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未来へ
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「おはようございます」
「あらあら嬉しいお客様だわ。おはようエニシさん」
その微笑みに縁も笑い返すと誘われるまま家にお邪魔することにした。
「急で申し訳ないんですが、実は貴方に一つお願いがあって来ました。もちろん嫌だと思えば断ってもらって構いません」
今から話すことは縁の一つの提案であり、彼女にも拒否権はもちろんある。
「今私が預かっている子どもたちの保護者になってほしいんです」
「保護者?私が?」
いきなりのことに戸惑っているようだが、嫌悪感があるようには見えない。
「両親がおらず、しかし身内には捨てられた子たちです。人数は6人。男4、女2。年齢はバラバラですが、自分のことは自分で出来る子が殆どです」
詳しく話していくがその顔色が晴れることはなく困惑が浮かんでいる。
当たり前の反応だろう。
「子どもたちにかかる費用などは全てこちらでお出しします。家もこちらで用意しますし、食糧なども子どもたちに自給自足させるので問題はありません。保護者と言いましたが特に何をしてほしいというわけではなく、ただ側で子どもたちが育っていくのを見守ってほしいだけです」
「……私には無理だわ。子どもたちだってこんなお婆ちゃんよりもっと若い人の方がーー」
「愛情深い貴方だからこそ私は貴方に頼みたいんです」
「………」
それぞれ事情が違えど幼くして親をなくし、愛に飢えている子たちだ。
子によっては大人を信じられなくなっている子もいるだろう。
だからこそそれを愛情深く包み込めるだけの優しさがある人物ではなければ子どもたちを預けられない。
「年齢は……そうですね。気になるかもしれませんが、逆にそれを理由に子どもたちを頼って下さい」
「頼る?」
「人から求められることで子どもたちも成長し、支え合うことが出来るはずです。まだ身体は小さいですがすぐに大きくなるでしょう。男手があれば助かることもあると思います」
年だからこそそれを支える手として子どもたちを使ってほしいと頼む。
奴隷としてではない。
優しく愛情深い彼女がそんなことをするとは全く思っていない。
子どもたちに人としての生活を教え、逆に子どもたちには自分を支える力を分けてもらう。
与えるばかりでも、もらうばかりでもない。
手を取り合い、支え補う。
何とか頼めないかと言う縁に、まだ迷っているだろう彼女の前にそれを差し出す。
「貴方が育てた子たちが貴方の想いを受け継いでいく。貴方からもらった愛情を次へと繋いでいく。貴方という人がいてくれたことをきっと彼らは忘れない。そしてーー貴方が愛しただろう旦那さんのことも彼らはきっと忘れない」
「……………狡いわ」
受け取り泣き笑いような表情をする彼女にごめんなさいと謝る。
それはここを訪れる度に渡してきた花冠。
旦那さんのお墓にと作ってきたもの。
狡い言い方をしているのは分かっている。
だが子どもたちのためとは別に、自分たちに優しくしてくれた彼女がずっと一人でいるのを見ているのが辛く力になりたかった。
人間でありながら縁と同じく獣人を愛した女性。
どうかそのことを他の誰かにも知っていてほしかった。
「………お願い出来ませんか?」
「ーー分かったわ。私なんかでよければ」
了承も得られ、数日後には連れて来ることを約束する。
「住む場所はどうしたらいいかしら?」
「了承してもらってすぐというのも申し訳ないんですが、こちらのお宅の横に建てても構いませんか?」
家前にある畑以外周りには何もないため建てるには問題はないだろう。
「と言っても時間はかかるでしょう?それまでどうしたらいーー」
「問題ありません。今日中に完成させます」
「え?」
「エニシーーっ、持ってきたー!」
元気なルーの声に彼女の手を引き外に出れば、ドラゴンの姿で必要な材料を運んできてくれたルーに笑顔で手を振るのだった。
「エニシさんたらドラゴンともお知り合いだったの?」
「私の大切な家族です。ね?」
「オレもエニシだーいすき!」
人型に戻り抱きついてきたルーを縁も抱きしめ返す。
かなりの量だったが、その巨体で長い距離を運んできてくれたのだ。
必要なものが揃ったなら後は縁の仕事だ。
魔法を使い瞬く間に家を作り上げると、驚く彼女の手を引き中を案内する。
「部屋数は多めにしておきました。こちらにお風呂やトイレもあるので教えて上げて下さい」
縁には当たり前のことだが、日々のご飯を求め盗みをはたらく子たちが日常的にお風呂などに入っていたとは考え辛い。
「すごいわね。こんなに素晴らしい家を一瞬で作っちゃうなんて」
「ありがとうございます。もし必要なものがあれば言ってもらえれば用意しますので。子どもたちも慣れるまでに時間がかかるかもしれませんがよろしくお願いします」
話した感じでは痩せ過ぎなど以外に体調面に問題がある子はいなかったが、精神的なものは一緒に暮らしてみなければ分からない。
「この歳で子どもが出来るなんてね。でも嬉しいわ。とても賑やかになるわね」
