤだと我儘言っている子どもみたいで。
「けどこうでもしないとみんなが縁に触れてられないだろう?」
触れている必要がどこに?訳が分からない。
「………寝るだけですよ?」
「そうだが、今まで通り寝るとなると毎日ケンカだぞ?」
だから寝るだけに何故そうなる?ケンカの必要が分からない。
「だから、みんな縁の近くで寝たいってことだろ」
完全に理解出来ていない縁にジークが見かねて説明してくれた。
「今まではアレンたちだけだったからな。今は人数も増えただろ?アレンたちだけ隣で寝れるのは番として不公平だろ」
そう……なのだろうか?
いまいち理解は出来ないがジークが言うならばそうなのかもしれない。
「みんなはこれで…これなら満足ということですか?」
「「「うん」」」
「「「ああ」」」
ならば仕方ないと諦めると皆に取り囲まれながら眠りにつく縁であった。
上手く丸め込まれた気がしてならない。
ルーたちの家へ無事引っ越しも完了し、多くある部屋の中から各々の部屋を決めていくことにした。
一番大きな部屋はとりあえず皆で眠れるよう寝室にし、広間や台所も綺麗に片付けた。
アレンたちにも個人の部屋をと思ったのだが、そんなもんいらないと言われてしまい必要になったらでいいだろうと保留にすることにした。
「アズの?」
「ええ。エルの隣なんですけど嫌ですか?」
そろそろ1人部屋を与えてもいいのではと思い用意したのだが、何故かアズの表情が暗い。
「アズ1人?」
「ん?あ、繋たちにもいずれ別に用意しますよ。なのでこの部屋はアズの好きに使っていいです」
部屋数はあるためやはり男の子ならば1人部屋がいいだろうと好きに使っていいと言うが、嫌だと首を振られる。
「アズいらない」
あれ?
「どうしました?アズの好きな絵本とか並べておいたのに」
お気に入りの絵本に加え、新たにいくつかの絵本も一緒に本棚に並べておいたのだがどうしたのか。
「1人やだ。アズもみんなといっしょにねる」
ああ!なるほど!
「大丈夫です。寝るのはこれからも一緒ですよ。ただそれとは別にアズが絵本を読みたいとか、少し1人になりたいとか思った時に使えばいいんです」
念のためベッドも用意しておいたが、あくまで将来のためである。
来て欲しくはないが、いつか来るかもしれない反抗期のためだ。
「使いたくないならそれでもいいですよ。アズの好きにしていいです」
「アズ、ママたちとねていい?」
「いいですよ。アズが1人がいいと思うまでそのままでいいんです。みんなが眠れる大きなベッドもロンが作ってくれましたし、これからはルーもジークも一緒に寝れますよ」
いずれは1人がいいと言うかもしれないが、嫌なら嫌で特に問題はないくらい大きなベッドをロンが作ってくれた。
「アズもいっしょ」
「そうですね。みんなで一緒に寝ましょう」
安心したように笑うアズに微笑むと皆が待つ広間に向かうのだった。
「あとは……地下に1部屋作りますか」
「何の?」
これからは一緒に眠れるとご機嫌なルーと夜ベッドに皆で横になる。
「何って……あれですよ」
アズたちの手前はっきり口に出して言うことは出来ない。
今までは発情期対策として専用の部屋が用意されていたが、越してきたばかりの家にはまだその用意ができていないのだ。
「だな。流石に上も下も声が響きそうだからな」
すぐさま気付いてくれたジークが賛成し地下にしようと言ってくれる。
これが普通の1家族ほどなら問題ないのだろうが、4人の番に加え子ども3人にエルやロンなどすでにかなりの大所帯ともなれば声が漏れる心配がないようにしておきたい。
「他の方たちも希望があれば作るお手伝いをしましょう」
今までは部屋が分かれているとはいえ住む場所は一緒といったアパートのようなものだったが、崩れていた家々を直して回り人の住めるような場所に修復したため1家族に一件個人宅として与えられている。
家族がいない者はそんな仲間と共に暮らしていたりするが、やはり隔離部屋など元々備え付けられていないため作らねばならない。
「いいね。家の中にあれば好きな時にヤレーーいっ!?」
言わせてなるものかとアレンの頭を叩く。
子どもたちの前で何を考えているのか。
「自業自得だバカ。次言ったら今度は俺が殴るからな」
セインも呆れたようにアレンを見下ろしている。
「悪かったよ。……けど俺だって子ども欲しいんだよ」
順調…と言っていいか分からないが、次々と生まれる子どもたちにアレンも自分の子が欲しいと呟く。
こればかりは努力というより運のため縁もどうしようもないが、アレンの子は縁もぜひ欲しい。
「私はアレン似の男の子が欲しいです」
「やだ。俺は縁似の女の子がいい」
男だ、いや女だと言い合い、途中からルーまで加わり女の子がいいと主張し始め呆れたジークによっていい加減にしろと止められた。
「どっちでもいいだろ。ってか選べねぇだろうが」
「「「そういうことじゃない」」」
選べないことは3人共もちろん理解はしているが、希望は希望であり言い合いたいのだ。
「そうかよ。けど繋たちはもう寝かせてやれ」
ぐにゃりと座っていたせいか前屈みに倒れている繋を助け起こすとそっと隣に寝かせてやる。
「というか、やはりこの寝方はおかしくないですか?」
「何が?」
何が問題だとばかりに皆が見てくるが、縁は逆に何故だと問いたい。
「いや、なんで私だけ真ん中なんですか」
ロンの手作りによる大きなベッドは何故か円形状で、縁を真ん中にそれを皆が取り囲むように寝っ転がっている。
これだけ広いのだから好きなところに寝ればいいとは思うが、何故か縁だけが真ん中でなければいけないと指定されているのだ。
「なんかダメ?」
ダメではないがおかしいだろう!
なんかこう……真ん中じゃないとイヤだと我儘言っている子どもみたいで。
「けどこうでもしないとみんなが縁に触れてられないだろう?」
触れている必要がどこに?訳が分からない。
「………寝るだけですよ?」
「そうだが、今まで通り寝るとなると毎日ケンカだぞ?」
だから寝るだけに何故そうなる?ケンカの必要が分からない。
「だから、みんな縁の近くで寝たいってことだろ」
完全に理解出来ていない縁にジークが見かねて説明してくれた。
「今まではアレンたちだけだったからな。今は人数も増えただろ?アレンたちだけ隣で寝れるのは番として不公平だろ」
そう……なのだろうか?
いまいち理解は出来ないがジークが言うならばそうなのかもしれない。
「みんなはこれで…これなら満足ということですか?」
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