嬉しそうに微笑む姿に彼女に頼んでよかったと心から思うのだった。
「あらあら嬉しいお客様だわ。おはようエニシさん」
その微笑みに縁も笑い返すと誘われるまま家にお邪魔することにした。
「急で申し訳ないんですが、実は貴方に一つお願いがあって来ました。もちろん嫌だと思えば断ってもらって構いません」
今から話すことは縁の一つの提案であり、彼女にも拒否権はもちろんある。
「今私が預かっている子どもたちの保護者になってほしいんです」
「保護者?私が?」
いきなりのことに戸惑っているようだが、嫌悪感があるようには見えない。
「両親がおらず、しかし身内には捨てられた子たちです。人数は6人。男4、女2。年齢はバラバラですが、自分のことは自分で出来る子が殆どです」
詳しく話していくがその顔色が晴れることはなく困惑が浮かんでいる。
当たり前の反応だろう。
「子どもたちにかかる費用などは全てこちらでお出しします。家もこちらで用意しますし、食糧なども子どもたちに自給自足させるので問題はありません。保護者と言いましたが特に何をしてほしいというわけではなく、ただ側で子どもたちが育っていくのを見守ってほしいだけです」
「……私には無理だわ。子どもたちだってこんなお婆ちゃんよりもっと若い人の方がーー」
「愛情深い貴方だからこそ私は貴方に頼みたいんです」
「………」
それぞれ事情が違えど幼くして親をなくし、愛に飢えている子たちだ。
子によっては大人を信じられなくなっている子もいるだろう。
だからこそそれを愛情深く包み込めるだけの優しさがある人物ではなければ子どもたちを預けられない。
「年齢は……そうですね。気になるかもしれませんが、逆にそれを理由に子どもたちを頼って下さい」
「頼る?」
「人から求められることで子どもたちも成長し、支え合うことが出来るはずです。まだ身体は小さいですがすぐに大きくなるでしょう。男手があれば助かることもあると思います」
年だからこそそれを支える手として子どもたちを使ってほしいと頼む。
奴隷としてではない。
優しく愛情深い彼女がそんなことをするとは全く思っていない。
子どもたちに人としての生活を教え、逆に子どもたちには自分を支える力を分けてもらう。
与えるばかりでも、もらうばかりでもない。
手を取り合い、支え補う。
何とか頼めないかと言う縁に、まだ迷っているだろう彼女の前にそれを差し出す。
「貴方が育てた子たちが貴方の想いを受け継いでいく。貴方からもらった愛情を次へと繋いでいく。貴方という人がいてくれたことをきっと彼らは忘れない。そしてーー貴方が愛しただろう旦那さんのことも彼らはきっと忘れない」
「……………狡いわ」
受け取り泣き笑いような表情をする彼女にごめんなさいと謝る。
それはここを訪れる度に渡してきた花冠。
旦那さんのお墓にと作ってきたもの。
狡い言い方をしているのは分かっている。
だが子どもたちのためとは別に、自分たちに優しくしてくれた彼女がずっと一人でいるのを見ているのが辛く力になりたかった。
人間でありながら縁と同じく獣人を愛した女性。
どうかそのことを他の誰かにも知っていてほしかった。
「………お願い出来ませんか?」
「ーー分かったわ。私なんかでよければ」
了承も得られ、数日後には連れて来ることを約束する。
「住む場所はどうしたらいいかしら?」
「了承してもらってすぐというのも申し訳ないんですが、こちらのお宅の横に建てても構いませんか?」
家前にある畑以外周りには何もないため建てるには問題はないだろう。
「と言っても時間はかかるでしょう?それまでどうしたらいーー」
「問題ありません。今日中に完成させます」
「え?」
「エニシーーっ、持ってきたー!」
元気なルーの声に彼女の手を引き外に出れば、ドラゴンの姿で必要な材料を運んできてくれたルーに笑顔で手を振るのだった。
「エニシさんたらドラゴンともお知り合いだったの?」
「私の大切な家族です。ね?」
「オレもエニシだーいすき!」
人型に戻り抱きついてきたルーを縁も抱きしめ返す。
かなりの量だったが、その巨体で長い距離を運んできてくれたのだ。
必要なものが揃ったなら後は縁の仕事だ。
魔法を使い瞬く間に家を作り上げると、驚く彼女の手を引き中を案内する。
「部屋数は多めにしておきました。こちらにお風呂やトイレもあるので教えて上げて下さい」
縁には当たり前のことだが、日々のご飯を求め盗みをはたらく子たちが日常的にお風呂などに入っていたとは考え辛い。
「すごいわね。こんなに素晴らしい家を一瞬で作っちゃうなんて」
「ありがとうございます。もし必要なものがあれば言ってもらえれば用意しますので。子どもたちも慣れるまでに時間がかかるかもしれませんがよろしくお願いします」
話した感じでは痩せ過ぎなど以外に体調面に問題がある子はいなかったが、精神的なものは一緒に暮らしてみなければ分からない。
「この歳で子どもが出来るなんてね。でも嬉しいわ。とても賑やかになるわね」
嬉しそうに微笑む姿に彼女に頼んでよかったと心から思うのだった。
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